海外の主要都市では既にスタートしています
クレジットカードで電車やバスに乗れる――そんなサービスがどんどん拡大しています。
今はSuicaなどの交通系ICカードを改札にタッチするのが日常ですが、今後はその代わりにクレジットカードをタッチして乗車することも増えてきそうです。
こうしたサービスは、もともとはインバウンド(訪日観光客)向けに実験的に導入されてきました。私たちが当たり前の用に使っている交通系ICカードは日本国内でしか使えません。短い滞在期間だけのために、外国人客がわざわざSuicaを買うのももったいないですし、きっぷを買うために毎回券売機に並ぶのも大変です。
海外の主要都市では、すでにクレジットカードを改札にタッチして電車に乗るシステムが採用されていることもあり、日本でもクレカによるタッチ乗車の実証実験を進めてきました。
タッチ決済に対応したクレカで専用改札(端末)にタッチし、その乗車料金は後から引き落とされる仕組み。
主にインバウンド向けということもあり、首都圏なら京急バス・西武バスの羽田空港ルート、大阪の南海鉄道、沖縄エアポートシャトルなど国際線空港からのアクセスや観光地の移動を中心に広げてきたのです。
SuicaやPASMOが主流の首都圏でも、2023年8月30日から東急電鉄が田園都市線にてクレカのタッチおよびQRコードをかざして乗車できる実証実験を開始、今後は東横線や目黒線、大井町線などに拡大される予定です。
専用サイトでワンデーパスを購入したのちタッチで乗車
田園都市線でのタッチ決済は後払い方式ではなく、専用サイトにログインして乗り降り自由のワンデーパスを購入し、購入に使ったクレジットカードでタッチして(あるいはQRコードをかざして)乗車する方式です。対応しているのはVisa、Mastercard、JCB、American Expressなどの国際ブランドで、タッチ決済機能が付いたカード(Mastercardはクレカタッチ未対応、QRコードでの乗車になる)。
今回はチケットの事前購入が必要ですが、2024年春以降に向けて後払い方式も検討中とか。現状ではJRや私鉄各線線との相互乗り入れが複雑なため、クレカタッチだけで電車に乗れるようになるのはもう少し先になりそう。
でも、財布にクレカがあれば移動も買い物もすべて済む――という未来が少しずつ見えてきています。
この連載コラムの新着記事
松崎のり子 Noriko Matsuzaki
消費経済ジャーナリスト
消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。
この記事へのコメント( 0 )
※ コメントにはメンバー登録が必要です。