性教育先進国のオーストラリアから学ぶ「同意」と「生理」の教え方【宋美玄さんの聴く婦人科診察室＃66】

宋美玄

2022.10.03

音声

産婦人科医の宋美玄さんのポッドキャスト番組「聴く婦人科診察室」。宋さんとLEEweb編集長・畑江が女性ならではの身体や心のお悩みを解決したり、女性の性にまつわる最新事情を紹介したりと、赤裸々トークを繰り広げます。毎週月曜日18時更新です。今回は畑江の先輩で集英社女性誌企画編集室編集長の中安礼子さんをゲストにお迎えしてお届け。中安さんが編集担当した10代のためのエンパワメントBOOKシリーズ『こんにちは！生理』『こんにちは！同意』について大いに語り合います。

宋美玄さんの「聴く婦人科診察室」#66
今週のよりぬき

以前、中安さんが編集した書籍『子どもを守る言葉「同意」って何？　YES NOは自分が決める！』（レイチェル・ブライアン著、中井はるの訳）を当時9歳の娘に読ませたところ、熟読！『お母さんの選んだ服には同意してない！』と超意識が高くなりました（笑）」と宋さん
今回の2冊はオーストラリアで出版された本の翻訳版。ＭＣとして活躍し、女性のセクシュアリティについての本音を語るポッドキャスト番組で賞をもらったユミ・スタインズさんと、彼女が長年信頼し、ティーン誌で悩み相談を担当している医師のメリッサ・カン先生の共著
作家でフェミニストの北原みのりさんから『こんにちは！生理』の方を「翻訳したい！」と提案していただき、その間に『こんにちは！同意』も出版されたので、2冊連続で刊行
性教育をする機会が多い宋さん。性行為そのものについてだけでなく「両者の同意が必要」といった話もするが「じゃどうやって確認しあうの？」とモヤモヤすることも
「自分の身体がその場の空気に強制されたり、同調圧力がある場面のモヤモヤについてきちんと言語化されている本ですね。具体的に『許せる／許せない』のボーダーを考えてみましょう、と提言していたり。彼氏彼女ができる年頃になったら、できたら2人で読みたいですね」と宋さん
「親御さんにもぜひ読んでいただきたいです、お子さんが困ったときや、何か聞かれたときに間違ったことを言わないために」と中安さん
「思春期の子育てにも親が読んでおくと『自分の子どもであってもひとりの人間として尊重しないと』ときづきがあると思います」と宋さん
『こんにちは！生理』には生理用品やアイテムが多数紹介されており、使い方の詳細も
「オーストラリアは昔から日本より進んでたのかな？　ミレーナやインプラント（日本未承認、という注釈もあり）もティーン向けに紹介してる！」と宋さん
「オーストラリアのティーンが進んでいるわけでなく、日本のティーンが情報にアクセスできない、という現状なんですよね……。自分がまず読んで、娘に渡して話し合いたい」と畑江
「教育現場で性教育をやってもらえるまではこれらの本を読む機会を親が与えるしかないのかな。変わる日がくるまでは……」と宋さん（遠い目）