電子マネーでの買い物、祖父母からのおこづかい……。子どものお金を取り巻く環境に、「このままじゃ、金銭感覚が身につかない!?」と不安を感じる人も多いのでは?
そこで、今話題の「マネー育」について、ファイナンシャルプランナーのたけやきみこさん、八木陽子さん、マネックス証券アナリストの益嶋 裕さんに、お話を伺いました。
子どもの将来のためにも、今日から始めたいマネー育を年齢別にお届けします。
この記事は2018年7月7日発売LEE8月号の再掲載です。
7~9歳ってこんな時期
文字を書いたり、簡単な計算ができるように。お金の管理や、使う・貯めるのメリハリを覚えるなど、金銭感覚の基礎を育む時期。
1 おこづかいのスタイルは、「報酬制」から「定額制」へ
「わが家では、最初はお風呂掃除や洗濯物たたみなど、仕事をしたらおこづかいがもらえるアルバイト制に。安定して仕事ができるようになったら、定額制の正社員になるシステムを導入。社会に出るための予行演習になるし、子どもが喜んで達成感を感じられます」(たけやさん)
ただし「『家の中のことは無償で』と考える人も多いので、報酬制を取り入れるかどうかは家庭でよく相談を」(益嶋さん)
2 字が書けるようになったら、おこづかい帳をつけさせよう
おこづかい帳は、買ったものと金額を記録する簡単なメモから始めて。
「通帳タイプのシンプルなものを。余白に使った感想を書くのもおすすめです。書き続けるうちに『使いすぎたから今月は我慢』など自分で気づくように。1 カ月に1 回は、一緒に見直して頑張った証にスタンプなどを押しても喜びます」(たけやさん)
「おこづかいの金額は家庭それぞれですが、年齢×100円、という基準で考えても○」(益嶋さん)
3 お年玉の一部は子ども本人に管理をさせる
大きくなると、お年玉の行方も気になりだす!
「すべて親が管理すると『取られた』と思い込む子どもも。数千円など一部は、子どもに管理をまかせてもOK。また、親が管理するお金も『あなたの将来のために貯金しておくからね』などときちんと伝えて。親が恥ずかしがらず、お金の話をしっかりすることが大切です」(八木さん))
4 お金がからむ大きな目標を立てさせる
将来の貯蓄や投資のベースとして「お金は、夢や目標を実現するために使うもの」という考え方を教えることも必要。
「数千円など、ある程度大きな金額のもので、欲しいものを選んでそれをノートに記録。今の貯金で足りるのか、あといくらを、どのぐらいの期間で貯めれば買うことができるのかを自分で考えさせましょう。欲しいものの写真も一緒にノートに貼るなど、気持ちを維持するための工夫も伝授して」(益嶋さん)
5 予算立てから購入まで、子どもにまかせてみる
自分で予算立て→購入するという体験をすると、計画的なお金の使い方が身につく。
「旅行先でのおみやげの購入をまかせるのがわかりやすいはず。誰におみやげを買うか考えて、いくらあれば足りるのかを試算。価格のリサーチも必要になり『キーホルダーってこんなに高いんだ』などの気づきもあります。最初は『全然足りなかった……』と失敗するのもいい経験で、だんだんとできるようになります」(たけやさん)
ときには、子どもからこんな質問やうったえが飛び出すことも。そんなとき、どう答えるかのアドバイスも伺いました。
子どもからの質問、どう答える?
おごることは大人がすることまた友達の行動の理由を考えさせて
ファイナンシャルプランナーたけやきみこさん
「食べ物を買ってあげることをおごるっていうんだけど、これは大人になってからやること。大人は部下や仕事で頑張ってくれた人に『ありがとう』の気持ちをこめておごることもあるのよ。それから、○○くんはどうしてジュースをおごってくれるのかしら。ジュースをおごらないとお友達になれないと思っているのかも。その理由を聞いてごらんなさい」
友達の気持ちは受け止めつつ本当に買ってもらってよいか確認を
マネックス証券アナリスト益嶋 裕さん
「○○くんはあなたのことがとても好きなんだね。好きになってもらえるなんて、とてもうれしいことだよね。○○くんがジュースを買ってくれるなら、ありがたく受け取って『ありがとう』ってお礼を伝えたら○○くんも喜ぶね。でも、そのお金は○○くんのおうちの大切なお金だから、本当に買ってもらってよいのか確認してみようね」
人からお金をもらうとどんな気持ちになるかを伝える
ファイナンシャルプランナー八木陽子さん
「○○くんはやさしいんだね。でも、いつも○○くんにジュースを買ってもらっていると、どうなると思う? おごってもらったりお金をもらうと、だんだんその人の言うことを聞かないといけない気持ちになるんだよ。お金にはそんな力があるの。それに、○○くんのジュースのお金は、お父さんやお母さんが一生懸命働いたお金だから、買ってもらうのはやめようね」
イラストレーション/カツヤマケイコ 取材・原文/野々山 幸
この記事は2018年7月7日発売LEE8月号『どうする?うちの子どもの「マネー育」』の再掲載です。
この連載コラムの新着記事
-
【神戸】2泊3日の家族旅行へ行ってきました!ネイチャーライブ六甲、神戸須磨シーワールド…おすすめスポットをご紹介【2024年】
2024.11.17
-
【40代ママライターが試して実感】汗冷え・ムレ・におい…冬の汗悩みは、あったかインナー「ファイヤーアセドロン」で解消!
2024.11.08
-
【無印良品】話題の美容液、化粧水…マニアが選ぶ「使ってよかった!」スキンケアアイテム5選【2024年秋冬】
2024.11.01
-
車の香りどうしてる?話題の「TAMBURINS(タンバリンズ)」カーディフューザーを使ってみた!
2024.10.23
-
【ユニクロ×マリメッコ】2024秋冬を40代ライターが試着!ヒートテックやキッズなど注目アイテムが目白押し
2024.10.22
おしゃれも暮らしも自分らしく!
1983年の創刊以来、「心地よいおしゃれと暮らし」を提案してきたLEE。
仕事や子育て、家事に慌ただしい日々でも、LEEを手に取れば“好き”と“共感”が詰まっていて、一日の終わりにホッとできる。
そんな存在でありたいと思っています。
ファッション、ビューティ、インテリア、料理、そして読者の本音や時代を切り取る読み物……。
今読者が求めている情報に寄り添い、LEE、LEEweb、通販のLEEマルシェが一体となって、毎日をポジティブな気分で過ごせる企画をお届けします!