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【スマホ・タブレット・PC画面の掃除法】「ピカピカさせたいもの」は、どう磨くのが正解?
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藤原千秋
2025.02.27
鏡に写したファッションの自撮りをSNSに上げたいけど、よく見たら鏡にくっついているホコリがすごーい! 画像拡大されたら恥ずかしい!
そもそも写真を撮ってるタブレット画面も、なんだか汚い!
かすみ目かと思っていたら、仕事用パソコンの画面もホコリまみれ!
スマホの画面も汚れてる指で触っちゃってるらしくて、汚い!
ていうか、ついトイレに持ち込んじゃうスマホって、もしかして衛生的にマズい!?

――私たちの身の回りには、できればいつも「ピカピカ」させておきたいものがたくさんあり、でもそれは思いのほか難しい。はたして、どうするのが正解?
今回は、そんな身のまわりの「ピカピカさせておきたいもの」を曇らせる原因を大きく3つピックアップ。
具体的に、何にどう対応してキレイにするのが最適なのか、簡潔にまとめていきたいと思います。
ピカピカを曇らせる原因1:手垢、皮脂、食べものの油分、化粧品など

指紋汚れやお菓子などの、ネトネト、ベタベタした、おもに油分を含んだ汚れ。タブレット画面など子どもに与えておくものに顕著ですが、ハンドクリームをつけた手で触れてしまうなど、大人でも不用意につけがちです。
付着したのが水気を嫌う電気製品の場合、できるだけ「乾拭き」で対処を。とはいえ、どんなに手近でもティッシュペーパーやキッチンペーパーなどの「紙」類で拭くのは避けた方が無難。意外と繊維が硬く、微細な傷がつきかねないためです。
また一見柔らかそうでも「お尻拭き」のようなウェットティッシュもできるだけ避けて。油を水でただ拭いても、拭き跡が汚くなる点に注意しましょう。
タブレットやスマホ、パソコンのディスプレイなどを拭く場合は、専用のクリーニングクロス(マイクロファイバークロス)を使い、落としきれない厄介な汚れには中性洗剤(食器用や住居用)を薄めて少量塗布、汚れを溶かし緩めてクロスで拭き取り、すすぎ拭きます。
消毒用エタノール(アルコール)などは揮発性が高く、拭いても乾燥しやすいので電気製品と相性が良いようにも感じます。しかし有機溶剤の一種でプラスチックの躯体を傷める原因になります。できるだけ使用は避けてください。
ただ汚れているのが鏡やガラス窓などの場合は、中性洗剤成分がやや濃いめでも大丈夫。またガラスはティッシュペーパーとアルコールのタッグでも掃除可能です。
ただやはり大量に使うと、シミや塗装剥がれの原因になったり揮発成分で酔ったりするので、気をつけて使うようにしてください。
ピカピカを曇らせる原因2:ホコリ、水アカなど

ザラザラ、ガサガサしたホコリや、水アカなどによる固めの汚れも、ピカピカあるべきものを曇らせます。
おもに水滴の飛び散りやすい箇所に付着・固着しやすく、洗面所や浴室の鏡や水栓金具、トイレの水栓レバーや手洗い部などに多く見られます。
水周りではない、寝室など居室の鏡や家具のピカピカした面に付着したホコリについては、やはり基本的には「乾拭き」で拭き取ってください。
ふわふわに加工されたポリエステルにパラフィン(蝋)が含まれているような市販のモップは傷が付きにくく無難です。マイクロファイバークロスでも構いませんが、ホコリそのもので傷を付けないよう、拭き取りの際、ゴシゴシと力を入れないようにするのが大切です。
水滴の飛び散る箇所については、水道水に含まれる石灰などのミネラル分による曇りが生じるので、ミネラルをとかしながら拭き取る必要があります。
洗面所の鏡や洗面ボウル周り、キャビネットの面材などは1〜2%に希釈した「クエン酸水」を含ませたマイクロファイバークロスで拭くと水アカとホコリが一度に取れます。
浴室などホコリよりも水アカの方が多い箇所では、固着度合いが高いので、鏡や水栓を拭くだけでは曇りを落とせないことが大半です。
クエン酸水をかけたところにスポンジなどで擦る作業を加え、しっかり濯ぎましょう。
住まいのキッチンに近いエリアでは、このホコリに油煙が混じるケースも多いので、その場合は1の掃除方法で取り除いてください。
ピカピカを曇らせる原因3:目に見えない排泄物由来の細菌など

パッと見た感じでは、汚れていないはず。でも肌身離さず、トイレにも持ち込んでいる(かもしれない)スマホ。その画面からは、便座の10倍もの菌が検出されたとの報告もあります。
また利き手でお尻を拭く、そのトイレットペーパーは、「36枚重ねて」やっとうんちの大腸菌を通さなくなるといいます(日本防菌防黴学会誌 1991)。たった2、3枚で拭いただけのその手には一体……。
とはいえ1で説明したように「消毒用エタノール」で拭くのはスマホに対し、あまりよろしくありません。また胃腸風邪の原因になるノロウイルスなどはそもそもエタノールでは不活化できません。
ノンエンベロープウイルスに効果のある「次亜塩素酸ナトリウム」を使うとなると、スマホケースもろとも変色、変質しかねません。
となると、スマホはトイレに持ち込まないのが良さそうです。
LEE本誌や、LEEwebでも大活躍中の家事スペシャリスト、藤原千秋さん。早目に知っておくと安心な“おそうじ”の豆知識や実践テクを、季節先取りでお届けします。次回もお楽しみに!
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藤原千秋 Chiaki Fujiwara
住生活ジャーナリスト、ライター
掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。