子どもの“行き渋り”に直面!その時どうする?
子どもの「学校に行きたくない」への親の第一声、何て言うべき?不登校支援の専門家が解説
2023.09.29
親の対応アドバイス編
子どもの“行き渋り”に直面した親たちの「とまどい」、どう対応すべき?
もしも子どもが突然行き渋りを始めたら、親が抱えがちなとまどい。子どもを追い詰めないような声かけや対応を、不登校支援の専門家が解説します。
教えてくれたのは…
認定NPO法人カタリバ 今村久美さん
代表理事
’01年に認定NPO法人カタリバを設立。経済的に課題を抱える家庭の支援、メタバースを活用した不登校支援など、社会の変化に応じて多様な活動に取り組む。
不登校支援に力を入れてきた認定NPO法人カタリバが作った、親子のためのガイドブック。『NPOカタリバがみんなと作った 不登校—親子のための教科書』(ダイヤモンド社)
石井志昂さん
不登校新聞代表理事・編集長
自身も不登校経験者で、中学2年生から不登校に。19歳で全国不登校新聞社に就職。’06~’22年編集長、’20年から代表理事。これまでに不登校の子どもやその親など約400人を取材。
学校へ行きたくないと言う子どもにどう対応するべきか、子育てのノウハウなど具体的なアドバイスが満載。『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること』(ポプラ社)
【とまどい】
「学校に行きたくない」への親の第一声、何て言うべき?
焦ってまくしたてずあえて“生返事”して子どもの様子を見る
不登校新聞代表理事・編集長
石井志昂さん
フリースクールのスタッフが実践しているのが「へぇ、そうなんだ」と受け流して様子をうかがうこと。親は理由を聞いたり、問い詰めたりしがちですが、子どもから何か話せるよう間を持ちたい。突然でも焦らず、まずは生返事で一呼吸おきましょう。(石井さん)
【とまどい】
学校に行きたくない理由を聞いてもOK?
理由はひとつではなく、本人に明確な答えがないことも
認定NPO法人カタリバ
池田隆史さん
理由を聞いてもいいのですが、学校を休む理由はひとつではなく、明確な答えがない、本人も自覚していないことが多いと思います。「なんで不登校になったのか今でもわからない」と話す不登校生もいるほどです。(池田さん)
子どもから理由を言ってくるのを待つほうがいい
不登校新聞代表理事・編集長
石井志昂さん
理由は聞かず、子どもから言ってくるのを待つほうがいいと思います。例えばいじめなら、被害を受けた側はショックで、理由を話すことがカミングアウトになるのでそう簡単には言えないはず。本人のタイミングで。(石井さん)
【とまどい】
子どもに言ってはいけないNGワードってある?
SOSを断られたような気持ちになる! 学校に行くように促す言葉はNG
不登校新聞代表理事・編集長
石井志昂さん
NG 今日だけ学校に行ってみたら?
NG もう少し頑張ってみよう
NG もう少し様子を見てみよう
NG なんで学校に行けないの?
どれも言いがちで、行き渋りの子どもの親は実際に言っている言葉だと思います。もちろん子どもによって程度の差はあるものの「学校に行きたくない」と口にするのは、相当な場合。我慢を重ねて出たヘルプなので、学校に行くように促す言葉は、SOSを断られた感覚になりNG。親が仕事を休めるかはおいておいて「今日休む?」など、子どもが安心できる言葉がけを。(石井さん)
Staff Credit
イラストレーション/今 じんこ 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2023年LEE10月号(9/7発売)「突然、子どもの“行き渋り”がやってきた!」に掲載の記事です。
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