この20年で産みやすく、育てやすくなった
変わりゆく出産NOW

\社会の制度や支援、風潮にもこんな変遷が/
妊娠・出産をサポートする、今どきの出産事情
さまざまな変化があった、日本の出産。さまざまな課題を抱えていますが、よりよい環境づくりに向けた動きも!
これからの課題もあり
産院の減少や人手不足をいかに解決するかがカギ
産科医療機関は設備維持や人員確保など、経営維持に莫大な費用がかかります。「今後も経営を維持するため、大規模病院へ統合される傾向にありますが、妊婦にとってはアクセスが悪くなることも。また、産後ケアの需要が高まるほど、看護師や助産師の人手不足も深刻化する傾向に。特に地方の妊婦が通院・出産に困らないような環境づくり、看護師や助産師の待遇を高めるなど、改善策が必要とされています」(丸田さん)

前向きな話題もいろいろ!
不妊治療や無痛分娩など、妊娠出産の選択肢が増えている
かつては高額な費用や実施施設の少なさなどが理由で、不妊治療や無痛分娩を諦める人も。「体外受精は年齢や回数に制限はあるものの、保険適用が受けられるようになり、利用しやすくなりました」(河合さん)。「産後の回復が早く、体力温存ができる無痛分娩は2018年から2024年の間に約2.7倍に。陣痛が弱くなるなど、デメリットを理解する必要はありますが、希望する人が選択できるのはいいこと」(丸田さん)
専門スタッフが母子を支える産後ケア事業が充実
退院後の母子に対して、安心安全な子育て環境を整える産後ケア事業が、自治体の努力義務に。病院や助産院の空きベッドを活用する宿泊型、施設に通う通所型、スタッフが自宅に訪問するアウトリーチ型があります。これまでの所得制限が撤廃され、2023年からはすべての産婦に対して1回2500円(住民税非課税世帯は1回5000円)の利用料が減免。より利用しやすい環境に。(※回数制限あり)

法改正が追い風になり男女ともに育児をする意識が向上
1992年に育児休業法が施行されたものの、男性の取得率が上がってきたのはここ数年のこと。「法改正も大きいですが、20〜30代は男女ともに育児に参加するのが当たり前という考えの人が多く、こうした意識の変化はうれしい流れ。今後は取得可能期間の長期化や、乳幼児だけでなく小中学生でも子どもの状況に合わせて、スムーズに取得できる環境に変わっていくことも期待したいです」(河合さん)
少子化や人口減少に歯止めをかける経済的支援が拡充
政府は2023年に策定した「こども未来戦略」の「加速化プラン」を、2024〜2026年度の3年間で集中的に実施中。「児童手当の拡充や高等教育費の負担を減らすなど、さまざまな取り組みが行われています。分娩費の保険適用も、内容はまだ明確にはなっていませんが、これから赤ちゃんを迎えようとしている人だけでなく、社会全体にとってよりよい制度になっていくよう、注目していきたいです」(河合さん)
Staff Credit
撮影/柳 香穂(河合 蘭さん分) イラストレーション/中島ミドリ 取材・文/田中理恵
こちらは2026年LEE6月号(5/7発売)「変わりゆく出産NOW」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。
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