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LIFE

今年こそ苦しまない! 読書感想文の書き方

課題図書の選び方は?どう書く?

夏休みの宿題【読書感想文】楽しく書ける最強メソッドをLEE編集部で考えました!

2024.07.27

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現役編集者が本気でまとめました!

楽しく書ける読書感想文 最強メソッド(賞が取れるかは不明)

副編ぷーすけ 編集カゲモン 編集マロミ 編集やまみ ライターたかみー 「1〜2個でもやってみてね」

【左から】
副編ぷーすけ

小1息子、年中娘のパパ。読書感想文の賞を取ったこともあるけど、全然好きではなかった。

編集カゲモン

年中、2歳息子のママ。読書感想文は苦手、宿題の中で一番最後に回していた。

編集マロミ

小4、年長娘のママ。読書感想文は好きでも得意でもなく、気の重い宿題だった。

編集やまみ

小6息子、小1娘のママ。この中では唯一、子どもの頃、読書感想文を楽しく書いていた。

ライターたかみー

小4息子のママ。読書感想文を書くのは苦手ではなかったけど、決して楽しくはなかった。

本はどう選ぶ?

できるだけ本人の興味のあるものを。短くても全然OK! 短いと何度も読み返せます

課題図書が決まっている場合を除いて、「こうあらねば」にとらわれず、ジャンルなどできるだけ自由に選んで。「短いものはおすすめです。何度も読み返せて、理解が深められるというメリットもありますよ」(マロミ)

短編を選んで書いたときはうまくいきました! マロミ

何を書く?

あらすじは、ほぼいりません。「本を読んだあなたのこと」を知ってもらう「自己紹介文」を

読みたいのは本を読んだ「あなたのこと」です。本の内容は、あなたのことを書くために必要な分だけ書いてあればOK。「自分のことを知ってもらう、『自己紹介文』だと思って書いてみてくださいね」(やまみ)

背伸びはしなくて大丈夫ですよ やまみ

どうやって書く? 1

テンプレを使うのもあり。中身を「あなただけ」のものにすればいいんです

ひとつの文章をゼロから書き上げるのは難しいもの。ネットでもいろいろ見つかるテンプレを使うのもあり。同年代の子が書いた作文を一例として読んでみても。「中身は自分だけの考えや体験を書けるといいですね」(ぷーすけ)

形を整えることより、中身を考えることに力を使って ぷーすけ


どうやって書く? 2

いろんなことを書こうとせずに、書くことをギュッと絞って。「捨てる作業」が大事です

800字、1200字は長いようで、意外に短いもの。いろいろなことを書こうとすると、全部が中途半端、消化不良に。「これくらいの長さなら、一番心が動いたことを、ひとつだけ書くくらいでいいと思います」(たかみー)

広く浅くより、狭く深く書くといいですね たかみー

どうやって書く? 3

親がインタビューして、「おもしろかった」を具体的な言葉にしてあげよう

「おもしろかった」を具体的な言葉に置き換えるには、親のサポートは必要かも。子どもと一緒に楽しむ気持ちで。「母がダメなら父や親戚が聞いてみる、おもしろかったところをプレゼンしあうなどやってみて」(カゲモン)

本に関連する施設などに出かけるのもよさそう カゲモン

どうやって書く? 4

「読む人」にウケよう! 特に書き出しとラストが大事。どんでん返しもありです

読む人を楽しませよう。この意識だけでも、文章にこもる熱が変わります。特に書き出し、ラストで心をグッとつかむ気持ちで。“いい話”である必要は全然なし!「どんでん返しをやってみてもいいかも(笑)」(やまみ)

ウケたいと思うと、書くのも楽しくなるはず やまみ

\できればこれも/

  • 一文は短くしよう。
  • 文末が「思いました」だけにならないよう、ちょっと意識を。体言止めなど、いろいろ使ってみて。

→リズムのよい、スイスイ読める文章になります!

一文は短いほうが、主語・述語のつながりがわかりやすくてすっきり。語尾は、~と。「(話言葉)」。体言止めなど、いろいろ変えてみて。~ました。が何回も続かないだけで、リズムが出て読みやすい文章になります。

イラスト

LEE100人隊の

読書感想文、これでうまくいきました!

  • 「ドリルの付録についている読書感想文が書きやすくなるシートを活用しました。子どもが本を読み、心が動いたところ(おもしろかったところ、悲しかったところ、怖かったところなど)に付箋をつけ、なぜそう思ったのかインタビューしながらマインドマップのようにどんどん思ったことを書いていき、文章に組み立てました」

No.018 キッキさん 子ども小2

  • 「書き方シートはわかりやすいので、使ってみるといいと思います。感想文に本人の気持ちを盛り込めるよう『このときどんな気持ちだった?』と声をかけ、気持ちの動きを整理しました」

TB humさん 子ども小2

  • 「本当に好きな本にしようと『キャンピングカーのたび』で書きました。好きな本なら伝えたいことがどんどん出てくるようでした」

No.045 CHIHARUさん 子ども小3、小1

  • 「三谷幸喜さんが『その本を読んで自分がどう変わったかを書けばいい』と紹介されていて、ひざを打ちました!」

No.038 さとささん 子ども小1

副編ぷーすけが

最強メソッドで30年ぶりに読書感想文書いてみました!

