子どもと一緒に学ぶお金のこと。今回は「お金の扱い方の基本」です。
はじめは、「お金を使った感」がわかりやすい現金がベター。予算があるからこそ楽しい使い方がある!親子で取り組んでみて!
親子でお金に強くなるPART2
お金の扱い方の基本は? お金を「貯める」お金を「使う」
教えてくれたのは・・・
ファイナンシャルプランナー キャサリンとナンシーさん
「お金のことをかんたんに!おもしろく。そして投資をもっと身近に。」をモットーに、子ども向けマネー教育・大人向け投資教育を行う。二人一組で公立小学校など公的機関を中心に330以上の授業や講座を開催。ともに元証券会社社員で子育てママ。
キャサリンさん(写真左)は、高2息子、中3娘、小6息子の3児の母。ナンシーさん(写真右)は、中3息子、中1娘の2児の母。
公式サイト:www.katherineandnancy.com
まずは親子でチェック!一緒に考えてみよう!
Q1 おこづかいをもらったら( )割貯めてみよう
Q2 お金の使い方、大きくわけて3つあるよ。1つは買い物をする(消費する)。あと2つは? ( )( )
Q3 お金を使うときには、自分が( )できているか、だれかを( )いないか考えてみよう
お母さん、お父さんの顔を思いうかべてみて
Q1の答えと解説|お金を貯める
おこづかいをもらったら、貯める場所を1つに決めて(箱などでOK)、もらった分の2割を貯めてみよう
お金は道具、だから使い方が重要。ではあるけれど、まず貯めないことには始まりません。
「お金を貯めるときには使った残りを貯めるのではなく、もらったらまず先に分けること。そのほうが『貯める感覚』が身につきます。お金には限りがあるので、将来大きなものを得るためにはガマンする心も大事。それは何度も積み重ねていく中で育つものだと思います」(キャサリンさん)
「貯める目的は『将来、具体的に欲しいもののため』、なければ『欲しいものが出てきたときのため』と伝えるといいと思います。大人で言うと、不測の事態に備える、ということに当たります。
貯める額は2割を目安に。親はその2割を考慮したうえで、おこづかいの額を決めてあげてください。ちなみに、大人の貯蓄したい目安も同じですよ」(ナンシーさん)
Q2の答えと解説|買い物をする以外の使い方
アメリカの貯金箱には「お金の使い方」まで書いてある!
アメリカ生まれのブタの貯金箱「ピギーちゃん」。お金の入口が4つに分かれていて、お金を貯めると同時に、その後の使い方まで考えられるようになっています。
「買い物をする(消費する)以外の使い方って意外に思いつかないかもしれませんが、あと2つ、『寄付する』と『投資する』もあります。この貯金箱の前から順番にやっていくとわかりやすいですよ」(キャサリンさん)
「『貯める』と『消費する』ができたら、次は他人のためにお金を使う『寄付する』、自分がすぐに使わないお金を社会に使ってもらってリターンを得る『投資する』もやってみてくださいね」(ナンシーさん)
※Money Savvy Pig(日本名:ピギーちゃん)の画像およびその加工物は米国Money Savvy Generation社の知的財産であり、I-Oウェルス・アドバイザーズ株式会社が同社との契約を基に日本における独占使用権と販売権を有しています。
Q3の答えと解説|お金を使う
お金を使うときには、自分が納得できているか、だれかを悲しませていないかを考えてみよう
「限られた予算の中で『お金を何に使うか』を考える練習をすることが大切なので、少額でよいのでお金を使う場面をいっぱい作ってあげたいですね。おこづかいの使い道に迷う場合は、文房具やお菓子などはじめは使う場面を限定して徐々に広げていく方法も」(キャサリンさん)
「お金を使う経験を通して、おこづかいの中でニーズ(必要なもの)とウォンツ(欲しいもの)との線引きを考えたり、何にお金を使えば自分が納得するのか『自分の価値観』が育つきっかけにも。自分の買い物で、家族や周囲の人を悲しませてないかを想像する力も身につきます。
オンラインゲームなどに関しては、ルールを決めているおうちもありますね」(ナンシーさん)
さらにさらに、この5つをチェック!
- 欲しい理由がはっきりしているか
- 本当に必要か
- 予算内か
- ほかのものと比べても欲しいか
- 家庭のルールを守れているか
さらに、買いたいものがニーズ(必要なもの) かウォンツ(欲しいもの)かを考えてみよう!
買い物をしたらレシートをもらって、とっておこう
「お金は使いっぱなしではなく、振り返ることで上手な使い方が身につきます。後で何にいくら使ったかがわかるよう、レシートを保存しておきましょう。できる人はおこづかい帳をつけてもいいですね。
わが家は、小学生の間は冬休みなど大きな休みのタイミングで子どもと一緒にレシートを見直して、『これはあまり使わなかったね』など話しています。話した分だけお金の使い方が成長するし、小学生のうちに親子でお金の話をする土台ができるとその後も抵抗なく話せますよ」(キャサリンさん)
「お金を使うことは『価値観の表現』。だからおこづかいの範囲内で子どもが判断した買い物には基本的に口出ししません。もし失敗しても、子どもの間に失敗から学ぶことが大事なんですよね」(ナンシーさん)
お金のことは1回じゃ身につきません。親子で何回も話をしてね。
イラストレーション/とつかみさこ 取材・原文/佐久間知子
こちらは2022年LEE12月号(11/7発売)別冊付録『子どもと一緒にお金に強くなるワークBOOK』に掲載の記事です。
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