高校受験を控える中3長男、口癖は「めんどくさい」
はちみつりんごさん(以下はちみつりんご):来年高校受験を控えている中学3年生の長男の進路についてご相談です。「部活が面白くない、辞めたい」「受験めんどくさい」等と何かにつけてやる気のない発言をし、何かに一生懸命になっている様子を見たことがありません。私自身は中3の頃はクラシックバレエ漬けで、年齢的に体型の変化に敏感になっていたり、受験のプレッシャーがすごかったり、とても悩んでいたのですが、ボーッとしている息子を見ていると「もっとしっかりして! 真面目に考えて!」とイラつくというか。私、物事に熱くなれない人、嫌いなんです(笑)。でも学校ではキャラが違うらしく、部活動の後輩の女の子にも慕われているようです。受験について、このまま本人に任せてしまって大丈夫なのか、私はどう関わったらいいのか、悩んでいます。
佐藤ブゾン貴子さん(以下ブゾン):はちみつりんごさんは感情ゾーン拡張タイプなので、共感・共有を重視します。それゆえ自分が「楽しい!」と思えば「相手も楽しいに決まってる!」と相手にも共感・共有を求め、自分の感情を押しつける傾向があります。言動が感情の動向に左右されやすく、その上頬骨が張っているので情熱的、裏を返すと衝動的。冷静なときとそうでないときで、発言が正反対だったりしませんか? 息子さんはそれに対して困惑しているのかも。感情ゾーン拡張タイプの方は、物事を好き嫌いで判断しがち。なので、はちみつりんごさんは自分と違ってあまり感情表現をしない息子さんに対して感情の共有ができずどうしてもイライラしてしまう。
ブゾン:息子さんは思考ゾーン拡張タイプで物事を理論・理屈で捉える傾向があり、自分の感情よりも理想への共感・共有を他者に求めるので、はちみつりんごさんが望むような感情への共感は難しいんです。はちみつりんごさんから感情を押しつけられると、それを面倒に感じてしまうんだと思います。感情表現が上手な人がいれば、そうでない人もいます。全ての人が自分の思っていることを言葉や行動に出しているとは限らないんです。たとえ息子さんであっても、はちみつりんごさんとは別の人格。「私は中3の頃、あんなに頑張っていたのに、あなたと来たら……」という思いは置いておいたほうがいいですよ、余計イライラしちゃうから。
「めんどくさい」発言は思春期によくある照れ隠し
ブゾン:息子さんの「めんどくさい」といった一連の発言ですが、思春期にはよくあることで、恥ずかしさを隠すための方便。息子さんは輪郭が細めのレトラクテなので、自分自身の世界観を優先し、他人にあまりその中に入ってきてほしくない思いが強い。「外野にあれこれ言われたくないし、言われても聞きたくない。自分のことは自分でやるからほっといてくれ」というタイプ。学校ではしっかり上手くやっているようですし、息子さんの世界観を尊重してあげましょう。はちみつりんごさんは額に高さがあり想像力が豊かだから、自分の感情を元に、相手の感情も勝手に想像してしまいがち。
ブゾン:「もっと一生懸命部活をやったら楽しいはず!」「ちゃんとしないとあなたが苦労するはず!」、それはあくまでもはちみつりんごさんの感情です。それを息子さんがやったら楽しいとも、やらなかったら悲しいとも限りません。「絶対こうなってしまっているはず!」、でもそれって本当? 息子さんの口から直接聞いたわけじゃないですし、はちみつりんごさんが頭の中で勝手に想像しているだけではありませんか? 知りたいことがあるなら、息子さんに直接聞きましょう。今は多感な時期ですし、そっとしてあげて。息子さんは目に細さが出ていて、選択の欲求がとても強いお子さんなので、彼の意見を尊重してあげることが大事です。
はちみつりんご:そうなんですか? 意外……。
ブゾン:はちみつりんごさんから見たらまだまだ子どもなのかもしれませんが、息子さんは息子さんなりに一生懸命人生を歩んでいますし、進路も自分で選ばせてあげるのが良いでしょう。息子さんは年明けには受験とのことですが、受ける学校は決まっているのですか?
内申点に響くことを気にして、学校への不満爆発寸前?
