DIYで、日々成長するキッチンに!
4畳ほどでも楽しく!パリのおしゃれなキッチン【料理研究家・松長絵菜さん】
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@homeLEE 私らしく建てる、心地よく暮らす
2024.08.08
Paris Small Kitchen 海外インテリアスペシャル
夏のアペロ、愛用の器、調味料も
そこに立つ時間が楽しくなる
パリの日本人の「小さなキッチン」
パリのキッチンは日本とさほど変わらないコンパクトさなのに、個性やセンスが感じられ、なんだか楽しげなのはなぜ?
調理道具や器など愛着のあるものと料理の時間をごきげんに過ごす工夫があふれた、パリ在住・松長絵菜さんの空間作りには、あなたのキッチンをより快適にするヒントがいっぱい!
4畳ほどでも、楽しく心地よく。キッチンは日々、成長します
料理家の松長絵菜さんは、夫、10歳の息子さんとともにこの家に暮らして10年ほどになります。
4畳ほどの小さな空間を快適に使えるよう、あちこちに手を入れました。料理好きの大家さんが、私の職業を知っていることもあり、それを許してくださっていて
この家に決めた理由のひとつが、ガスコンロが使えること。IH化が進むパリではなかなか貴重です。仕事場でもあるキッチンは、DIYを重ね、今なお進化を続けます。
16年のパリ生活。いまだに日本とフランスの食の違いを、日々楽しめているのだそう。
心ときめくフランスの野菜の力強い味わいと、日本料理の持つやわらかく繊細なおいしさ。両方を知っているからこそ、食材の特徴を生かしたパリでの家庭料理作りをおもしろく感じています
例えばフランスの芳醇な香りのじゃがいもと、おいしいバゲットを挽いた手作りのパン粉で揚げたコロッケは、とびきりのおいしさ。日本からの客人にもここだけで食べられる料理だと喜ばれます。
毎日の生活は変化がないように見えて、何かしら発見があります。それに合わせて料理もキッチンも変わっていくから、ともにゆっくり成長できたらと思います
Kitchen
試行錯誤しながら、キッチン作りを続けている松長さん。
「DIYは得意じゃないけど、より使いやすくするため、やるしかない! と棚やバーを取り付けたり。また、料理を仕事にしているとはいえ、ここに立つのは夜遅くの洗い物など疲れているときも。窓辺にキャンドルを吊るしたり、におい消しを兼ねてお香をたいたり…いかに楽しく過ごせる空間にするか、といろいろ工夫を加えています」(松長絵菜さん)
窓の外には緑あふれるベランダが
キッチンの窓の外には家庭菜園が。手を動かしながら、自然に季節を感じられる。
「椅子と小さなテーブルを置いて、ここで読書をしたり、息子がおやつを食べたりもしています」(松長絵菜さん)
出し入れ&収納はDIYで効率よく
日常使いの器はキッチン内の収納スペースに。
「開け閉めが多いので扉は外し、DIYで棚を取り付けました。出し入れしやすいよう、棚板の奥行きは深い・浅いと交互にする工夫も」(松長絵菜さん)
悩めるふたの収納も、バーで解決
よく使う道具はバーに掛けて、吊るし収納。
「銅鍋は、蚤の市で状態のいいものをそろえました。フライパンは3年に一度、中を張り替えてもらい、大切に使い続けています」(松長絵菜さん)
シンク横の棚にはお手入れ道具を
キッチンのお手入れ道具は、DIYでつけた木の棚にまとめて。
「銅鍋を洗うのはお酢と粗塩。できるだけ口に入っても安心な素材でメンテナンスしたいので、お酢をよく使います」(松長絵菜さん)
エッグスタンドも小物置きに活用
柑橘を保存するのはアンティークのエッグスタンド。
「ノーワックスのレモンなどは日もちするように、風通しのいい状態に」(松長絵菜さん)。
一番上には、コルクで保護したアイスピックを。
日本の"お飾り"感覚で飾ってます
クリスマスには毎年、自分で焼いたジンジャービスケットをつけたスワッグを作ります。
「空気が乾燥しているのでビスケットもきれいなまま、翌年作るまで飾っておくのが恒例」(松長絵菜さん)
Cupboard
食器の収納は2カ所に分けて。日常の器はキッチン内に、ダイニングに続く廊下にあるこちらには、特別なときに選んで使いたい器を入れています。
