【実例】ケータリング会社・PR会社代表 植田沙羅さん
パリの小さなキッチンでケータリングをスタート!植田紗羅さんのミニマルな台所を拝見
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@homeLEE 私らしく建てる、心地よく暮らす
2024.08.15
Paris Small Kitchen 海外インテリアスペシャル
夏のアペロ、愛用の器…
そこに立つ時間が楽しくなる
パリの日本人の「小さなキッチン」
パリのキッチンは日本とさほど変わらないコンパクトさなのに、個性やセンスが感じられ、なんだか楽しげなのはなぜ?
調理道具や器など愛着のあるものと料理の時間をごきげんに過ごす工夫があふれた、パリ在住・植田沙羅さんの空間作りには、あなたのキッチンをより快適にするヒントがいっぱい!
ケータリング業を始めたのもすっきりミニマルなこのキッチン
パリの専門学校を卒業後、現地でPRの仕事を続ける植田さん。「イネ」の屋号で和食のケータリングと店舗まで切り盛りする多忙な毎日です。パートナーと愛犬と暮らすこの物件は、以前はオフィスとして使われていたよう。
キッチンらしい設備がなく、部屋の隅にレンガのカウンターとシンクがあるだけでした。備え付けのコンロもないから、今でも料理するときには卓上用IHコンロを出し入れして使っているんです
空間に区切りがないだけに、キッチンの生活感がインテリアを邪魔しない工夫が必要です。そこで、電子レンジ、オーブン、洗濯機まで全部、カウンターの下に収納。料理が終われば、カウンターはいつもすっきり。
実はケータリングを始めた当初は、ここで100食分ものお弁当を、このキッチンで作っていたというから驚き。
作っていたのは一般的な和食弁当。特別凝った料理を作るわけではなかったし、カウンターには何も置かずスペースがあるので、この空間でどうにか作れていました。
ただ、大量の揚げ物を作ると部屋中が油のにおいで充満して…パートナーが会社で〝トンカツ〟というあだ名をつけられたのは、さすがに気の毒でしたが(笑)
Kitchen
ここは料理だけでなく、家事全般を取り仕切るコックピット。掃除用品も洗濯機も、すべてこのカウンターの下に収納されています。
「パートナーがすっきりした空間を好むタイプなので、料理などの作業が終わったら、カウンターの上に何も残っていないのが理想です。タイルの天板は、引っ越し当初に彼と二人で、白いペンキを塗りました」(植田紗羅さん)
料理はそのつど、IHヒーターを出し入れ
料理は、カウンター下からIHヒーターを取り出してスタート。シンプルなキッチンで、異彩を放つのが冷蔵庫のにぎやかなマグネット。
「元は旅先で買ったものを貼っていたのですが、友達からどんどんもらうようになってこの数に」(植田紗羅さん)
家事一切は、ここで完結します
カウンター下の正面は家電コーナー。左は洗濯乾燥機、隣にはオーブンと電子レンジを重ねて設置。扉付きの棚には、鍋類やキッチンツール、調味料や乾物、卓上IHコンロが。
「洗濯用の洗剤なども、このコーナーにすべて収納されています」(植田紗羅さん)
可愛い消耗品は、並べて見せてもよし
棚にずらりと並ぶのは、「アスティエ ド ヴィラット」の食器用洗剤。
「高価なのでどんどん使うわけにもいきませんが、とにかく香りがいいんです。お気に入りは〝Black Pepper〞。大人っぽくて甘くない、さっぱりしたほろ苦い香りが好き」(植田紗羅さん)
ダブルシンクは何かと便利です
手洗い用だったと思われるダブルシンクはもともとの仕様。
「片方で食材や器を洗い、もう一方に移したりなど使い勝手がいいんです。料理だけでなく、ニットやレースなどの繊細な服を手洗いするときにも便利。桶のような感覚で使っていますね」(植田紗羅さん)
Dining room
