買うのも借りるのも高い時代に
不動産のプロに聞いた【家探しで大事にするべきことは?】物価高騰時代の「後悔しない家探し」3つポイント
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@homeLEE 私らしく建てる、心地よく暮らす
2026.10.28
譲れる、譲れないの見極めがもっと大事に
住宅費高騰時代に私たちは家をどう考える?

不動産価値や資材、人件費が上がり続け、さらに金利の上昇も……。今、住宅を手に入れるのに厳しい時代です。自分たちが満足できる住まい方を模索し、選んだ方々を取材し、さらに住宅のプロにも意見を伺いました。物価が上がり続けるなか、私たちが住まい選びで大切にするべきことを、一緒に考えてみませんか?
不動産のプロに聞きました
買うのも借りるのも高い時代、家探しで大事にするべきことは?
損か得かだけにこだわるのではなく、ライフプランに合わせた選択を

山本直彌さん
NAOYA YAMAMOTO
らくだ不動産 代表取締役社長
マンション・ビル管理、不動産仲介の経験を経て、業界の構造を変えたいという思いから、らくだ不動産を抱えるさくら事務所グループに参画。自身も現役のマンション管理コンサルタント・不動産エージェントとして活動。
山本さんが代表を務めるらくだ不動産は、多数の不動産エージェントが所属し、家の売却や購入の相談に乗ってくれる珍しいタイプの不動産会社です。利用者の利益を最大限考慮する立場から、現在の不動産市場についてはどのように分析していますか?
「建築費の上昇で新築のマンションや戸建てが値上がりし、それに引きずられる形で中古住宅の需要も過熱しています。象徴的なのが“ワニの口”と呼ばれる現象で、首都圏の中古マンション売り出し価格と実際の成約価格の差が、以前は10%程度だったのが、今は30%程度に拡大。売り手が強気な価格をつけて、買い手がそこに追いつけていない状態になっているんです」
現在のように都心のマンションの価格が大幅に上がったのは、職住近接がトレンドになった背景も。ところが価格上昇を受けて探し方にも変化が。
「都心の物件で予算的に厳しければ、皆さんまずエリアの変更を考えますよね。以前は少し都心から離れれば見つかっていたのが、今は大きくエリア変更しないと難しくなっています」
マンションの価格上昇は、“資産”として注目されている側面も。
「インフレに備えて投資目的で都心マンションが購入され、実際には居住していない例も増えています。節税効果もあり、持っているだけで価値が上がるので、ある種のマネーゲームが起きてしまっているのが現状です」
それなら、私たちもやはり賃貸よりも持ち家にするのが正解?
「そこは損か得かの経済合理性だけで決める必要はありません。今後転勤があるかどうか、親の介護のために地元に戻る予定があるかなど、ライフプランや生活環境で選びましょう。一点注意したいのは、地価が上昇している一部エリアでは、更新を前提としない“定期借家契約”が増えていることです。契約満了時に家賃が一気に上がる可能性もあり、賃貸なら住居費が安定しているとも限りません」
先の見えない時代、本当に自分たちに合った家を手に入れるにはどうしたらいいのでしょうか?
「住まい探しで一緒に伴走してくれるパートナーを見つけてください。一般的な不動産会社は、契約成立が目的で、物件のデメリットを教えてくれないことも。資金計画や人生設計まで含めて客観的にアドバイスをしてくれるような不動産やお金のプロと出会えると、冷静に判断してもらえます」
この先も大きな住宅費下落は見込めない一方、金利上昇も気になるところ。早めに動きだし、自分たちに合った家と出会うためにも、家族の足並みをそろえておくことが大事!
「家族で“ここはこだわりたい”“ここは譲ってもいい”というポイントを共有して、言語化しておいてください。家族全員が納得して選んだ住まいなら、入居後に不測の事態が起きても選択を肯定し、協力して解決策を練ることができる。何が起きるかわからない時代、住宅購入はゴールではなく、人生という“線”の一部ととらえてほしいです」
物価高騰時代の「後悔しない家探し」のポイント
1
「こだわり」と「あきらめ」を家族の共通認識として明確にして
何を優先して、どこは妥協できるのか。夫婦や家族の間で意見の足並みがそろっていないなら、無理に住み替えを進めるのはリスクが高い! 全員が納得して選んだ住まいだと、住み始めてからの幸福度も大きく違ってきます。
2
信頼できるお金や不動産のプロに相談する
物件を仲介する一般的な不動産会社は、「売りたい物件を持つ側」。デメリットまで積極的に教えてくれないことも珍しくありません。人生設計から客観的に伴走してくれるプロを先に見つけておくことが、失敗しないための近道になるのです。
3
決めたら1日も早く行動に出るべき
資材費、人件費の上昇は今後も続き、さらには金利も上がっていく見通し。今後しばらくは不動産価格が大幅に下がる見込みは薄い。家族で家の購入を決断したときは早めに動くことが、結果的に納得のいく選択につながります。
Staff Credit
撮影/林 ひろし 取材・文/古川はる香
こちらは2026年LEE10月号(9/7発売)「住宅費高騰時代に私たちは家をどう考える?」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。
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