駐妻ライター佐々木はる菜の 海外で見つけた「暮らしのヒント」Vol.19
感動!ウユニ塩湖の旅/プロカメラマンに聞いた写真撮影のコツ、ベストシーズン、高山病などリアルレポ
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佐々木はる菜
2024.03.10
「世界一の絶景」
6回目の南米冒険旅行
憧れの「ウユニ塩湖」へ家族旅行!
いつか見てみたいと昔から憧れていた「ウユニ塩湖」。
見渡す限り広がる「天空の鏡」に空が映し出され、自分の足元から遥かかなたまで、空と地面が一体化したような景色が広がる様子を目の当たりにした時は、感激のあまり言葉を失ってしまいました。
富士山と同じくらいの高地で苦労もあったリアルな家族旅行の様子、有名な写真撮影のコツなど、ウユニで感じてきたことをレポートします!
ウユニ塩湖ってどんな場所?
「天空の鏡」と「塩の大地」2つの顔を持つウユニ塩湖
ウユニ塩湖は南米ボリビアにある世界最大の塩湖で、季節は大きく2つ、雨季と乾季に分かれています。
雨季の1~4月は塩原の表面に水が張って「天空の鏡」と呼ばれる美しい水面が現れ、空や景色が映りこむ幻想的な写真を撮影することができます。
一方乾季は天気が良く、上の写真のような乾いた真っ白な塩の大地が広がります。
世界一大きな平面とされるウユニ塩湖の広さは約1万500~1万2000㎢(諸説あり)で東京都の5倍ほど!遠近感がないため、青空をバックに「トリックアート写真」として人気を集める不思議な写真を撮影することができます。
ベストシーズンは雨季、日本から1万6千人の観光客が!
ベストシーズンは「天空の鏡」が見られる雨季と言われており、ガイドさんによると特に3月末ごろがおすすめなのだとか。まだ水も残っているけれど、雨も少なくなり晴れの日が増えるため、良い条件で写真を撮れる可能性が高いとのことでした。
1~4月は日本からも1万6千人以上が訪れると聞きびっくり!確かに現地でたくさんの日本人に出会い、南米周遊ツアーに参加されている方やバックパッカーなど、若者グループから70代くらいまでさまざま。この旅行中は、私たち家族が南米に来てから1番日本語を聞いた期間となりました。
塩のホテルに感動!ウユニへのアクセスやスケジュールは?
日本からはアメリカなどを経由して3~4回乗り継ぎ、25~35時間かかるのが一般的。現在我が家が住む隣国アルゼンチンからでも3回乗り継ぎが必要でした。
私たちはボリビアの事実上の首都ラ・パスに1泊してからウユニ入りし、現地で2泊しました。
ウユニでは塩湖内や周辺の観光スポットも巡りました。
やはりみんな写真撮影を大きな楽しみとして訪れており、世界中の方々がスマホやカメラを片手にはしゃぎ合い、グループで衣装を揃えたり、ドローンを持ち込んだりと気合の入りようを見ているだけでも楽しかったです。
ウユニで私たちが宿泊したのは塩湖のほとりの小高い丘にある塩のホテル。周りの大自然とホテル内のおしゃれな雰囲気とのギャップも印象的でした。
有名な写真はどう撮るの?
プロカメラマン直伝!ウユニ写真撮影のコツ
今回担当してくださったガイドさんはラッキーなことにプロカメラマンでもあり、私たちだけでは思いつかなかったような素晴らしい写真・動画を撮っていただきました。
SNSなどでも人気のトリックアート写真の裏側は?
巨大な平地を利用するトリックアートを上手に撮影するコツは、レンズの位置を地面ギリギリにすること!そのためカメラよりスマートフォン使用がおすすめで、さらに撮影者は地面に寝っ転がるのがポイントだそうです。
撮影される2人は手前の足を90度に曲げ、片足立ちをしています。
南米旅に慣れてきた我が家も大苦戦!
変化激しい天候、夫の高山病など大変なことも
実は南米に駐在し旅行をたくさん経験されているような方でも、ウユニはいろいろな意味でリスクも大きいから行かないと話す人は少なくありません。
一番懸念されるのが「天気」です。
あの美しい光景は雨季だけ、しかも限られた天候条件の時しか見ることができません。
雨が降らないと水が足りず「鏡張り」の湖ができない。水があっても風が強いと、湖面が波立って綺麗に映り込まない。雨や雲が多すぎると、朝日や夕日、星空が見えない。
想像以上に天気が変化し寒暖差も激しいだけでなく、ウユニ塩湖の標高は約3,700mで富士山と同じくらい。ちょっと動いたり大声を出したりすると息切れします。
私と子どもたちは元気でしたが、高山病になってしまう方も多く、今回は夫が食あたりも重なって滞在中だけでなんとマイナス4kg!
せっかくここまで来たからと、ガイドさんの力も借りながら子どもたちも含めて家族で協力し、なんとか塩湖まで一緒に行き、それなりに写真なども撮影でき一安心。
夫は平地に戻るとすぐ体調も体重も戻りましたが、これまでの南米旅で家族がここまで体調を崩したことはなく、高地ならではの苦労がありました。
ウユニの旅は、なんだか人生に似ている
旅の途中、私もやはり天気ばかり気になり、ちゃんと写真が撮れるかガイドさんに何度も質問しましたし、夜中の雨で星空は見ることができませんでした。
ただ今でも忘れられないのが、ウユニ塩湖を去る前の1時間ほど、青空も出ている中で風がやみ、素晴らしい写真を撮ることができたこと。
家族写真のほか、画面を反転させたりタイムラプス(低速度撮影)を活用したりする動画など、カメラマンのガイドさんの力もあり、自分たちだけでは撮影できなかったような想い出を残すことができました。
塩湖でピクニックランチをして、誕生日を祝ってもらったことも忘れられない想い出です。
帰り際に子どもたちが、ウユニ塩湖を振り返りながら「ウユニ塩湖バイバイ、また絶対来るね~」とずっと語り掛けていた姿は、忘れられません。
たどり着くまでも滞在中も大変なことも多いのに、あの景色を見られるかどうかは、挑戦してみないとわからない。
それでも行ってみたい!と訪れ、夢が叶った時の感動。
一方で思い通りにならないことやハプニングもあるけれど、自分の力だけでは絶対作れないような、素晴らしいタイミングやご縁に恵まれることがある。
「叶わなかったことや大変なことも含めて、目の前で起こる出来事は全て必然なんだな」
圧倒的な大自然を前にそんなふうに実感し、今はあの旅が私たちのベストだったと思っています。
旅から帰った後、我が家は今大きな挑戦の中にいます(その話はまた別の機会に!)。
不安や大変なこともありますが、そんな時に思い出すようにしているのが「自分たちに起こることは全てベストなタイミングで必然」というウユニで得た感覚です。
これからも、自分を信じて心が強く動かされたことには思い切って挑戦し、その結果あらわれた目の前の出来事にひとつひとつ、家族とも力を合わせながら大切に向き合っていきたい。
そんな考えの背中を押してもらったように感じています。
行って本当に良かったという想いと共に、「ウユニの旅ってなんだか人生みたいだな」なんて振り返っている、今日この頃です。
佐々木はる菜 Halna Sasaki
ライター
1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い、ブラジル生活8か月を経て現在は家族でアルゼンチン在住。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。
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