産婦人科医の宋美玄さんのポッドキャスト番組「聴く婦人科診察室」は、宋さんとLEEweb編集長・畑江が婦人科系疾患、生理、セックスレス、更年期、女性を取り巻く社会問題などなど、女性の心身の健康について時に赤裸々に、時に為になるトークを繰り広げます。毎週月曜日18時更新です。祝・100回突破記念として、リスナーの皆様から寄せられた婦人科系のお悩みに宋さんがお答えします! 今週は「ピル」についてのご質問やご意見を取り上げます。
宋美玄さんの「聴く婦人科診察室」#105
今週のよりぬき
- 「高校生の娘の低用量ピル服用について質問です。受験を控え、生理痛も重く、受験のプレッシャーの影響かたまに不定期になることもあり、受験と生理が重なったら辛いだろう、と夏頃に地元(田舎在住)の婦人科を受診。いったん生理をずらし副作用の有無を試すお試し的な服用をすることに。生理痛を和らげる意味でも服用を続けたいと再度受診したら先生(年配の男性)に「受験のときだけでいいのでは? 日常的にピルを飲むと周囲の人に『この子、高校生なのにピル飲むの?(避妊が必要ってこと?)』と勘違いされて恥ずかしいでしょ」と言われ……。どんなわけで受験前に再度ピルをもらいにいくことになったのですが、高校生がピルを飲むのはおかしいことなのでしょうか?何歳からだったら飲んでもいいのでしょうか? 私は高校生が飲んでも全く問題無いと認識していたけど、病院でそう言われて自分が間違ってるのかも?と心配になったので、教えていただけると助かります」(ソフォラさんからのメール)
- 「12月にいただいていたメールです、回答が受験に間に合わずごめんなさい!!」と宋さん&畑江
- 「“高校生が避妊してるなんて”って、その先生が偏見を助長してるのでは……私も産婦人科医20年選手なのでその空気感わかります、昔はピルは保険適用にならず、しかも避妊目的のみの服用だった時期も知っているので」と宋さん
- 「けど、ピルを飲んでも誰に何を言われる筋合いもない。健康的にも高校生がピルを飲んでも全く問題ありません。受験日までの間もピルを服用して快適に過ごせたほうがいいですし」と宋さん断言
- 「生理をズラすためにはより副作用きつい中容量ピルを処方するドクターもいます。低用量ピルだと『来週の生理をズラしたい』はできません、前の月から服用する必要があります」と宋さん
- 「中容量ピルは割と直前の生理もズラすことができますが、吐き気など副作用が出やすいです」と宋さん
- 「この先生は夏のうちにに副作用確認してOKなら、受験前まで飲まなくてもいいんじゃ?という方針なんでしょうけど、低用量を前もって処方すればばいいのに、と思います」と宋さん
- 「うちのクリニックでも、他のクリニックで“10代ではまだピル処方はちょっと……”と断られて受診する人もいるので、まだ否定的なドクターもいるんだろうなと」と宋さん
- 他にも「娘は受験中ピルを飲んでいましたが、受診料と薬代が高いので服用をやめています」「諸外国のようにピル無償配布のためどうしたら?」というメールもいただきました!
- 東京都の場合、中学生まで保険適用のピルなら無料。ただし自治体によって差がある
- 「ジェネリック医薬品も多数出ています、診察料検査料入れても月平均1000円ぐらいで飲めます。“高くでて服用やめました”という方は自費診療のピルで月3000円くらいかかっているのかな?と予想」と宋さん
- ピルはPMSのみ治療のためでは保険適用にならない。生理痛や月経過多なら保険適用になる
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過去放送はこちら!
「親ブロック」でピルを飲みたくても飲めない…お母さん、ピルを飲んでも妊娠しにくくなりませんよ!【宋美玄さんの聴く婦人科診察室#45】
イラスト/小迎裕美子
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宋 美玄 Song Mihyon
産婦人科医
セックスや女性の性などについて、女医の立場からの積極的な啓蒙活動を行う。メディア出演や著書多数。'17年、丸の内の森レディースクリニックを開業。https://www.moricli.jp/
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