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LIFE

佐々木はる菜

働きながら名門幼稚園受験に成功!ワーママに聞く「受験の良さ」とは?【前編】

  • 佐々木はる菜

2018.10.11

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皆さんは「幼稚園受験」と聞いてどんなことを思い浮かべますか?
「まだ幼いうちから、子どもたちを厳しくトレーニングするなんて可哀そう」「コネなどがある、一部の限られた人だけのもの」など、あまりポジティブなイメージがないという方もいらっしゃるかもしれません。

今回、著者インタビューを交えてご紹介するのは、長女を第一志望の名門幼稚園に合格させた“働くお母さん”が書いた本。著者である岡本さんは、お仕事も続けながら「お受験」に挑戦。その体験を通して感じた「合格するために必要な”生の情報”」を詰めこんだリアルな内容は、発売以来多くのママたちから支持を集めています。

「名門幼稚園お受験はママが9割」 ¥1600+税/ブックマン社

私自身が特に印象的だったのは、岡本さんが、受験を通して我が子と真摯に向き合う「母としての子どもへの姿勢」でした。受験に役立つ具体的な情報だけでなく、自分の子どもについて、そして2~4歳ごろの我が子との向き合い方や過ごし方について改めて考えさせられ、これまで持っていた「お受験」のイメージが大きく覆されました。
「実は幼稚園受験を考えている」という方にも「うちには関係ない話だわ」という方にも、是非一度手に取ってみていただきたいと思える、読み応えのある1冊です。

信頼できるママ友に相談するような感覚で読める、“知りたい情報”が詰まった本

そもそも「お受験」というのはデリケートな話題。ネット上に口コミなどはたくさんあるものの、リアルで信頼できる情報を集めることはなかなか難しく、実情が見えにくい世界と言えるのではないでしょうか。

その点、この本に書かれているノウハウは非常に具体的で、受験を考えている方の「知りたい」を網羅していると思います。
例えば、「願書の書き方」を始め、「面接準備のために日々の暮らしの中で実際にどんなことをしたか」「受験直前や当日、何を心がけ、どんな行動をしたか」というような実体験。
そして、受験する幼稚園や、自分の子どもに合ったお教室の選び方について。
また、「2年保育と3年保育どちらがおすすめか」「早生まれは不利か」、さらにはママ友との付き合い方などに至るまで、ご自身の見解をきちんと述べられているところが、とても参考になると感じました。

世間一般のイメージとは違う、幼稚園受験の実情とは?

この本の著者である岡本なな子さんは、大手商社に勤める30代。ご夫婦共に難関大学のご出身で、ご自身もパートナーも中学・大学と2回の受験を経験されたことが、お子さんの幼稚園受験を考えたきっかけだったといいます。

「自分自身は、夢に向かって一所懸命努力し、子ども時代の多くの時間を勉強に費やしてきました。でも大学に入り、それまで部活や趣味なども頑張ってきた同級生や先輩たちに出会い、大きな影響を受けました。自分の子どもには、勉強だけに多くの時間を割くのではなく、夢中になれることを見つけたり、趣味や好きなことに没頭したりできる環境を作ってあげたい。そして『幼稚園時代』も、周りのお友達と関りながら自由にのびのびと過ごしてほしいと考え、幼い段階で受験を済ませることのできる『幼稚園受験』を決意しました」

「コネもなくノウハウも知らなかった」上に、一般的には幼稚園受験に不利だとされるワーキングマザーの岡本さん。だからこそ体当たりでトライし、色々と悩みながらひたすらお子さんと向き合う中で、世間一般のイメージとは違う、“お受験の実情と本質”を悟って行ったそうです。

「最初は私も、『お受験をすることで、娘の子どもらしさを失わせてしまうのではないか』と心配していました。でも実は”親がいかに我が子と向き合っているか“を問われるのが、名門幼稚園の試験。幼稚園側が求めているのは”当たり前の家事と、当たり前の育児を大切にしたご家庭のお子さん“で、幼稚園のお受験対策とは、小さな子どもたちにお行儀の押し付けや知識の詰込みをすることではないのだと思うようになりました。」

幼稚園受験とは「お見合いのようなもの」

「名門幼稚園お受験はママが9割」と今回のインタビューを通して強く心に残ったことが、大きく2つあります。
ひとつは岡本さんが、自分のお子さんはどんな性格で、親がどんなアプローチをすれば、我が子の良さや力を一番引き出せるのか、とことん向き合い試行錯誤されてきたこと。そして、忙しい中でも時間を作り手間を惜しまず、日々の暮らしを子どもと共に丁寧に過ごすよう、心がけていらっしゃる姿勢でした。

「幼稚園受験の合否を決めるのは『優劣』ではなく、その幼稚園への『向き不向き』。あくまで幼稚園側が入園してほしいタイプの子どもがどうかを見ています。試験というよりはむしろお見合いのようなものではないでしょうか」

小さな子ども同士を点数で比べられるものではなく、そこを取り違えてしまうと、受験の準備も試験も全てが苦痛に満ちたものになってしまうといいます。

「2年保育で受験をした私の娘は、結果的には難関幼稚園に複数合格し、第一志望の園に入園することができました。でももともとは、特別お行儀が良かったわけでも、素直なタイプでもなく、初めてお教室に行った日には、いつもと違う環境に動揺したのか椅子に座っていられず、先生から『受験はお勧めできない』と言われたほどでした」

いわゆる「イヤイヤ期」も、周りと比べても大変な方だったと話す岡本さん。娘さんと共に、受験までの毎日の生活を、実際どんなふうに過ごしたのでしょうか。そして「幼稚園受験」を通して何を学び、親子でどんな変化があったのでしょうか?【後編】に続きます。

佐々木はる菜 Halna Sasaki

ライター

1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い、ブラジル生活8か月を経て現在は家族でアルゼンチン在住。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。

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