「今は、新しい器を積極的に買い足したいというよりも、手元にあるなじんだものと楽しく暮らすことのほうに興味があります。どれも、今までの人生で少しずつ出会いを重ねて買ったものだったり、実家で幼い頃から使い続けてきたものだったりと、自分の生活に合った、私にとっては欠かせない器たちです」(松長絵菜さん)
ティータイムに使う器が多く入っています
上段の銀食器は、旅先などで見つけたアンティーク。中段のテリーヌ型や丸型も、蚤の市で少しずつ買いためたもの。
「花柄のカップ&ソーサーは親から受け継いだもので、青い柄の器は、親友の形見です」(松長絵菜さん)
ダイニングとキッチンをつなぎつつ収納場所にも
短い廊下は空間をゆるやかにつなぎつつ、収納場所としての役割も。
「コンパクトなキッチンなので、器や道具類のすべてを収納することは難しくて。この廊下があることで、食器棚や食材を置く場所がとれています」(松長絵菜さん)
食器棚の向かいには、常温保存の食材とかごを
上記の正面の棚上には、常温保存の塩、砂糖、豆などを。お菓子作りをしていると砂糖や粉類が多くなるけれど、おそろいの瓶に入れればすっきり。大きめのかご類は、DIYでつけたバーの上に置くアイデア。
Dining room
キッチンと同じように、ダイニングも暮らしながら育ててゆくものと考えています。特にインテリアのテーマは決めていませんが、心がけているのは、掃除がしやすく清潔に保てるように、ものやオブジェは置きすぎないこと。植物が好きなので、季節の花などを欠かさないようにとは意識しているそう。時には、お子さんの友達が遊びに来ることも。
「そんなときは、子どもが目を輝かせてくれるようなテーブルセッティングを。彼らだけでなく私自身がとても楽しんでいます」(松長絵菜さん)
ティータイムのテーブルはアンティークリネンに白の器を並べて
「お子さんのいる読者にもおすすめ」というフルーツポンチとサンドイッチで、ティータイムのテーブル。器は長年愛用しているものばかりで、「ガラスの器は20年以上前に『FOB.COOP』で購入。取り皿の下の器は祖父が使っていたものです」(松長絵菜さん)
氷は大きく作って砕いたほうがおいしい
氷はお菓子用のシャルロット型を使って大きく作るのが松長さん流。フランスの水はカルキが強いので、「ブリタ」の浄水器に通してから、南部鉄瓶で沸かして使用。アイスピックは、日本から持ってきた「貝印」のもの。
パリの光に合う「アスティエ」の器たち
ティーポットはまるでかぼちゃのようなフォルムで、その名も〝シンデレラ〞。カップとともに「アスティエ ド ヴィラット」のもの。
「『アスティエ』のグレーがかった白は、パリの光にとても合うと感じます」(松長絵菜さん)
家にある家具類は古いものが中心です
スリフトショップ「エマウス」で購入したチェストは、2段重ねだったものを1段ずつ横並びにして使用。
「鏡やテーブルは蚤の市で。パリ市内だけでなく旅先でも出かけます」(松長絵菜さん)。
中にはテーブルクロスを収納している。
みんなが集まる日は笑顔になる仕掛けを
この日は息子さんのお誕生日の翌日。リクエストで、部屋の飾りはしばらくそのまま。
「子どもの友達が来るときは、テーブル一面にピザやお菓子作りの材料を並べて迎え入れ、みんなで作って食べることも」(松長絵菜さん)
LEEチャンネルでは、パリに暮らす日本人のルームツアー動画も配信中!
LEEチャンネルでは、パリ在住のケータリング会社・PR会社代表 植田紗羅さんの自宅を公開。是非チェックを!
次回は、「パリの日本人の『小さなキッチン』ケータリング会社・PR会社代表 植田紗羅さん編」をご紹介します。
Staff Credit
撮影/篠 あゆみ コーディネーター/Harue Konno 取材・文/福山雅美
こちらは2024年LEE7・8月合併号(7/5発売)「パリの日本人の『小さなキッチン』」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。
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