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LIFE

小さな家具をひとつ置けば壁の前が“空間”になる【石井佳苗さんのインテリアレッスン】

  • 石井佳苗

2021.06.01

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壁はどこよりも自分を表現できる場所。手軽に自由に、12カ月を彩ります。今回は、壁を中心に空間を作るお話。必要なのは、お気に入りの家具ひとつ。

石井佳苗さん Kanae Ishii

インテリア会社勤務を経てスタイリストに。雑誌や書籍、広告など多分野にわたって活躍。初心者にもわかりやすいオンラインレッスンも好評。https://www.kanaeishii-stylist.com/

Lesson 4.小さな家具をひとつ置けば壁の前が〝空間〟になる

額を飾っても、さまにならない。その理由のひとつに、飾るものに対して壁が大きすぎる場合があります。そこで活用したいのが、小さな家具。

「キャビネットや椅子を壁の前に置くだけで、壁"面"は、壁を背景にした奥行きある"空間"に様変わり。壁飾りと家具を軸にした縦長の空間が生まれることで、この一角に視線が集まり、全体にメリハリある印象になります。壁インテリアに迷ったら、とりあえず小家具を。壁を背景に花を生けたり、お気に入りのライトを置いたり。壁前に家具がひとつあるだけで、"掛ける"以外の選択肢が生まれ、より手軽に自分らしい空間を作れますよ」

床の間のイメージで

大きな壁面を家具を使った空間で区切る

広い壁面に小さな額ひとつだと、どこか散漫な印象。そんなときは、壁の前にキャビネットを。

「絵を掛け軸に見立て、下に花を生ければ、床の間を思わせる空間に。バランスよく仕上げるポイントは、額・花器・家具の中心をそろえること」。絵はニューヨークのマーケットで。家具は東北地方の古いもの。花器は額賀章夫さん作。

狭いスペースにも遊び心を

幅のない壁だからこそ縦長の空間作りが生きてくる

「スツールにかごをのせ、ドライの植物を飾りました。壁には『アッシュ・ペー・フランス』で見つけたロングネックレスをあしらっています。幅が狭い場所だからこそ、縦のラインを意識してのびやかに」。

スツール+かごのシックな色合いと、カラフルなネックレスの対比が絶妙。スツールは「天童木工」のものを自分でペイントしたそう。



部屋の隅をほのかに照らして

窓辺のコーナーには、実用を兼ねた名作照明を

NYで手に入れた、額入りポストカードを窓辺の壁に。「カッシーナ」の籐製チェアを合わせれば、温かで心地よい空間が生まれます。

「日が落ちると、部屋の隅ってどうしても暗くなるんですよね。そこで、椅子の上にはポータブルランプをオブジェ兼実用的な照明として置きました」。

ランプはルイスポールセンの名作「パンテラ ポータブル」。

More Tips

家具と飾るものの間には
〝板状のもの〟をはさむとより効果的

空間を引き締めるのに役立つのが、トレイや本などの板状のアイテム。

「家具や椅子に花器やオブジェを直接のせると、物足りない印象になりがち。今回のレッスンでも、花器と家具、椅子と照明の間に使いました。境界を作ることで、それぞれの存在感がきわだちます」

照明は、壁の主役を
引き立てる名脇役

家具のほか、壁の近くにスタンドライトを置いても。

「陰影を作ることで、空間にぐっと奥行きが出ます。お気に入りの絵に当てるだけで、素敵なムードに」。

個性的な照明はイタリアの照明メーカー「FLOS」のもの。絵はNYのアンティークショップで。

●スタイリスト石井佳苗さんのインテリアレッスン 12カ月の「壁」を飾る

  1. 「絵」を飾ることで自分の“好き”がわかる
  2. 「実用品を壁掛け」してオブジェのように愛でる
  3. 動きのある「植物」を取り入れ空間に自然な奥行きを
  4. 小さな家具をひとつ置けば壁の前が“空間”になる
  5. お気に入りの雑貨をたっぷり愛でられる「壁付けDIY」

連載一覧はこちら!


撮影/宮濱祐美子 取材・文/福山雅美

LEE2021年5月号『スタイリスト 石井佳苗さんのインテリアレッスン 12カ月の「壁」を飾る』より

石井佳苗 Kanae Ishii

インテリアスタイリスト

「カッシーナ・イクスシー」にて10年間勤務後、独立。雑誌や書籍、広告など多分野にわたる活躍で知られる。住まい作りの感覚を磨くヒントを綴った近著『Heima』(扶桑社)も好評。初心者にもわかりやすいオンラインレッスンも行っている。

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