産休までに引き継ぎがマスト
42歳で初産【LEE100人隊ユリさんの場合】育児中もお互いのひとり時間を尊重できるのは、40代ならではかも
2024.10.08
「40代の出産」リアルStory
一般的には35歳以上の初産が高齢出産と定義されていますが、最近では40代での出産も増加傾向に。そこで、実際に40代の出産を経験した読者にインタビュー。40代ならではの大変さや、年齢を重ねたからこそのよかったことなども聞きました。
40代での出産は全体の5.5%で、増加傾向に
厚生労働省が公開している母親の年齢別出生率のデータを見ると、2023年の40~49歳女性の出産は全体の5.5%。少数派ではあるものの、’15年の3.9%、’20年の4.7%と比べて、じりじりと増えていることがわかります。
42歳で初産
育児中もお互いのひとり時間を尊重できるのは、40代ならではかも
LEE100人隊
100 Bloggers
015 ユリさん(42歳)
夫、娘との3人家族。今年の4月、42歳での初産を経験。その過程を100人隊ブログで報告し、反響を集めました。現在は初の育児に奮闘中!
産休までに引き継ぎがマスト、妊娠中の忙しさには戸惑いも
39歳で結婚し、夫婦ともに子どもを望んでいたというユリさん。とはいえ“アラフォー妊娠”“40代 高齢出産”などと検索するとネガティブな内容を目にすることが多く、「やっぱり難しいかも」と気持ちが揺れていたと言います。そんな中、41歳で自然妊娠が判明。
「正直なところ、うれしいというよりもびっくりしたのが本音。それと同時に『これから子どもを育てなければいけない』『産休・育休を取って仕事に復帰できる?』などと、今後どうするかということばかり考えていました。手放しで浮かれることはなくて、今思うとかなり冷静だったかなと思います」
妊娠初期はつわりがひどく、後半は仕事がハードになり両立が大変だったことも。
「いわゆる“食べづわり”で、空腹だと気分が悪く。仕事を休むほどではなかったのですが、通勤電車などはしんどかったですね。また、当時の職場は転職してから2年余りで、産休・育休でお休みするのは心苦しいなと思っていたんです。
すると、たまたま同じタイミングで一緒に仕事をしていた方が会社を辞めることがわかって。2人同時に抜けることになり、そこからが一気にドタバタに。秋に妊娠がわかり、12月が決算の会社だったので年末まで大忙しで、年が明けたら新たな担当者に怒涛の引き継ぎ。普段はそんなに残業もないのですが、このときばかりは産休までに間に合わせなければと仕事を詰め込み、体力的にもヘトヘトだし、おなかの赤ちゃんも心配でした。
大きなトラブルもなく何とか乗り切って産休に入ると、それまでの忙しさの反動なのかぐったりすることも。体が思うように動かず、昼間にたくさん眠ってしまい、出産の準備があまり進みませんでした。産休・育休が取れるのはありがたいのですが、産前休暇42日は短いな、もう少し長いといいなと感じたりもしましたね」
その後、予定日ぴったりの4月に自然分娩で出産。
「痛すぎて、自分でも驚くほどの大きな声を出してしまったりと、42歳にして初めての経験でした。一方で『私どうしてこんなに痛い思いをしてるんだろう』と、もう1人の自分が隣で見ているような感覚になったり。そして、生まれた直後、なんと立ち会いをしていた夫が気絶して倒れて、車椅子で運ばれるというハプニングも! 私より6歳年上ということもあり体力的に限界だったのか……。本人は『痛み分けしたんだ』と誇らしげに言っていましたが、今ではわが家の笑い話です(笑)」
夫が育休を取得! 一緒に育児ができて、安心につながりました
産後すぐに腎盂腎炎(じんうじんえん)に! 授乳もうまくいかず落ち込む
産後少ししてから、夫が約3カ月間の育休を取得し、夫婦で新生児の育児に取り組んだそう。
「産後はなかなか体調が戻らず、退院した翌日に私が発熱し腎盂腎炎になっていることがわかって。点滴を打つために、退院したばかりの病院に1週間ほど通うことになってしまいました。また、最初は子どもが母乳を嫌がって飲んでくれず、何だか母としての自分も否定されているようなつらい気持ちに。母乳外来にも通って、3カ月目ぐらいにようやく飲めるようになったんです。
そんな中でも、夫が育休を取って産後すぐから育児に参加できたことは、安心につながりました。体のトラブルや授乳に戸惑う私の様子に『これはワンオペは無理だね』とつぶやいていたりして、毎日そばで見ていると感じることは多かったようです。夫の会社は男性も育休を取ることが推奨されていて、たまに出社したり、リモートワークをしたりしながら、5~8月まで休むことができました。
もし10年前に出産していたら、こんなふうに夫と一緒に育児をすることは叶わなかったかもしれないなという思いも。年齢というよりは時代の流れが大きいのかなと思いますが、その点ではいいタイミングに出産できたなと感じています」
そのほか、ユリさんが感じる40代での出産のメリットとは?
「子どもが大事だし、一番優先すべき存在であるのはもちろんですが、夫も私もずっとひとり暮らしをしていたこともあり、それぞれの時間を大切にしたいという思いがあります。夫が行きたいところがあれば快く送り出すし、私も子どもを夫に任せて外でリフレッシュすることも。お互いひとりの期間が長かったからこそ、今も尊重できるのかもしれません。
あとは、友達の大半が先に出産していて先輩ママが多く、たくさんアドバイスをくれたので余計な育児グッズを買わずに済みました! 若かったらかわいいグッズにテンションが上がって、あれもこれも買ってしまったかもしれないのですが『生まれる前にそんなに買わなくていいよ』と教えてもらって。チャイルドシートやバウンサーはお下がりで譲ってもらったりも。ベビーベッドは買わずにレンタルで済ませるなど、落ち着いて選択できたかなと思います」
社会経験を積んだからこそ娘を自由に育てたい
産後5カ月がたち、少しずつ慣れたもののこれからも絶え間なく続く育児。自身の経験から、子どもの将来にこんな思いが。
「振り返ると子どもの頃、親の言うことを聞いて育ってきたなと思うんですね。私を思ってのことだと思うので感謝はしているのですが、20代で社会経験もそこそこに出産していたら、私も同じような子育てをしていたかなと。長く働き、転職も経験して、親が安心だと思う道以外にもいろいろな生き方があるなと痛感したんです。娘を自由に育てたいし、何でも自分の意思で決めて、道を切り開いていってほしいなと思っています」
ブログに大きな反響が!
100人隊ブログに、42歳での初マタニティライフについて綴ってくれたユリさん。高齢出産のメリットや不安、産休・育休制度への思いも。
History
ユリさんのこれまで
39歳
結婚
41歳
妊娠
42歳
出産予定日の1カ月半前から産休へ。出産育休を取得後、来年仕事に復帰予定
Photo
妊娠・出産
妊娠8カ月頃に、スタジオを借りて記念に撮影したマタニティフォト。妊娠中は仕事がハードだったものの大きなトラブルはなく、臨月にお花見をしたこともいい思い出。
安定期を迎えた頃、関西地方では有名な「石の寺 教林坊」の赤川観音に安産祈願。秋が深まる時期で、真っ赤に染まった紅葉がきれいだったのも印象的。
妊娠初期に、夫婦でパパママ教室に参加したときの様子。夫が臨月のおなかと同じぐらいの大きさの重りをつけて、妊婦体験。その大変さを実感したよう。
Staff Credit
イラストレーション/フジノマ 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2024年LEE11月号(10/7発売)「「40代の出産」リアルStory」に掲載の記事です。
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