はちみつりんご:一応志望校は絞っています。公立志望なので半分は内申点で、学校の先生に不満があっても、内申点のことを考えるとあまり先生に面と向かって不満は言えないようです。そういえば……「特定の子をえこひいきする」「自分ばかり注意する」など、先生に対する不満と愚痴がすごくて。夜がふけるほどテンションが上がってきて、声もどんどん大きくなってきて「静かにして!」と注意することもあります。あと、家の食事の献立が気に入らないとその不満をぶつけてくることも……三兄弟の中ではいちばん自己主張しますね。
ブゾン:息子さん、右目が三白眼気味になっていて、心痛を抱えていることが表れています。もしそれが担任の先生が原因なら、それを解消しないと。学校の体制については私にはどうすることもできませんが、相貌心理学的観点からアドバイスすると、息子さんに心のモヤモヤのはけ口を作ってあげた方が良いですね。
ブゾン:息子さんは思考ゾーン拡張タイプゆえ理論・理屈で物事を考えますが、はちみつりんごさん同様に頬骨が張っていて衝動的な一面もあることが否めません。理屈と感情のバランスが上手く保てないと、理屈を感情の勢いで抑え込もうとして、行動が不安定になってしまうんです。今、息子さんは理屈と感情の狭間でフラストレーションを抱えていて、自分でも何なのかわからないモヤモヤがある状態。そのモヤモヤを、話を聞いてくれるはちみつりんごさんにぶつけているんだと思います。
コミュニケーションが取れる動物を飼うのがオススメ
ブゾン:何か動物は飼っていますか?
はちみつりんご:メダカぐらいですね……。
ブゾン:本当は触って温かい、コミュニケーションができる動物を飼うのがオススメです。犬や猫がいいけど、ダメなら小鳥やハムスターなどでも。無償の愛を与えるとそれを返してくれるような、自分のやったことに反応を返してくれるような動物が良いですね。子どもの頃は、相貌心理学で寛容性・順応性を表す頬の肉付きがぽっちゃりしていて、良くも悪くも何でも吸収します。成長するにつれ、社会の中で色々と経験し「自分を守る覆い」を作り、頬の肉付きも平坦になっていきます。息子さんは14歳という年齢の割には、横顔を見ると頬の肉付きが平らなんです。既に自分の感情を外に出さない、自分を守る覆いを持ってしまっていることが表れています。
ブゾン:はちみつりんごさんには子どもっぽくて頼りなく思えるかもしれませんが、息子さんはある意味内面が成熟し過ぎていて、「良い子でなくちゃいけない」という強い思いを抱いているようです。今のうちに解消しないと、さらにはちみつりんごさんに強く当たるようなってしまいます。動物の癒やしの力を借りて、息子さんの心を開いてあげましょう。もし動物を飼えるなら、息子さんを一番のお世話係にするのが良いでしょう。
はちみつりんごさんアフタートーク
私とタイプの違う高校受験を控える長男のことで悩む毎日で、私と息子の事を知らない誰かと話したい! 客観的な意見を伺えたら! そんな気持ちで応募させていただきました。
私は、その時々の感情が行動や発言に大きくタイプだそうで、実は、セッションを受けた後、気持ちの整理にかなり時間がかかりました。自分を否定して、自分の事が嫌になって、なかなか息子への接し方を変えるのにぎこちなくなってしまいました。
そんな中、息子が部活を引退する際に、後輩から沢山の寄せ書きや個人的なお手紙をもらっていることを知って、私の知らないところで頑張ってる息子をもっと信じよう!と、思うキッカケができました。
先生から、結果ばかりに目を向けない!「毎日1つ相手の良いところを見つけて褒め合う」とアドバイスをいただき、息子に毎日声を掛けるように心がけています。
夫から「こんなに自分から自習に通うようになるとは思わなかった!」「すごい変わった!」と思われてると知った息子が、今までになく興奮して喜んでいたことに私も驚きました。
まだまだ取り組むべき事はありますが、先生からのアドバイスを何度も読み返し、実践していきたいと思います。この度はありがとうございました。
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イラスト/つぼゆり 取材・文/露木桃子
佐藤ブゾン貴子 Sato Bouzon Takako
相貌心理学スペシャリスト
相貌心理学スペシャリスト、1975年生まれ。アパレルの勉強のため渡ったフランスで相貌心理学に出会い、世界で16人、日本人初となる相貌心理学教授資格を取得する。帰国後は相貌心理学の顔分析を用いてセミナー、講演、メディア出演など、多角的に活躍。近著には『あなたの顔には99%理由がある』(河出書房新社)『ビジネスは顔が9割』(祥伝社)がある。問い合わせはhttp://a-cura.net/bouzon/まで。
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