トースターやスピーカー、扇風機や空気清浄機など、おしゃれなだけじゃなく、いつも何か新しいワクワクを届けてくれるのがバルミューダの家電です。この秋に発売されて大きな注目を浴びているコーヒーメーカー「バルミューダ・ザ・ブリュー」も、また然り。味はもちろんですが、準備しているときにも、抽出中も幸せな気持ちにさせてくれる素敵な一台でした。その詳細レポートをお届けします!
2003年創業のクリエイティブ&テクノロジーの会社「バルミューダ」
まずはいつものとおり、企業の歴史から。
about バルミューダ
よくバルミューダのことをベンチャー企業だなんていう人がいたりしますが、創業は2003年なので、もう18年にもなるのですね。2010年に発売された扇風機「GreenFan」は、独自の二重構造の羽根によって自然の風のような心地よさを届けてくれるものとして、扇風機に100年ぶりの革新を起こしました。
羽根の形だけでなく、当時はとても高価だったDCモーターを採用して、ゆっくりと静かな回転から、まるでサーキュレーターのように強い風まで起こせるようにしたこと、元々そんなに電気代がかからなかった扇風機をさらに省エネなものにしたことも革新的だったと思います。その代わり、当時3000円くらいで買えた扇風機が35000円という高価格で世の中の度肝を抜いたのですけれど。でも、その心地よさや使い勝手、省エネ性などに気づいた人が次々にファンになっていったのです。私自身も取材した翌日に「これはすごい!」と思って、すぐに購入したことをよく覚えています。
次の革新は、2015年に登場のスチームトースター「バルミューダ・ザ・トースター」。こちらも当時4000~5000円程度で購入できたトースターが25000円というびっくり価格でしたが、そのおいしさにみんながノックアウトされ、「欲しい家電ダントツ1位」というほどに。この流れはいまだに家電業界に影響を起こしていて、高級トースターが次々に開発されています。そして、昨年12月には東京証券取引所マザーズ市場に上場。社員が10名未満だったころから取材している私としては、ものすごい飛躍ぶりにびっくりしています。社長の寺尾玄氏をはじめ、熱い思いを持った方々が生み出す家電製品の数々、素晴らしいですね。
スリムなのに重厚感のあるスタイリッシュなデザインが素敵
本題のコーヒーメーカーですが、重厚なブラックと金属の輝きが重厚感を醸し出していますが、幅はわずか14cmとスリムなのでキッチンカウンターなどにもすっきりと収まるところなど、さすがだなという印象。水タンクは取り外し可能なので扱いやすく、抽出する量に合わせて目盛りがついていますが、水量は自動制御なのでセットしたまま、多めに入れても大丈夫です。このあたりも使いやすくていいですね。
そうそう、このコーヒーメーカーは、先ほどご紹介したオーブントースターを発売した当時から、「パンにはコーヒー」ということでその構想はあったそうなのですが、開発は難航を極めてとん挫してしまったのだとか。そこにSCAJアドバンスド・コーヒーマイスターの資格を持つソフトウェアのエンジニアが入社し、開発リーダーとなって本格的に始動し、トータル6年もの歳月をかけて完成したのです。
時計の音を聞きながら、コーヒーを淹れる楽しさ
バルミューダ・ザ・ブリューに採用しているのは、円錐形のドリッパーですが、抽出が速く豆のおいしさをダイレクトに出せる分、抽出の最後の段階で雑味が出やすいため、タイミングを見計らい、ドリッパーへの注湯をストップして直接サーバーに加水する“バイパス注湯”という方式を編み出しています。
このバイパスを利用して、スタート時に100℃のスチームでステンレスサーバーを温め、コーヒーが冷めにくいようにしていたり、本当によく考えられているなと思います。蒸らし時間や抽出の量、速度を自動観測し、0.2ml単位での丁寧なドリップ後の注湯仕上げで淹れられるコーヒーはキリリと強く、豆の個性をストレートに伝える味わい。今回は、お気に入りの珈琲実験室の有機コーヒー(マイルドブレンド)で淹れてみましたが、マイルドブレンドの味わいを生かしながらも、キリッとしていて、香りのよさが引き立ちます。
しかも抽出中はトップに配されたランプがオレンジ色に灯り、カチコチとした時計の音がするのが楽しいんですよね。これは、蒸らしの時間など一見何もしていないようでも「動作中」だと知らせる安全面と、出来上がりへの期待感を高める演出だとのこと。オープンドリップ式によるコーヒーのアロマ、目に見えるスチームやシューッという音も相まって、五感に訴える要素が満載で、淹れている時間までが幸せになります。
モードは3つ。出色は香り高くフレッシュなアイスコーヒー!
バルミューダ・ザ・ブリューのモードは、レギュラー、ストロング、アイスの3種類。最後にバイパス注湯をするレギュラーモードは、モーニング珈琲にぴったりだなと思いました。加湯をしないで最後までしっかりと抽出するストロングモードは、その名の通り、濃いめの重みのある味わいなので、午後の気分転換時やミルクレシピにも合いそうです。
そして、今回、出色のおいしさだと感動したのが、アイスコーヒー。よくあるアイスコーヒー用の煎りの強いものでなく、同じマイルドブレンドで淹れたこともあり、豆そのものの香りが際立って、甘みやかすかな酸味も感じられるフレッシュな味わいのアイスコーヒーが出来上がってうれしくなりました。
ポイントは、サーバーにもあらかじめ適量(1杯分でロックアイス1個分くらい)の氷を入れておき、ドリップと同時に急冷すること。グラスにも氷を入れておき、サーバーのコーヒーを注ぐと絶妙な濃さの香り高いアイスコーヒーに仕上がります。
ちょっと高価ですが、ドリップコーヒー好きの方なら大満足の一台になるはず。12月には手動のグラインダーもアクセサリーとして発売されるとのことなので、そちらも楽しみです。
※氷の入れ過ぎでコーヒーがあふれるのを防ぐため、取説ではコーヒーの抽出後にサーバーに氷を入れるのを推奨しています
DATA
- ブランド:バルミューダ
- 商品名:「バルミューダ・ザ・ブリュー」
「神原サリーの愛しの家電語り」は、毎月2回更新。次回もお楽しみに!
この記事へのコメント( 0 )
※ コメントにはメンバー登録が必要です。