壁は、どこよりも自分を表現できる場所。手軽に自由に、12カ月を彩ります。第3回のテーマは植物。効果がぐんとアップする、選び方と飾り方のヒントを。
石井佳苗さん Kanae Ishii
インテリア会社勤務を経てスタイリストに。雑誌や書籍、広告など多分野にわたって活躍。初心者にもわかりやすいオンラインレッスンも好評。https://www.kanaeishii-stylist.com/
空間に温かみをプラスする植物。ただ、大きな鉢植えを飾るのは、限られた空間では難しいもの。ところが壁なら、その問題もあっさり解決。
「壁を背景にしたグリーンなら場所もとらず、すぐ目に入る高さに置けるので、小さいながらも存在感は抜群。意識したいのは、"動き"と"立体感"。ツルの動きが楽しいツタ類や、葉の伸びゆくさまが個性的なラン類などを選ぶだけで、空間に自然な奥行きが生まれます。グリーンが持つみずみずしさは、平面的な絵画やオブジェとはひと味違う特別なもの。どう飾ってもさまになるので、手軽な上に空間を彩る効果は絶大です」
苔玉を吊るして
個性的で軽やかなグリーンを集め、掛けたり置いたり、コーナーを作る
ツルが伸びゆくアイビーの苔玉、ハンギングタイプのラン類、花器にはエアプランツ、と新鮮な面々。
「特に成長を楽しめる苔玉は、その生命力で空間の印象を大きく変えます。"置く"と"掛ける"、さらにオブジェを組み合わせ、壁に軽快なリズムを」。
オブジェは笹本雅行さん、花器はモリス・ゾイさん作。苔玉をのせた台はイデーで。
鏡と組み合わせる
シンプルなグリーンを映し、空間に広がりをもたらして
花器に生けたり、スワッグとして飾るにはボリューム不足の2〜3枝のユーカリ。
「ラフに束ねて、ヴィンテージの鏡にかぶせるように壁掛けに。葉の一枚一枚が鏡に映ることでグリーンの量が多く見えますし、空間に奥行きも生まれます」。
石井さんは花束がドライになって最後まで残った数本を、このように飾って楽しんでいるそう。
一輪挿しを掛ける
凛と清らかな一期一会の枝ぶりを楽しむ
ひとつあると便利なのが、壁掛けの一輪挿し。
「いい枝ぶりの一本を見つけたら、気軽に壁に掛けてみて。植物はそれぞれ唯一無二だから、出会いを大切に。平面の壁から前へ伸びる立体的な枝は、まるでとっておきのオブジェのように、周囲の空気を凛と引き締めます」。
広瀬陽さん作の七宝焼の一輪挿しに、サクラの枝とランの花を。
中まで水がしみ込むように
苔玉にはたっぷり水やりを
苔玉やエアプランツなど壁に飾る植物も、きちんと水やりなどのお手入れが必要。苔玉も、水やりをするときは中心までしっかり水をしみ込ませ、ザルなどに上げて水きりを十分すること。水きりができていない状態で飾ると下に水がたまり、腐敗の原因にも。
壁面にマクラメを吊るすなら、
小ぶりな鉢がおすすめ
グリーンのさわやかな印象とともに、美しい編み目がインテリアのアクセントにもなるマクラメ。植物が"浮く"という状態が、空間に遊び心を漂わせます。大きな鉢だと壁から出っ張ってしまうので、壁掛けにするのなら径が小さい筒状の鉢を選ぶのがポイント。
●スタイリスト石井佳苗さんのインテリアレッスン 12カ月の「壁」を飾る
撮影/宮濱祐美子 取材・文/福山雅美
LEE2021年4月号『スタイリスト 石井佳苗さんのインテリアレッスン 12カ月の「壁」を飾る』より
![](https://lee.hpplus.jp/wp-content/uploads/2023/01/26/9f4324186747355a7283982a9af5260f.jpg)
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