おはようございます、ライター川口ゆかりです。
子どもたちが大きくなり、暮らしに少し余白が生まれたことで、身のまわりのものに目が向くようになりました。
毎日使ううつわも、そのひとつ。
特に骨董には、時を重ねたものならではの表情がある。少しのゆがみや傷も含めて、そのうつわが過ごしてきた時間まで感じられるところに惹かれます。そして何より、いつもの料理を盛るだけで、食卓の景色がちょっと変わるのが楽しい。
そこで、今年の夏休み前半は家族で京都へ

京都までは、東京から新幹線のぞみで約2時間ちょっと。
骨董好きはもちろん、「ちょっと興味はあるけれど、何を選べばいいかわからない」という人にも楽しんでほしい、京都のうつわ巡り旅を紹介します。
まずは、老舗「てっさい堂」さんへ

最初に訪れたのは、京阪三条駅から徒歩約3分、古門前通にある「てっさい堂」さん。
古伊万里や豆皿、漆器などを扱う老舗店で、店内には江戸中期から幕末、明治頃までの伊万里焼がずらり。豆皿からそば猪口、なます皿、大皿まで、形も柄も年代も実にさまざま。いつもの食卓にひとつ加えるだけで、料理まで素敵に見える。そんな楽しみ方を教えてくれる、京都らしい一軒です。

一歩店内に足を踏み入れて、まず心を奪われるのが、種類ごとにきれいに並べられたうつわたち。この光景を見られるだけでも、骨董好きにはたまりません。豆皿や猪口は4000〜5000円程度から。

枚数がそろっていますが気に入ったものは一枚から購入できるので、初心者さんにも安心。骨董はちょっと敷居が高そう……と感じている人にも、ぜひ訪れてほしいお店です。
なかでも、豆皿は圧巻の品ぞろえ!

▲店内の中央にある豆皿コーナー(一部)。
国内外、たくさんのお店を取材してきましたが、これほど多彩な豆皿を一度に見られる場所は、なかなかないかと。ひとつひとつ眺めていると、うつわを通して昔の暮らしを旅しているような気分に。

昔はこうした豆皿に塩を盛り、料理に添えて使っていたのだとか。うつわの形や絵柄だけでなく、使い方や暮らしの背景まで教えてもらえるのも、骨董店を訪れる楽しみのひとつ。
骨董を日常に取り入れるには?

そして、こちらで改めて実感したのが骨董のうつわは、もっと自由に使っていいということ。
たとえば、丸みのあるそば猪口は、コーヒーや紅茶を入れてカップ代わりに。和え物やヨーグルトを盛ってもいいし、小皿に重ねてスプーンを添えれば、ちょっと素敵なティーカップにもなります。
「自分なら、どんなふうに使おう?」と想像しながら選ぶと、骨董がぐっと身近な存在に。特別な日にしまっておくのではなく、毎日の暮らしの中で楽しみたくなる。そんな自由さも、骨董の魅力なのだと感じました。

2階には、うつわだけでなく、櫛かんざしや帯留めなどの着物まわりの小物やバカラなどのアンティーク洋食器も。 目を肥やすという意味でも、うつわ巡りのスタートにぴったりの一軒でした。
てっさい堂
場所:京都府京都市東山区古門前通大和大路東入元町371-3
営業時間:10:00-18:00
定休日:年末年始
「一保堂茶舗 京都本店」でひと休み

「てっさい堂」さんから徒歩約15分、寺町通にある「一保堂茶舗 京都本店」へ。
ここは私が京都に来たら必ず訪れる、定番スポット。 創業300年以上の老舗ながら、店内は堅苦しさもなく、自分好みの一服を探すことができます。この日は併設された「喫茶室 嘉木(かぼく)」で京都らしいおもてなしを感じながら、ほっとひと息。つかの間の休憩タイムです。

丁寧に淹れていただいたほうじ茶と和菓子のセット(1320円)をいただきながら、うつわの組み合わせや和菓子の盛り付け方を眺めるのも大切なインプット。
AIやSNSで情報を集めるだけではなく、こうして実際に自分の目で見て、手に取って体験してみることがセンスを磨く近道だと思っています。喫茶室でひと息ついて頭が整理されたところで、「そば猪口をカップとして使いたいな」という思いがふっと浮かびました。
お気に入りの一客を探しに、さっそく次のお店へ向かいます。
骨董を気軽に楽しめる「アンティークベル」さんへ

京都の街並みを楽しみながら、約15分ほど歩いて向かったのは「アンティークベル」さん。
2002年に「気軽に骨董を楽しんでほしい」という思いから始まったお店で、幕末期のうつわを中心に、インテリア雑貨や洋服なども扱っています。

店内は決して広くはないけれど、置いてあるもの一つひとつにセンスがあり、伊万里やアンティークガラス、古道具まで、見れば見るほど気になるものが出てきます。宝探しのようなワクワク感を味わえる。そんな感覚がすごく好み♡
初心者さんにおすすめの骨董とは?

スタッフの方に「骨董初心者におすすめするなら?」とうかがうと、教えてくださったのが印判皿(右下)。
私もいくつか愛用していますが、手描きのものに比べて比較的手に取りやすく、1000円以下で見つかるものも。気負わず普段の食卓に取り入れやすいので、骨董デビューにはぴったりです。

子どもたちに「まだ〜?」なんて急かされながらも、じっくり見入ってしまう。だって、骨董は一期一会。同じものにもう一度出会えるとは限らないから!

私が「アンティークベル」さんを推す理由は、高価で状態のいい骨董だけでなく、欠けやヒビのあるうつわも、気軽に手に取れる価格で並んでいること。スタッフの方いわく「日常で使えば、傷がつくのは当たり前。だからこそ、傷のあるものも気軽に楽しんでもらえたら」と。
その言葉に共感。
これなら普段の食卓でも気負わず使えそうだし、むしろ少しくらい傷があるほうがどんどん使おう! と思えてきます。骨董を特別なものにせず、今の暮らしの中で楽しむ。そんなおおらかなスタンスにすっかりファンになってしまったのでした。
アンティークベル
場所:京都府京都市中京区姉小路通御幸町東入丸屋町334
営業時間 : 12:00-18:00
定休日:年末年始
この旅で購入した、伊万里のそば猪口

あれこれ悩んだ末、購入したのは「アンティークベル」さんで見つけた伊万里焼のそば猪口。決してお安くはなかったけれど、繊細な絵柄にひとめぼれしてしまって。
骨董のそば猪口、私ならどう使う?

少し大きめなので、朝のコーヒーや午後のおやつタイムをたっぷり楽しみたいときにも活躍しています。
「これを買う!」と決めて出かけるのではなく、旅の途中でふと心惹かれるものに出会う。そんな偶然も、京都でのうつわ巡りの楽しみのひとつ。次に京都へ行く際は、毎日の暮らしに連れて帰りたい一品を探す時間も楽しんでみてはいかが?
前回の京都旅はこちら
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川口ゆかり Yukari Kawaguchi
ライター
1977年生まれ。LEEでは私服コーデや収納企画など、登場するたび話題に。2児の母としてトレンドをプチプラと賢くMIXしたスタイルが大好評。
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