約30年前、『三国志』で書こうとして(なんでそんな大風呂敷を広げてしまったのか)、どう着地したのか……(たぶん着地できなかった)。そのリベンジなるか!?

選んだ本とその理由

『ぼくのたび』みやこしあきこ

『ぼくのたび』みやこしあきこ

本当に好きな絵本で、主人公との類似点、主人公に共感するポイントがいっぱいあったことと、短いので何度も読み返せることから選びました。


最近、旅行に行けていない。仕事がとても忙しいからだ。仕事はすごくすごくがんばっているけれど、ちょっとでも休もうとすると、こわーい上司がキッ!とにらんでくるのだ。この間は、虎みたいなキバも見えていた。爪もといでいた。そのうち僕を食べようと……いや、この話は今はやめよう。

Point

出だしで「ん?」と引っかかりを作りつつ、自分の紹介も。ここでまずひと笑い欲しいなと。本当はとてもやさしい上司です。本当です。本当ですよ。

子どももふたりいるし、昔のように飛行機や新幹線にパッと乗って、なんていうことはなかなかできなくなった。それがちょっとさびしいなと思っていた。

この本の主人公は、住んでいる街から出たことがない。小さな、趣味のいいホテルを経営していて、そこにはお客さんが途切れずやってくる。いつもとても忙しいのだ。彼はお客さんからいろいろな知らない国の話を聞く。そして、夢の中で旅をする。その姿はとても自由で、気持ちがよさそうだ。

Point

編集やまみの「主人公と自分の類似点を探す」という型を借りました。これは書きやすい! 本の内容はここで少し紹介する程度に。

僕は「TRAVELLING WITHOUT MOVING」というラジオ番組をよく聴いている。番組名は“動かない旅”という意味だ。そうだ、飛行機に乗らなくたって旅ってできるんじゃないか。ジャマイカの音楽をかけるとき、僕はカリブ海にいる。アメリカを横断する映画を見るとき、僕は荒れ地のダイナーでごはんを食べている。『ぼくのたび』を開くとき、僕はこの本の主人公の小さくて居心地のいいホテルでくつろいでいる。僕は家にいるのに、僕をどこかに連れて行ってくれる。それが音楽や映画や本の素敵なところじゃないか。子どもたちが寝た後のほんのちょっとの時間だけれど、僕は自由になれる。本の中のホテルにだって泊まれる。僕はここにいても、どこにだって行けるんだ。

Point

ここがメイン。本を読んでの気づき「ここにいても、どこにでも行ける」、その一点だけを、ふだん感じていることと絡めながら書きました。語尾はいろいろ織り交ぜて、気持ちよく読めるリズムを意識。

でも……北海道のじゃがいも、山形のすき焼き、大阪のホットケーキとミックスジュース、宮崎のチキン南蛮、タイの屋台の麺、アメリカのステーキとコーヒー。その土地で食べるからおいしいものってあるよね。この本の主人公も、いつか大きなかばんを持って、世界中を旅したいと言ってるし。

やっぱり旅行って楽しいよね。

Point

旅に行かなくてもいいっていう話じゃないのかよ!と、ラストはどんでん返しで。やまみさん、いかがでしょうか?

小さな気づきを、背伸びせず、主人公と重ねて書いてみました。これくらい小さな話でいいのでは? Pu-suke

書く前にこんなメモを作りました

これ使おうかなと思ったフレーズ、主人公と自分の類似点、本を読んでの気づき、シメの一言の案などを。

  • 最近、旅行に行けない。忙しいからだ。仕事をすごく頑張らないとこわーい上司がキッとにらんでくるのだ。子どもも2人いると、なんだか身動きが取りづらいものだ。
  • 主人公と自分の類似点
    旅が好き、旅に行きたいと思っている。主人公が経営しているような、小さくて素敵なホテルに泊まるのが好き。仕事が忙しい。
  • TRAVELLING WITHOUT MOVINGの話。
    家にいたって旅はできる。それこそが本や映画や音楽の力。
  • ニューヨークのダイナー、ポートランドのステーキとコーヒー、タイの屋台の麺、前橋のイタリアン、北海道のじゃがいもととうもろこし、ああ、やっぱり行きたいなあ。
    旅行っていいよね。

Staff Credit

撮影/三浦 晴 イラストレーション/とつかみさこ
こちらは2024年LEE8・9月合併号(7/5発売)「今年こそ苦しまない! 読書感想文の書き方」に掲載の記事です。

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