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進化するフェムテック業界の最前線もレポート

鵜飼恭子さんがレクチャー。膣内の菌のバランスでニオイが変わる! 膣内フローラの整え方

  • 上紙夏花

2024.12.22

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2024年12月4日に、東京・ザ ストリングス 表参道で開催された、フェムテック・フェムケアに関するイベント「Femtech Japan 2024/Femcare Japan2024」。その中で、美容ジャーナリストの鵜飼恭子さんがファシリテーターを務めるセミナーに参加してきました。

鵜飼恭子さん。美容誌『MAQUIA』の編集者として13年のキャリアを積み、現在は美容ジャーナリストとして活躍。ティーンに正しい美容知識を伝える「トレンドセミナー ティーンビューティーゼミ」を主催。MBA 日本フェムテックマイスター協会評議員を務め、嗅覚反応分析アンバサダーでもある。

そのセミナーというのが、題して『もうフェムで悩まない!「膣内フローラの整え方」臭い、乾燥、ヒリヒリBye bye』。このタイトルを聞いただけで、筆者は「え?腸内フローラじゃなくて、膣内フローラ?」、「膣内の菌のバランスでニオイが変わるの? 更年期に入るとヒリヒリすると母が言ってたかも…」などと、興味深々でした。

どんどん進化するフェムテック業界

下着にクリップ状の体温計をセットし、アプリと連動して使う「Fertism(フェルティズム)」。24時間体温を計測・記録が可能な新しい基礎体温管理ツール。

セミナーが始まるまでの間、会場内のフェムケア・フェムテックに関する商品やサービスを紹介しているブースを回ってみました。以前にも、フェムテック関連のイベントを取材した経験がありますが、ほんの数年でこんなにも多様な方向に発展を遂げたのかと、とても驚きました。

授乳服には見えないへプラムトップスは「MintVeli」のもの。シワになりにくく、自宅で洗濯もできるのもいいところ。やや斜め、縦に大きくファスナーが開くので、授乳のしやすさも抜群。

授乳服や給水ショーツは、数年前よりも選べる範囲が広がったように感じます。デザインや色、素材の違いで自分のスタイルに合わせて選べる時代です。妊娠や出産、産後などライフステージが変わっても快適に過ごせる工夫がフェムテック製品から感じ取れました。

未踏IT人材育成事業 採択Projectのブースでは、開発中のショーツ型経血量測定デバイス「Unleak」が。経血の分布を可視化し、経血漏れをお腹への振動やアプリでお知らせするというもの。

さらには、経血漏れしないように、センサーで色を感知して、ナプキンを変えるタイミングを振動でお知らせする技術が開発されていたりと、目から鱗というようなフェムテック商品がたくさん並んでいました。

セミナーには、森永乳業の菌の専門家・古田さん、看護師の胃腸良子さんが登壇

左から、森永乳業の古田さん、ナースキュアの胃腸さん、そして美容ジャーナリストの鵜飼恭子さん。

そして、前述のセミナーが始まりました。

鵜飼さんがフェムケアを意識するきっかけになったのは、妊娠中のこと。会陰マッサージに日々励み、自然分娩の際に会陰切開をしなかったという鵜飼さん自身の体験があったそうです。
実は筆者も鵜飼さんと第一子、第二子の出産のタイミングが同じです。第一子のときからフェムケアを始めていた鵜飼さんは、約15年も前からケアしていたのだと驚きました。

今回のセミナーの内容は、「膣内」のこと。いつからどのようにケアを始めればよいかなど、知りたいことがたくさんあります。
このセミナーの登壇者は、膣内環境改善サプリメント「フェムケアバイオ」開発者でナースキュア代表、看護師の胃腸良子さん(本名:布施公予さん)と、菌の専門家である、森永乳業の古田雄一郎さんです。

腸内フローラと同じくらい大切な、「膣内フローラ」とは

婦人科経験が長い看護師の胃腸さんは現在、東京農業大学の大学院生でもあるそうです。今注目しているのは、腸内細菌はもちろんのこと、「膣内細菌」とのこと。

「腸内細菌は人によって全然違うので、整え方がとても難しいのですが、デリケートゾーン(つまりは膣内)の菌は身体が取捨選択をして菌を取り込むので、結果が現れやすいのが特徴です」と、胃腸さんが、婦人科でのナース経験から語ってくれました。

鵜飼さんからの「なぜ今、フェムテックが注目されているのでしょうか」との質問に対しては、胃腸さんは「今までは人に言えなかった悩み、我慢するしかなかった女性特有の悩みも、ようやく声を大きくして話せるようになってきたというのが、フェムテックブームとなったのでしょう」と回答していました。

どうやら、膣内細菌のバランスが女性特有の悩みに影響しているようです。

「悩みというのは年齢とともに変化します。それは、女性ホルモンのバランスが年齢とともに変わってくるからなんです。更年期に差し掛かると、エストロゲンの数値が0に近づきます。そうなると、デーデルライン桿菌(かんきん)という膣内や子宮内を守っている乳酸菌が減少してしまい、ニオイやかゆみ、乾燥という悩みが出てきます。これは普通の加齢現象です。しかし、これが進行すると大変なことになるので、予防したいのでそのためにサプリメントを開発しました」と胃腸さんは語ります。



健康的な膣内フローラの大半を占めるのは乳酸桿菌

膣内には腸内と同じように、様々な細菌が生息していてその細菌の集まりを膣内細菌叢と呼ぶそうです。いわゆる、「膣内フローラ」ですね。

その「膣内フローラ」のバランスは、胃腸さんが教えてくれたデーデルライン桿菌とも呼ばれる乳酸桿菌(ラクトバチルス菌)が大半を占めていると健康的だと言われています。

「このデーデルライン桿菌は善玉菌で、乳酸などをつくり出すことによって、膣内を酸性に保って細菌が膣内へ侵入することを防いだり、膣内で悪玉菌が繁殖するのを抑える働きをしているのです」(胃腸さん)。膣内フローラの乱れが、ニオイやかゆみにつながっているのだとか。

デーデルライン桿菌が減る原因には、ホルモンバランスの乱れや寝不足、ダイエットや疲労などのストレスなどもあるようです。生活をしていく上でなかなか避けられないことかもしれませんが、今回のこのイベントで出会った製品や知識を活かして、上手に健康維持ができるといいなと感じました。

デーデルライン桿菌配合のサプリメント「フェムケアバイオ」。女性のための乳酸菌が、年齢とともに増えるお悩みをサポート。

フェムケアは不調を感じる前でも、すぐに始める方がいいということもわかりました。胃腸さんが開発したサプリメントを活用するのもひとつの方法だと思うので、参加者特典でいただいたサプリメントを試してみたいと思います。

みなさんも、フェムケアやフェムテックに注目して、健康維持に役立ててください。

上紙夏花 Natsuka Uegami

ライター/ビューティープランナー

1977年、大阪府生まれ。吉本新喜劇の女優を経て、ライターに。現在は化粧品の商品開発やPRを手掛けるほか、ベビーマッサージ講師としても活動している。夫・息子9歳、3歳

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