埼玉をディスリまくった話題作『翔んで埼玉』の続編に出演することが話題となっている杏さん。滋賀県のために闘う容姿端麗な“滋賀のオスカル”こと桔梗魁（ききょうかい）を演じ、振り切った演技で笑いと感動を呼んでいます。仕事に、プライベートに、チャレンジをし続ける杏さんの「今」を伺いました。

PROFILE

1986年、東京都生まれ。2001年にモデルデビューし、ニューヨークやパリ、東京などのプレタポルテコレクションで活躍。2007年に女優デビュー。近年では映画『キングダム 運命の炎』『私たちの声』やドラマ『競争の番人』などに多数出演。現在は日本とパリの二拠点生活を送る。

Instagram：annewatanabe_official
公式サイト：https://topcoat.co.jp/anne

琵琶湖に魂を捧げるつもりで、滋賀のオスカルを演じました！（笑）

Anne

自虐ネタ、小ネタが満載。ギリギリを攻めています

「かっこいい～!!」と、スタッフから思わずため息が漏れるほど、颯爽とした雰囲気でカメラに向かう杏さん。隙のない完璧ボディに加え、あふれる知性やしなやかさはみんなの憧れです。そんな杏さんが、なんと11月公開の映画『翔んで埼玉 ～琵琶湖より愛をこめて～』に出演。そう、あの大ヒット作『翔んで埼玉』の続編です!!　「前作や原作の漫画は知っていたので、オファーをいただいたときは、続編に出られるんだという感動がありました」と杏さん。演じたのは滋賀解放戦線のリーダーで、“滋賀のオスカル”と呼ばれる桔梗魁。初の男性役に挑みました。

「もともと滋賀にはかかわりがなかったので私がこの役を演じていいのかなと思ったのですが、滋賀に関する本を読んだりして、滋賀が他県民から切ない扱いを受けていることも知りました。琵琶湖に心を捧げるつもりで演じたので、滋賀県の皆さんに受け入れていただけるとうれしいです（笑）」

マスキュリンな立ち居振る舞いや、お国のために闘う姿は凛々しくて、共演のGACKTさんと並ぶと、なんともゴージャス。一方、前作同様、エッジのきいた自虐ネタや小ネタも満載。見れば見るほど、おかしみが込み上げてきます。

「今の時代、コンプライアンスが厳しくて、映画の表現もどんどんマイルドになる中、この作品はギリギリのラインを攻めていて、それでいて誰も傷つけていない。すごいなと思いますね。出演者も、笑わせようというのではなくて、クライマックスの場面ではみんな、泣きながら真剣に演じていたりして。まじめにやるほどそれが彩りになって、作品のおもしろさになっていくんだなと感じました」

そんな中、個性豊かな他のキャラクターたちに負けない存在感を放つ杏さん。新鮮な魅力がはじけるこの作品、見逃せません！

YouTubeを始めて、私自身、楽になりました

プライベートでは、昨年から日本とパリの二拠点生活を送っている。その暮らしぶりを配信したYouTubeも大人気です。

「以前の私は、完璧主義で、近寄りがたい人間だと思われていたんですね。毎日、オーガニックのハーブティーしか飲まないような（笑）。でも、本当の自分はもっとアバウトで、部屋もちらかってるし……料理も好きだけれど、けっこう適当だよと。配信を始めてそういう部分も皆さんに知ってもらえて、自分自身すごく楽になりました」

それと同時に「撮影することで、今の生活を残しておきたい」という思いがあるようです。

「私が料理しているところ、犬と遊ぶ様子、パリの家の雰囲気など、“今”をそのまま、アーカイブとして、子どもたちに残しておいてあげられるんじゃないかなと」

新しいことにチャレンジするには勇気も体力も必要ですが、好奇心を大事にしたいと考えています。

「いろいろな歴史本を読んでいると、人生なんていつ終わるかわからないなって。だから人に迷惑をかけない範囲でやりたいことは実現したいし、言いたいことは発言したいと思うようになりました」

とはいえ、3人の子どもたちの母でもあり普段の生活は超多忙。今回も夏休み中とあって、子どもたちと一緒に帰国しました。

「朝はみんなのごはんを作って出てきて、仕事が終わったら、すぐ直帰して――という感じ。ジムやエステに行く時間は皆無です。夜は夜で力尽きて、畳の上で漫画読みながら寝ちゃったりして（笑）。でも、同じような境遇のお母さんたちにこそ、この映画をおすすめしたいですね。実は、子どもと一緒に試写を観たんですが、『かっこいい!!』って、子どもたちもすごく楽しんでいました。いい大人が真剣におかしなことをやっているというのは、子どもにも通じるようです（笑）。ぜひ、家族で楽しんでもらいたいです」

原作／魔夜峰央　監督／武内英樹
出演／GACKT、二階堂ふみ、杏、片岡愛之助ほか
関西圏でも存在する“通行手形制度”を撤廃するために闘う滋賀解放戦線のリーダー・桔梗魁（杏）。埼玉解放戦線を率いる麻実麗（GACKT）と出会い、恐るべき大阪の陰謀に立ち向かう。それはやがて日本全土を巻き込む東西対決へと展開していく。（11月23日公開）