実は長年歯並びが気になっているけれど、矯正の方法についてわからないことが多く、踏み出せないという人も多いのでは。子どもの歯列矯正も今や当たり前の時代に。LEEのスタッフの体験談と、専門家の解説で歯列矯正の最新事情をお届けします!
●ワイヤー矯正
歯の表側(唇側)にブラケットという部品をつけ、ワイヤーを通して歯を動かす表側矯正。かつて多かった金属製の銀色の装置から、最近では透明や半透明のブラケットや、白いワイヤーなどが増えて目立ちにくく。裏側(舌側)矯正は、矯正中に装置が見えないのが利点。歯みがきのしづらさ、滑舌が悪くなるなどのデメリットが。
●リテーナー
矯正後の歯が元の位置に戻らないように、歯列を固定させるために装着する器具。個人差はあるものの、矯正治療後に2〜3年間は使うことが多い。
●マウスピース矯正
iTeroという口腔内スキャナーでスキャン、またはかたどりにより作製したマウスピースを装着し、少しずつ歯を動かす治療。一度の来院で数回分を受け取り、約1週間に1回、自分で新しいマウスピースに交換。透明で目立たず、自分で取り外せるため食事や歯みがきがしやすい。ただ、1日20時間以上の装着が必要なので、時間をしっかり守れないと効果が出ないことも。さまざまなメーカーがあるが、多くの歯科で採用している「インビザライン」が主流。
●3D口腔内スキャナー
口腔内を瞬時に3Dデジタル化。現在の自分の歯並びを画像で客観的に見られるのはもちろん、矯正すると歯がどのように動くかのシミュレーションも。
●子どもの床矯正(しょうきょうせい)
拡大床という矯正装置を使い、ねじの力で歯を裏側から押して、歯列の幅を広げる矯正。よく言われる「あごを広げる」という表現は誤りで、床矯正でできるのは、歯列のアーチを広げること。また、アーチを広げて永久歯のスペースを作るのみで、床矯正で歯がきれいに並ぶわけではないので注意。
※2023年4月18〜25日まで、LEEメンバー392人にアンケート。
歯列矯正のメリットだけでなく、デメリットも理解して治療を
教えてくれたのは…
阿佐谷矯正歯科医院 國井明美さん
矯正専門医として多数の矯正治療を行う。日本成人矯正歯科学会認定医。『40歳から手に入れる美しい歯と歯並び』(すみれ書房)監修。
医院の詳細はこちら:https://www.e-888.info/
数多くの矯正の症例を持つ國井さん。あらためて歯列矯正とは?
「持続的に弱い力をかけながら、歯を動かす治療のこと。歯みがきがしやすくなり虫歯や歯周病の予防になる、噛み合わせが整うので咀嚼がしやすいなど、見た目はもちろん、健康面でもいい効果が。ただし、個人差はありますが、矯正中の痛み、口内炎、矯正後の後戻りや加齢変化、力をかけたことで歯根が短くなる“歯根吸収”になるケースも。メリットだけでなく、デメリットもしっかり理解して行うことが大切です」(國井明美さん)
矯正の方法は、主に2種類。
「ひとつはワイヤー矯正で、歯の表側(唇側)に器具を装着するものと、裏側(舌側)に装着するものが。主流は歴史があり、治療法が確立されている表側のワイヤー矯正です。もうひとつのマウスピース矯正は、自分で取り外しできて手軽そうだと希望する方が多いのですが、1日20時間以上の装着がマスト。自分で装着時間の管理が必要なので、実は大変なんです。医師と相談して、生活習慣や自分の特性に合ったものを選びましょう」(國井明美さん)
イラストレーション/まきこんぶ 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2023年LEE7月号(6/7発売)「進化してる!大人と子どもの歯列矯正」に掲載の記事です。
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