〜五感を研ぎ澄まし心地よく暮らすvol.55〜
年に一度だけ開くお店〜あわいもん二〇二四〜で過ごす特別な時間【LEE DAYS club clara】
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LEE DAYS リーデイズ
2024.05.10
年に一度だけ開くお店、あわいもんって?
年に一度、数日間だけ開くお店「あわいもん」の存在を知ったのは一昨年のこと。店主の土田みおさんはcinecaの屋号で映画を題材にしたお菓子作りをしながら、とある雑誌でコラムを掲載されていました。映画とお菓子作りが好きな土田さんが、映画から発想するお菓子を作り、新たな視点で映画の魅力を伝えるコラムは、映画もお菓子作りも好きなわたしにとって毎回新鮮な発見があり、更新をいつも楽しみにしていました。
そんな土田さんが企画する「あわいもん」。
一年もの歳月をかけ、提供するお菓子の開発をしたり、空間をどう作るかを考え、作家の皆さんと一緒に準備をすると知り、一体どんなお店なのかしらと興味津々。思いを募らせること2年、ようやく念願が叶い、友人を誘って先日お邪魔してきました。
贅沢な敷地と建物と
閑静な都心の住宅街にある広々とした敷地には豊かな緑が生い茂り、まるで森の中のよう。敷地の中心に佇む大きな紅葉の木が青々とした葉を広げ、この日は夏日でとても暑かったのですが、静かな避暑地にいるような涼やかな空気感に満ちていました。木々に囲まれた敷地内に佇む、前面に大きなガラスが使われているのが印象的な建物は有名な建築家の方の自邸だそうで、建築物としても見応えがあります。
自然と一体化したロケーションの中でいただくお菓子と飲物
予約時間に建物の中へ。1階にはこの日のために様々な作り手の方が創作された作品が美しく並べられ、早くも気持ちが高まります。
通されたのは2階のお部屋。なるべくゆったりと過ごしてほしいと、席数はかなり少なめに設えられていました。すべての席に木工作家「内山玲」さんの作品であるスツールが置かれ、実際に座ってお茶を楽しむことができるという贅沢ぶり!
何よりも感激したのはその眺め。大きな窓からはたっぷりと光が溢れ、窓の外に広がる豊かな自然との一体感を感じる贅沢なロケーション。この窓から眺める紅葉の色付く様や落葉はさぞや美しいことだろう、と友人と思いを巡らせました。
土谷さんの作られるお菓子は何種類かあり、どれも不思議なネーミングで気になるものばかり。悩みながら、わたしは新作の「スポンジ」をいただくことにしました。飲み物は「スポンジに合う」とおすすめされた「乳衣」と名付けられたハーブ酒のモクテルを選びました。
席には美しい手書きの「よ」と書かれた札が。達筆です。
特別なお茶の時間
程なくして、お絞り、飲み物、お菓子が運ばれてきました。その完璧なトータルコーディネートにまたしても目を奪われてしまいました。
小さなガラスの器にキュッと絞りの形で置かれたのは、小さなお絞り。
極薄口の繊細なガラスのグラスに注がれた「乳衣」は、仄かな酸味とハーブの風味が感じられる微発酵の飲物。はじめまして、のお味にいたく感激し、一口ずつ大事にいただきました。氷の奏でる涼やかな音と相まって後味に優しい余韻がふわっと残ります。
「スポンジ」はその食感とフォルム、色合いまで見事にスポンジが再現されていて、器も作家さんがこの日のために制作されたという特別なものなのだとか。スポンジの上にはスポンジに残った泡をイメージしたという発酵クリームがのせられています。隅々まで抜かりなくこだわった、これもひとつのアートのよう。
シチュエーションを含め、すべてが印象深く、記憶に残る忘れられない体験となりました。
こだわりは随所に
こちらはショップカードと、お菓子に添えられていた説明書きの紙。ショップカードはそのお店ならではのこだわりが感じられるアイテムとして、紙の質感、フォント、デザインなど素敵だなぁと思ったものはいただくことにしています。
そして艶なしのテーブルのこの天板も、おそらくお菓子や器を引き立てるためのこだわりなのだろうなぁ、と。みごとなまでに完璧な設えに、思わず感嘆のため息が出てしまいました(本当に感激すると人って無口になりますね)。
フォトジェニックな佇まいは、つい写真に収めたくなる可愛さ(※手元のお写真のみ可とのことで撮影許可いただいております)。
面白く美しく、心地のよいものたち
お菓子をいただいた後は、1階に並ぶ作家さんたちの作品をじっくり拝見しました。どれも今回のために創作されたという特別なものばかりです。先日ワークショップにお邪魔した「植田佳奈」さんの作品や、陶芸家「オノエコウタ」さんの陶器、「内山玲」さんのスツールなどもすべて販売可とのこと、選び抜かれた作品はどれも見ごたえたっぷり。
その他にも古書や紙ものなど、独自の視点で選び抜かれた逸品が随所に置かれ、手に取り触れるだけで心踊る素敵なものばかりでした。
お買い物したもの
オノエコウタさんの「球」と名付けられた作品に惹かれ、ひとついただいてきました。あわいもんのコンセプトにある「用途があるかどうか問うもの」に相応しい、この作品に宿る不思議な魅力を感じました。こんな完璧な球体が人の手で作られるなんて!と、転がる球を見ながら感動してしまいました。
ひとまず愛猫の手の届かない場所に飾っています。
予約時間ギリギリまで心地よい空間の中で、ゆったりとしたひと時を心ゆくまで堪能しました。今思い返してもあのひと時は特別な時間だったなぁ……と。
また次回があるなら、ぜひお邪魔してみたい。行ったばかりだけれど、もうそんなことを考えています。
最近のわくわくする体験
「組む東京」で開催されていた、ヒンメリ作家「仲宗根 知子」さんの作品展にお邪魔してきました。また記念日を迎え、久しぶりにお気に入りのお花屋さんでお花を選びました。
clara
48歳 / 埼玉県 事務職
フルタイムワーカー。夫と2人の子ども、猫(♂)との暮らし。自分に必要なものをその時々で取捨選択し、日々心穏やかに過ごせるよう心がけています。ひと手間かかっても五感を満たしてくれるもの、丁寧に作られたものを好みます。
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