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やりがち「わが子自虐」見直してみませんか?

【子どもを“ほめる”】こんなときどうすればいい?自信を育てるには?海外事情も調査!

2023.01.22

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子どものできないことを盛りぎみにしゃべってしまったり、周りからほめられても謙遜してしまったり…
子どもの自己肯定感のためには、謙遜をやめて、ほめるのがいいとわかっていても、簡単にはいかないもの。
そこで、子どもを〝ほめる〞ことについての疑問やお悩みに、NPO法人JAMネットワーク代表 高取さんに答えていただきました!
また、海外では子どものことをどうやって話しているのかも、海外在住LEE100人隊にうかがいました!

「謙遜しない」「自然にほめる」って難しい!
子どもとのコミュニケーション、こんなときどうすればいいですか?

NPO法人JAMネットワーク代表 髙取しづかさん

教えてくれたのは…
NPO法人JAMネットワーク代表
髙取しづかさん

2人の娘の子育て中に渡米した経験から、親子のコミュニケーション力育成に取り組む。『「ことば力」のある子は必ず伸びる!』(青春出版社)などの著書も。

Q1 自分の子どもがほめられたときに、どう返すのがよいでしょうか。謙遜するのにも疲れました。
(きんぎょさん 息子9歳、5歳)

自分の子どもがほめられたときに、どう返すのがよい?

「ありがとう」と笑顔で返答するだけでOK

「自分の子どもをほめるのも慣れていないと思いますが、人からほめられるのはもっと慣れませんよね。ここは『ありがとうございます』と笑顔で返して終わりでいいのではないでしょうか。
『いえいえ……』と謙遜するのも悪いことではありませんが、そこから続けて余計なことを言ってしまって、子どもを下げてしまいがちなものですから」(NPO法人JAMネットワーク代表 高取さん)

Q2 家でほめることは大事だとは思いますが、他人の目があるところでほめられたほうが子どもは自信がつくものですか?
(ななこさん 息子8歳、娘6歳)

自信につながるのは確か。まずは親戚の前から始めても

「確かに人前でほめてもらえることは、子どもの自信につながりますが、いきなりママ友の前では難しいと感じるなら無理はしなくても大丈夫。
まずは祖父母や親戚など子どもを好意的に見てくれる人の前で頑張りを認めてあげて、たくさんほめ言葉をもらえたら、十分うれしくて、励みになるはずです」(NPO法人JAMネットワーク代表 高取さん)



Q3 ほめている話でもネガティブな話でも、後で子どもから「あのとき恥ずかしかった」と言われることがあります。
(かすみんさん 娘7歳、息子5歳)

後で子どもから「あのとき恥ずかしかった」と言われることがあります

デリケートな時期も。誠意をこめて謝りましょう

「子どもが成長してくると、こちらはほめているつもりでも、人前で話をすること自体に気をつけたいですね。私も娘が大人になってから『あのとき、こう言われて嫌だった!』と言われたことも。
そんなときは『ごめん!』と謝るしかないですね。過ちを認めて謝ることと、子どもの言い分をしっかり聞いて、気持ちを受け止めるのが大切かなと」(NPO法人JAMネットワーク代表 高取さん)

Q4 人前でもハグはやりすぎですか?
(ぽぷりんさん 娘5歳)

スキンシップは大切!慣れているならぜひ

「普段からハグに慣れているならいいんじゃないでしょうか。アメリカにいた頃は当たり前のようにハグしていましたが、気持ちが伝わっていい習慣だと思いました。
肌と脳はつながっているので、自己肯定感を高めるにもスキンシップは大切。ハグに限らずハイタッチなどでもいいですよ」(NPO法人JAMネットワーク代表 高取さん)

Q5 大人の会話が子どもに聞かれるのは、よいことなのでしょうか?
(ナンタンさん 娘15歳、9歳)

思春期まではネガティブな話題は避けるのがベター

「私の母が『3歳までは夢の中』とよく言いましたが、幼いうちはネガティブな話は耳に入れず、夢を見てるように過ごさせてあげたいです。
聞いてないようで聞いているのが子どもなので。小学校高学年くらいからは、だんだん受け止められるようになってきますよ」(NPO法人JAMネットワーク代表 高取さん)

海外在住LEE100人隊に聞く親子事情01
アメリカの親はまず長所を見る!子どもは自己肯定感が高く、プレゼン上手!

アメリカ在住 No.018 プクさん

アメリカ在住 No.018 プクさん

アメリカ人の夫と結婚し、2011年からアメリカ、マサチューセッツ州で暮らす。子どもは8歳、6歳。

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アメリカの人たちは、わが子の(そして夫の)かわいさ、素晴らしさを強調して話します。これが日本的感覚の私には難しい……。そしてアメリカの親は長所にスポットライトを当てます。

例えば子どもがテストで1問間違えて90点のとき。私はその1問が気になって「惜しかったね、ここわからなかった?」、アメリカンママは「グレイト! さすがわが子! 最高に頑張ったね!」です。
ちょっとでもいいことがあったらとにかくほめます(お小言があれば、その後でささっと)。

また、子どもの話を流し聞きせず、大人同様に会話します。目線の高さも合わせます。子どもを一人の人間として扱います。

私の感覚ですが、アメリカの子どもたちは自己肯定感が高い気がします。自己アピールもうまい!プレゼンもうまい!

ただ私の住んでいるエリアでは、小学生の年齢だと常に大人と行動するので、生活の自由度の高い日本の小学生のほうが自立しているなとも感じます。

海外在住LEE100人隊に聞く親子事情02
みんなが子どもに温かい。それが子どもの自信に

ドイツに住んでました No.070 カーリーさん

ドイツに住んでました No.070 カーリーさん

2019~2022年5月までドイツ、フランクフルトに。現在はアメリカ在住。子どもは8歳。

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コロナ禍で現地の人と子育ての話をする機会はあまりなかったのですが、わが子のことを謙遜するようなことはまったくないと思います。

息子はドイツでダンスを習っていて、パフォーマンスの後には保護者の方々が口々に称賛の言葉をかけてくれました。
学校でも子どもたちが壇上でパフォーマンスをする機会には家族総出で応援に駆けつけ、大歓声を送ります。こういった経験を通して人前で発表したりすることが上手になっていくんだなと。

息子は5歳から海外で生活していますが、よくほめられる環境にいたからか、自己肯定感が高いと思います。

海外在住LEE100人隊に聞く親子事情03
いい意味でおせっかい(笑)。子どもはみんな積極的!

中国に住んでました TB ゆめいさん

中国に住んでました TB ゆめいさん

2010〜2016年、2019〜2022年8月まで中国、上海に。先頃帰国。子どもは11歳、5歳。

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コロナのためまわりの人と接する機会がなく、テーマとずれてしまうのですが、中国の人はいい意味でおせっかい(笑)。素足にサンダルの子どもと一緒に歩いていると、それを見かけた人たちから靴下を履かせろ!と親戚のおばちゃんのように口うるさく言われます。

初めはびっくりしたけれど、会話のきっかけになっていいなと。そして電車で少しうるさくしていても、みんなニコニコ。中国では子どもを「宝宝」と呼び、宝物のように接してくれます。

子どもたちは小さな頃からさまざまな習い事をしていることもあるのか、積極的な子が多いです。

やりがち「わが子自虐」見直してみませんか?

イラストレーション/船越谷 香 取材・原文/古川はる香 本誌編集部
こちらは2022年LEE11月号(10/7発売)『やりがち「わが子自虐」見直してみませんか?』に掲載の記事です。

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