平日は二人そろって多忙なため、キッチンから少し離れたダイニングまで移動して食べることはほぼありません。そこで役立つのが、キッチンのカウンター。出来たてをおいしいうちに食べられます。週末は打って変わってゆったりと。〝パリジャン〞をテーマにしたインテリアのリビングでくつろぎながら食事を楽しみます。
「疲れているときは無理に料理をせず、おいしいエピスリー(総菜店)で買ったもので済ませることもあります。ただ、必ずお気に入りの器に移すのがルール」(植田紗羅さん)
時間のない平日は下準備を万端に
この日のメインは、トマトとスモークモツァレラの冷製パスタ。
「トマトは前の晩に切り、つぶしたにんにくとオリーブオイル、岩塩で味つけし、冷蔵庫で寝かせておきます。当日は玉ねぎを甘くなるまで焼き、スモークベーコンを時間差で加えて強火でカリッと仕上げて。塩をきかせてゆでたカッペリーニにトマトとスモークモツァレラ、バジルをのせて完成」(植田紗羅さん)。
クレソンのおひたしは、おもてなしでも評判のメニュー。
夜は和食から離れて気分を切り替えます
以前は「イネ」的なメニューを家でも食べていたけれど、最近は家と仕事のごはんはあえて分けて考えている。
「パートナーがビーガンになったので、ソイミートを使うなど新たなレシピとの出会いも」(植田紗羅さん)
家具は、引っ越しのたびにテーマを決めて遊ぶ
前の家は北欧風、今回はパリジャン風。
「基本的にインテリアはパートナー主導で、家具なども彼がセレクト。まだ引っ越しの予定すらないのに、次の家のテーマは〝イタリアン〞に決まっています(笑)」(植田紗羅さん)
キッチンの真向かいの壁には、ホームセンターで大量に買った額を並べてアクセントに。
「クリスマスはここにオーナメントを入れます」(植田紗羅さん)
夏の定番ドリンクは、帰国の際買いだめしているという日本茶メーカー「EN TEA」の水出し緑茶。たった30秒で味わい深い一杯が。
Cupboard
フランスにやってきて20年、5回ほど引っ越しを重ねてきた植田さん。家具はそのつど売り買いし、インテリアのテーマを替えて空間作りを楽しんでいます。こちらのカップボードは、手軽な「イケア」のBRUSALシリーズ。
「中に入れる食器が映えるよう、色合いもデザインもシンプルなホワイトを選びました。日常的に使う器は、料理を引き立ててくれる『アスティエ ド ヴィラット』が多いですね」(植田紗羅さん)。
収納は余白を大切に、フルーツやオブジェをミックスしてディスプレイ感覚で。
共通点は"お気に入り"。器に国境なし!
以前プレスとしてかかわっていた「アスティエ ド ヴィラット」は、器のほか、オブジェも多く持っている。フランスの古いもの、日本の骨董など、気に入っている器は国籍関係なく食卓にのせる。
作家ものも、普段使いにどんどん使います
左の白の3点は「アスティエ」のもの。「ほかの器を持つと重いと感じてしまうほど軽やかで、実は実用的なんです」(植田紗羅さん)。
そのほかは、好きでPRもしているブランド「マティルド・マルタン」のお皿たち。
大切に使い続けたい祖母から譲り受けた茶器の数々
日本から大切に持ってきた器も。
「祖母が茶道の師範だったので、多くの茶道具が家に残っているんです。その作者の名前や価値については聞いていませんが、祖母を思い出しながら大切に使っています」(植田紗羅さん)
LEEチャンネルでは、植田紗羅さんのルームツアー動画も配信中!
LEEチャンネルでは、植田紗羅さんの自宅を公開。是非チェックを!
次回は、「パリのキッチンに学ぶ 食を楽しむTIPS 愛用の器編」をご紹介します。
Staff Credit
撮影/篠 あゆみ コーディネーター/Harue Konno 取材・文/福山雅美
こちらは2024年LEE7・8月合併号(7/5発売)「パリの日本人の『小さなキッチン』」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。
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