連載
KANAE’s MASTERPIECES────Interior Items
スタイリスト
石井佳苗の「インテリア名品」
テイストの変遷や引っ越しを重ねた今も、手元に残る大切なもの。石井さんのスタイルを形作る名品を、毎月1点ずつ紹介します。今回は、気に入ったものがなかなか見つからない、あのアイテムについて。
file
23.
[日用品]Daily necessities

Made in:Japan, etc.
Item:Tissue case
ティッシュケース
生活に必要なものは、隠さずにお気に入りでパッケージし直せばいい
暮らしには必要だけれど、そのまま出しておくには、ちょっと支障があるもの。それが、私にとってはティッシュペーパーでした。とはいえ、引き出しの中などに隠してしまうのは、どうも納得がいかない。まあ、世の中には“ティッシュケース”がたくさん売られているし、気に入ったものさえ見つかれば、この問題は簡単に解決するはずでした。
ところが「これ!」というものと出合うのは想像以上に難しく、ようやく見つけたのが、ギャラリーのオーナーが直々にオーダーしたという作家ものの陶製。ただ、私の場合、家のあちこちに置くので、数を揃えるとなるとなかなか大変です。そこで、「よく考えたら、テイッシュの箱が見えなければいいわけだし」と、お気に入りの箱に、すっぽり入れてみることにしました。すると、マイナスの存在だったティッシュが、むしろプラスの存在に……。いつも目に入る場所に、お気に入りがもうひとつ、増えた状態になったのです。
そもそも、私が気になっていたのはティッシュそのものではなく、市販のボックスのデザインやカラフルさ。もしかして、ティッシュ自体は見えていてもかまわないのかも?と、試しに中身を出して、バスケットに入れてみたら、これも大正解でした。
暮らしに不可欠だけれど、パッケージが好みでない。そういったものは、好きなものでパッケージし直してみる。そんな方法を知っておくことは、暮らしやすく心地いい空間作りにきっと役立ってくれるはずです。

以前、ギャラリー「夏椿」で購入した林拓児さんの陶製の作品。オーナーの恵藤文さんがオリジナルでオーダーしたそう(現在、半年〜1年納期の受注制作で購入可)。

イタリア製のブレッドバスケットを洗面所のペーパータオル入れに。重しにしたのは、大きな岩塩。「『アレッシ』のステンレス製のシリーズはもともとホテル用に作られたもの。つくりの美しさが目を引きます」(石井佳苗さん)。4月中旬オープン予定の「アレッシ ジャパン」のECサイトで購入可。
Brand:
The Conran Shop
Japan, 2024
韓紙を貼り合わせた美しい箱に市販のボックスティッシュを収めて

もともと韓紙の箱を愛用していた石井さん。こちらは「ザ・コンランショップ 代官山店」の1周年記念で韓国雑貨にフォーカスした際、アーティストの手々さんとコラボして作ったボックス(現在は終売)。韓紙をポジャギのように貼り合わせて作っている。「茶箱や収納箱として使えるポジャギ箱。ティッシュも入るサイズにし、中蓋もつけることで、ティッシュケースとしても使えるようにしました。市販のティッシュがすっぽり収まる箱をケースにするのも、手軽でおすすめですよ」

Staff Credit
撮影/宮濱祐美子 取材・原文/福山雅美
こちらは2025年LEE4月号(3/7発売)「スタイリスト石井佳苗さんの「インテリア名品」」に掲載の記事です。

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