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動物に触れているような心地よさを感じます

「毛足の長いラグ」1枚で冬らしいインテリアが完成【石井佳苗さんのインテリア名品】

  • 石井佳苗

2024.01.16

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連載

KANAE’s MASTERPIECES────Interior Items

スタイリスト

石井佳苗の「インテリア名品」

テイストの変遷や引っ越しを重ねた今も、手元に残る大切なもの。石井さんのスタイルを形作る名品を、毎月1点ずつ紹介します。今回は、寒い時季になると石井家に登場する、毛足の長いラグについて。

石井佳苗さん

石井佳苗さん

Kanae Ishii

スタイリスト

「カッシーナ・イクスシー」にて10年間勤務後、独立。雑誌や書籍、広告など多分野にわたる活躍で知られる。住まい作りの感覚を磨くヒントを綴った近著『Heima』(扶桑社)も好評。

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11.

[ラグ]Rug

毛足の長いラグ

Made in:Turkey, Morocco, Greece
Item:Long pile rugs
毛足の長いラグ

たった1枚敷くだけで冬らしいインテリアが完成

ご存じの方もいると思いますが、私は相当なラグ好き。敷ける床の面積は限られているにもかかわらず、心惹かれるものがあると、いまだに1枚、2枚とつい増やしてしまいます。春にもこちらの連載で、平織りの薄手のキリムを紹介しましたが、今回はこの時季にぴったりな毛足の長いラグに着目。

まず、ラグのいいところは気軽に部屋の雰囲気を変えられること。視界に占める面積が大きいですから、気軽な模様替えにうってつけです。わが家に毛足の長いラグが登場するのは、だいたい10月の終わり頃。肌寒さを感じ始める時季にふわふわした質感のラグが目に入ると、それだけで部屋全体が暖かな印象になります。

時々、「ラグってホコリが舞いそう」という相談を受けますが、私の実感としては、フローリングそのままのほうがホコリを目立たせる気がします。むしろ、ラグがある程度ホコリを吸着してくれるので、空間に舞うことが少ないように感じるのです。

毛足の長いラグを敷くことの一番のメリットは、なんといっても素材そのものの肌触りを楽しめること。通常のパイルラグのなめらかさも魅力的ですが、もっと動物そのものに触れているかのような、実に癒される感覚です。「冬場は厚い靴下やルームシューズを履いているから関係ない」なんて思うかもしれませんが……足の裏って、想像以上に敏感。上質なラグの感触は、たとえスリッパ越しでもしっかりと伝わり、冬の心地よさに大きく影響するのです。

モロッコ製ラグ「ベニワレン」

日本でも人気のモロッコ製ラグ「ベニワレン」。石井さんは、めずらしい赤をザ・コンランショップで購入。白いラインがテーブル&チェアの色とリンク。「椅子に座ったとき、足元にこの感触があるだけで、くつろぎ度がよりアップします」(石井佳苗さん)

羊毛そのものの色を堪能できるギリシャ製のラグ

羊毛そのものの色を堪能できるギリシャ製のラグは約80×70㎝。「小さくても1枚敷くと、空間をゆるやかに区切れて、ワンルームの中にさまざまなコーナーを作れるんです。“家具の前の小さなラグ”から始めるのもおすすめ」(石井佳苗さん)



Item:

Long pile rugs

Turkey, Morocco, etc.

やわらかな動物に触れているような心地よさを足裏で感じます

トルコ中部産の「ヤタック」とトルコの寒冷地で織られ“長い毛足”という意味の名を持つ「チュル」

上のラグはトルコ中部産の「ヤタック」。この名は寝具用に使われた厚手ラグの総称で、人ひとりが横になれるサイズ感が特徴。(約180×120㎝)。下のラグはトルコの寒冷地で織られ“長い毛足”という意味の名を持つ「チュル」。毛足がループ状になっていて保温性が抜群。「素材はアンゴラヤギ。肌触りのよさは、いわゆる“モヘア”ならでは」(石井佳苗さん)。(約178×128㎝)。2枚ともグランピエ(https://granpie.com)で購入。

猫

Staff Credit

撮影/宮濱祐美子 取材・原文/福山雅美
こちらは2024年LEE1・2月合併号(12/7発売)『スタイリスト石井佳苗さんの「インテリア名品」』に掲載の記事です。

石井佳苗 Kanae Ishii

インテリアスタイリスト

「カッシーナ・イクスシー」にて10年間勤務後、独立。雑誌や書籍、広告など多分野にわたる活躍で知られる。住まい作りの感覚を磨くヒントを綴った近著『Heima』(扶桑社)も好評。初心者にもわかりやすいオンラインレッスンも行っている。

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