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藤原千秋さん直伝!花粉症対策

花粉対策は吸気口、窓、ドアからスタート【藤原千秋さんの“おそうじ歳時記”】

  • 藤原千秋

2021.01.16

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毎年恒例、花粉の季節が近づいてきました。前回に続き、住まいの花粉対策をする際の基本事項をおさらいしつつ、今からできる暮らしのTipsをご紹介します。

前編:花粉症対策で重要な侵入口は3つ!
花粉は家の中に持ち込まない >

「1:住まいの吸気口、窓、ドア」にはこう対処

花粉症対策室内

お部屋の各所にある「吸気口」の存在にお気付きでしたか? 換気はしっかりやりたい、でも花粉を入れたくない。そんな希望を叶えてくれる道具があります。ホームセンターなどで取り扱われている(インターネットでの購入も可能)「吸気口フィルター」というものを、花粉シーズンを先取りして設置してしまいましょう。

「吸気口フィルター」はそれぞれの吸気口デザインやサイズ別になっています。必ず自宅のサイズに合ったものを選びましょう。ただ築年数が新しめの住宅には元から設置されていることが多いので要確認です。

窓を開けての自然換気を行いたい際には、必ず花粉飛散ビークである12時と18時※※環境省 花粉症環境保健マニュアル2019 、つまり日中は避けて、できるだけ深夜から早朝の時間帯にかけて、遅くとも朝10時までに行うのがポイントです。

ドアを開けての出入りについては「3:人間」をご覧ください。

「2:干した洗濯物、布団」はどうする?

花粉が飛散する期間、およそ2月から4月(※スギ花粉の場合)については、洗濯物の外干し、布団の天日干し一切「行わない」という選択をお勧めします。洗濯物ならば部屋干し、浴室乾燥機干し、乾燥機乾燥といった方法を駆使。布団については布団乾燥機の使用のちに布団掃除機でのホコリ吸引、というのが、ごくごく安全で無難な方法になります。

でもどうしてもどうしても屋外に洗濯物を干さなければならないという場合には、できるだけ夜間のうちに干し、花粉が飛んでくる日中は部屋の中に移すのがいいでしょう。また近年、増加傾向にあるコインランドリーに持ち込み、一気に済ませるという方法もおすすめです。

「3:人間」の花粉対策とは

花粉症対策・衣類

さて、「花粉の入り口」としてもっとも懸念される人間……私たち自身は一体どうしたらいいのでしょう? まずここで確認。「花粉はすべて空から降ってくるもの」だと思い込んでいませんか?

実は私たち自身が家の中に持ち込んでしまう花粉というもの。少なからぬ割合で「地面(アスファルト等)から」舞い上がったものだとご存知でしたか?

つまり、どんなに頭の上や、上着の肩や腕部分だけ玄関先で払い落としたとしても、ズボンやスカートなどの下半身がスルーでは、たっぷり花粉が持ち込まれてしまうということなんです。

私たちが動き回り、衣類同士がこすれ合うところに静電気が発生します。するとそこには微細な花粉が引き寄せられ、くっついてしまうのです。

女性ではスカートやパンツの裾、タイツやストッキングのふくらはぎあたりが要注意。男性ならスラックスの裾や靴下周りですね。各々こすれ合う部分、すべてが「花粉」を連れてきてしまう広い広い入り口になってしまうのです。

また言わずもがな、屋外で過ごす時間が長い人。特に遊びまわり、背が小さくて地面に近いところで生活している子どもは、全身に花粉を付着させていてもおかしくありません。

そんな家族が出先からお部屋に入るときの動線を再考しましょう。たとえば玄関からリビングに直行するのではなく、一度洗面所でズボンを脱ぎ、靴下を脱いでから部屋に入るようにするくらいでも、花粉に苦しむ家族がいる場合はやりすぎではないのではないかと思います。



掃除のポイントはトイレにあり!

花粉症対策・トイレ

そして「脱ぐ」といえば、1日に何度も下半身の服を脱ぎ履きする「トイレ」の床には、花粉も含んだホコリがたくさん落ちています。ここに落ちた花粉が他の場所に移動してしまってはいけません。花粉時期の掃除箇所の要所はトイレ! このトイレの床掃除を、普段よりも高頻度に行うようにするのは有効な花粉対策になります。

こまめに拭いたりしにくければ、花粉の舞い上げを抑えるトイレマットの設置も一考しましょう。今どきのトイレマットは洗濯しやすい薄手のマイクロファイバー製がオススメです。

お掃除以外でできること

また、外出時に身につける衣類の「静電気」対策を、ハイシーズン以前の「洗濯」からも少しずつ進めておきましょう。

具体的には、コートやジャケットといったアウターのみならず、スカート、パンツ、タイツ、ストッキングなど下半身でも「外」に向いた衣類に注目。家庭用洗濯機で洗濯できるものなら、普段使いのおしゃれ着用洗濯洗剤で洗濯したあと、仕上げに柔軟剤を加えること。これで衣類の摩擦による静電気がより発生しにくくなります。

静電気は花粉のみならず、PM2.5など含む微細なホコリ汚れ全般をも引きつけてしまうもの。ホコリにはウイルス飛沫核なども含まれますので、それらを引き寄せてしまうのは予防するに越したことはありません。

おしゃれの面でも、暖かくなるにつれ身に着けたくなる淡色や白い服の黒ずみも防ぎます。衣類がドライクリーニング一択などの洗濯しにくいものであれば、お出かけ前に静電気防止スプレーを使う習慣をつけておいてもいいのではないかと思います。


LEE本誌や、LEEwebでも大活躍中の家事スペシャリスト、藤原千秋さん。早目に知っておくと安心な“おそうじ”の豆知識や実践テクを、季節先取りでお届けします。次回もお楽しみに!

藤原千秋 Chiaki Fujiwara

住生活ジャーナリスト、ライター

掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。

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