ヨシタケシンスケさんとちょっとひと息 「かもしれない」で毎日がちょっとラクになる…かもしれない
友人関係、体の悩み、アイデアの出し方…
「なんでそんなにおもしろい本が書けるの?」ヨシタケシンスケさんが大好き!な8人の子どもたちからの質問に答えます!
2025.03.30
SPECIAL INTERVIEW WITH Yoshitake Shinsuke
ヨシタケさんが大好き♡ だから聞きたい!
LEE100人隊の子どもたちから質問があります

「かもしれない」は、ヨシタケさんを知る人なら、おなじみの言葉。絵本第1作のタイトルは、『りんごかもしれない』。凝り固まった視点をちょっとずらしてくれる「かもしれない」の気持ちを、ヨシタケさんはいつも、心の端っこに持っているようです。
そこで、この記事では読者の子どもたちの「こんなとき、ヨシタケさんならどうする?」に答えてもらいました。直球から変化球まで、あらゆる角度から投げられた質問の答えをご紹介します。
1
授業で先生に指されたときに答えを間違うと、クラスのみんなが違うよと言います。
みんなに言われるとすごく悲しい気分になります。そんなときどうすればいいですか?
小1女子(No.059 サンさんの娘さん)
1
その悲しさを、外に出して表現してみよう
「すごく悲しいですよね。その悲しいときに、悲しい自分の顔を描いてみてください。自分の悲しみを表現してみてください。いっぱい描いて、『自分の悲しみはこんな顔じゃ表現できない』『もっと悲しい顔なんだ』と外に出していると、その悲しい心が治ってくるので。
絵じゃなくて言葉でもいいから、表現するといいと思います」(ヨシタケシンスケさん)
2
僕は病気があってみんなより体が小さいです。
公園で会った知らない人に、小さいと言われたりずっと見られたりするのが嫌です。
頑張って走ってもかけっこがみんなより遅いです。
どうすればいいですか?
小2男子(No.018 キッキさんの息子さん)
2
あなたの体で楽しくできることをゆっくり探そう
「そんなこと言われたら、イヤだよね。あなたはかけっこはみんなより遅いけれど、絵は誰よりうまいかもしれないし、読書感想文はかっこよく書けるかもしれない。
実は、世の中には自分の体が大好き! って人は、めったにいないんじゃないかな。
僕は手にいっぱい汗をかく体質で、子どもの頃、フォークダンスなんかで人と手をつなぐのがとてもイヤでした。今は、絵本作家という人に触れなくていい仕事をしています。
自分の気に入らないところと折り合いをつける方法が、いっぱいあるんですよ。ゆっくり時間をかけてでも、自分が楽しめるものを探してみてくださいね」(ヨシタケシンスケさん)
3
どうして『おしっこちょっぴりもれたろう』の本をかこうと思いましたか?
小1男子(No.072 かねさんの息子さん)
3
もれたろうは、ノンフィクションです
「うちの子が、もれたろうだったからです。もれて、母親に毎回怒られて、しょんぼりしているのを見ていたからです。ノンフィクションです。人にバレてるかバレてないかだけであって、男性は、基本全部ずっともれたろう。
僕には経験上それがわかっていたので、もれたろうたちの助けになればと描きました」(ヨシタケシンスケさん)
4
作文を書くことが苦手です。なんでそんなにおもしろい本が書けるのか教えてください!
絵を習っています。
絵のアイデアって浮かぶのが難しいです。
ヨシタケさんはどうやってアイデアを出しますか?
小6女子、小3女子(No.090 こうめさんの娘さん)
4
アイデアを出すより、“記録する”を意識してみて
「僕は感想文が苦手だったし、絵も、そんなに得意だとは思っていないんです。どっちかひとつで世界観を作る自信がないから、絵と言葉で補い合う表現しかできないわけなんですけれど。
アイデアって、出そうとすると出ないので、なんか自分がいいな、と思ったものを記録するところから始めるのはどうでしょう」(ヨシタケシンスケさん)
5
グループに入りたくないです。
でもグループに入らないといけないような雰囲気があります。私はグループに入らず、
好きなときに好きな人と遊びたいです。こんな考え方だと、親友はできませんか?
小3女子(No.054 さきさんの娘さん)
5
グループは入らなくてOK。仲よくするふりでもいいよ
「親友はいなくて大丈夫。グループに入らないとできないような親友はたぶん、親友ではないですし。『グループってイヤだよね』って同じ気持ちの人を見つけてください。
どうしても入んなきゃいけなそうなときは、仲よくしているふりでいいです。大人になれば、友達が1人もいなくても、楽しく生きている人はいっぱいいますよ」(ヨシタケシンスケさん)

6
受験生です。
問題集を繰り返し解き、過去最高に勉強したのに点数は過去最低。
気の持ちよう、どうすればよいですか?
中3女子(No.002 みなっこさんの娘さん)
6
あなたの“努力ポイント”は絶賛キャリーオーバー中
「努力の結果が出るタイムラグが、少し人より長めなのかも。たとえ受験というもので結果が出なくても、別のところでその努力が結果につながることもある。
今は、〝努力ポイント〞を貯めている時期。1週間後のテストにそれが反映されないなら、未来に向かってキャリーオーバーが発生していると思ってみて。
人生にはまだまだ先がある。テストなんかで運を小出しに使わなくてよかった! かもしれませんよ」(ヨシタケシンスケさん)
7
ヨシタケさんに信用できる人はいますか? いるなら、その人にはいつ出会いましたか?
小5男子(No.098 なーりーさんの息子さん)
7
この先はわからないけれど、今はいないです
「すごい質問ですねえ。結論から言うと、いません。
そもそも、『生きていくうえで信用できる人がいたほうがいい』というストーリーがあってのこの質問だと思うんですけど、信用できる人がいないとしても、人は幸せに生きられたりするんですね。
誰からも信用されてなくても、幸せそうな人もいますしね(笑)」(ヨシタケシンスケさん)
8
トゲトゲのついたバットで野球をするか、トゲトゲのついたボールでサッカーをするかどちらがよいですか。
小3女子(No.047 ケロ子さんの娘さん)
8
痛いのはイヤだから、野球にします
「これもなかなかいい質問ですね。これだけで何時間でもしゃべれるくらいです。
一瞬迷いましたけど、よくよく考えたら、野球のほうはボールにトゲトゲがついていない。だから、痛くないのはバットのほう。サッカーは何をしても痛いでしょうね。
どっちかしか選べないとしたら、野球で外野を守りたいと思います。ホームランは出にくいと思うけど、バットそのものは飛んでこないと思うので」(ヨシタケシンスケさん)

お話しを伺ったのは?
ヨシタケシンスケさん
Yoshitake Shinsuke
1973年生まれ。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。2013年に初の絵本『りんごかもしれない』(ブロンズ新社)を出版。『つまんない つまんない』(白泉社)の英語版『The Boring Book』で2019年ニューヨーク・タイムズ最優秀絵本賞受賞。
Staff Credit
撮影/砂原 文 取材・文/福山雅美
こちらは2025年LEE4月号(3/7発売)「ヨシタケシンスケさんとちょっとひと息『かもしれない』で毎日がちょっとラクになる…かもしれない」に掲載の記事です。
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