電子マネーでの買い物、祖父母からのおこづかい……。子どものお金を取り巻く環境に不安を感じる人も多いのでは?
子どもの将来のためにも、マネー育を始めましょう!
この記事は2018年7月7日発売LEE8月号の再掲載です。
キャッシュレスの時代こそきちんとしたお金感覚を!
電子マネーやネットショッピングなど、お金を取り巻く環境が激変し、注目を集めているのが、子どもへの「マネー育」。
ファイナンシャルプランナーのたけやきみこさん、八木陽子さん。マネックス証券アナリストの益嶋 裕さんにお話を伺いました。
「お給料が手渡しでなく振り込みになり、電子マネーやクレジットカードの多用で、お金はどんどん見えなくなっています。現金で育った私たちはお金の価値を理解できますが、見えないお金にしか触れていない子どもたちはどうしても軽視してしまう」と八木さん。
「日本はお金教育後進国といわれていて『お金の話をするなんてはしたない』と敬遠されがち。でもこれからの時代は、子どもにお金の大切さ、堅実な使い方を教えていなかければ、破産などで身を滅ぼしかねない。その必要性が叫ばれているのです」
お金についてやりとりをすることで、金銭感覚が身につく
「マネー育」が話題の理由として、マネックス証券アナリストの益嶋 裕さんは、こんな社会的、経済的な背景も指摘。
「経済がデフレからインフレに移行しているといわれています。デフレは現金を持っていると得ですが、インフレは現金だと損をする仕組みなので、キャッシュレスが進んだり、株が上がって投資に目が向くように。早くから子どもにきちんとしたお金感覚を、と思う親御さんが増えているのでは。
さらに、子どものために資産形成ができる『ジュニアNISA』などインフラも整いつつあることで、マネー業界への関心も高まっていると思います」
「ぜひ早くからマネー教育を」と話すのはファイナンシャルプランナーのたけやきみこさん。
「大人になってからでは取り返しがつかないこともあるので、心が柔軟な子どものうちに始めて。
子どもが『すぐにおこづかいを使い切ってお金が足りない』と失敗したら、『じゃあどうすれば、もらったお金のやりくりが上手にできるかな?』などとコミュニケーションを。
親が見てあげられるうちに、たくさん子どもとお金についてのやりとりをすることで、金銭感覚が身につきます」
電子マネーばかり使っていると…
お金の感覚が身につかない?
便利さゆえに、つい使ってしまう電子マネー。
「日常的になりすぎて、子どもにはこれがお金だと伝わっていないはず。お金の重みを知らないまま大人になってしまわないように、どう伝えるかがマネー教育の大きな課題」(八木さん)
子どもの前では、電子マネーの利用は控えめに。
「子どもにお金感覚が身につくまでは、僕自身が、買い物のときに電子マネーではなく現金で支払うようにしています」(益嶋さん)
スマホで買い物ばかりしていると…
ものを大切にしなくなる?
スマホでの買い物を見せていると、買い物の本質がわからない!
「簡単に買えると思うとものを大切にしなくなり、消費ばかりに。スマホでの買い物も、ただポチッとしているわけではなく、予算や条件などをきちんと考えて購入していることを子どもに伝えて。
また、この消しゴムの買い置きのように、なくしたものを探すよりも消費のほうがラクなケースもありますが、時には親がひと手間かけることも大切」(八木さん)
欲しがった分、買い与えていると…
計画性のない子どもに育ってしまう?
子どもが欲しがってグズると、つい買ってしまう人も多いはず。
「欲しがるままに買い与えると、そのまま大人になり、クレジットカードやローンで、計画性のない買い物をしてしまう可能性も。電子マネーなどでどんどんキャッシュレスの時代になるからこそ、より一層、お金の管理が課題に」(たけやさん)
「まずはお菓子から『今日は300円じゃなく100円で探そう』などと促して、予算内でやりくりする練習を」(益嶋さん)
イラストレーション/カツヤマケイコ 取材・原文/野々山 幸
この記事は2018年7月7日発売LEE8月号『どうする?うちの子どもの「マネー育」』の再掲載です。
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