相貌心理学スペシャリスト・佐藤ブゾン貴子さんの顔診断
顔を見れば「あなたの自己肯定感が低い理由」「そんなあなたを変える方法」がわかる
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佐藤ブゾン貴子
2023.09.13
「相貌(そうぼう)心理学」とは、フランス発祥の「顔」からパーソナリティーがわかる心理学。輪郭・パーツ・肉付き・左右の非対称・顔のゾーン等を分析し、相手および自分自身を理解するアプローチです。世界で16人、日本人初の相貌心理学スペシャリスト・佐藤ブゾン貴子さんが相談者の「顔」を分析し、解決に向けたアドバイスと前進する勇気をくれる連載です。今月は「自己肯定感の低さ」にまつわる諸々のお悩みを、ブゾン先生がズバリ解決します! 今回の相談者はLEE100人隊のえりっくさん(隊員番号003)です。
とにかく卑屈になってしまい「どうせ私なんか」と思ってしまう
えりっくさん(以下えりっく):とにかく卑屈になってしまい、「どうせ私なんか」と思ってしまいます。資格の勉強をしていた時も「こんなに必死こいてる姿見せて、受からなかったらバカにされる」という被害妄想から変にコソコソしてしまい……これは自己肯定感の低さというよりも、自意識過剰なのかもしれませんが、堂々とやりたい事をやりたいと言えるようになりたいし、それに向けて頑張れるようになりたいです。学歴に対するコンプレックスも強く、勉強ができない、ものを知らない、馬鹿だと思われることに恐怖のような感情を抱くときもあります。このような感情も克服できるものでしょうか? 第2子出産までは働いていたのですが、第2子出産後に実家に戻り専業主婦になり、今に至ります。そろそろ働きたい、家業を手伝いたいなとひっそり思っています。ただ、ここでも卑屈な気持ちと親への反抗心が邪魔して、なかなか言い出せずにいます。夫は先に家業を手伝っていることもあって、充てにされなかった悔しい気持ちも少しあり、気持ちが落ち着くまではあまり家業にこだわらず、職探しをしたほうがいいのでしょうか?
佐藤ブゾン貴子さん(以下ブゾン):大前提として、自分と他人を比べるのは当たり前のこと。比べるものがないと、自分の立ち位置や価値観がわからないし。自分はどのポジションにいるのか、上か下か真ん中か、それを知るため、他人と比べる作業をします。えりっくさんの問題点は、自分の短所やコンプレックスだけを基準にして、人と自分を比べていること。長所に全く目を向けてない。
えりっく:どうしても自分が持っていないものにこだわってしまうんです。しかもその傾向が年々強くなってしまって……。
ブゾン:えりっくさんは感情ゾーン拡張タイプで、横顔を見ると耳を境に前後の割合が1:1で、想像力が豊かであることもわかります。持ち前の想像力を活かして楽しく「言葉遊び」感覚で言い換えをしてみてください、でないとフラストレーションが溜まってしまうので。人は誰でも変われます。でもその方法は人によって千差万別だし、時間もかかります。大事なのは「変わりたい」という向上心。「変わりたい」という思いが理想を刺激して、行動を起こさせます。鼻先がぴょんと落ちている、いわゆる「安パイを踏む鼻」で、チャレンジを恐れ安全な道を選びがちな傾向が表れています。理想の実現のためには、一歩ずつでもいいので、チャレンジしてみること。チャレンジしない限り、理想に到達できません。
「家族に充てにされてない」それは妄想、非現実です
ブゾン:えりっくさんは頬骨が張っていて社会に出て成功したい欲求が強いこと、横顔を見ると目頭から下ろした基準線よりも顎先が出ていて自らの力だけで野心を実現できることがわかります。ただ、横顔のシルエットが起伏に富んでいて、感情の浮き沈みが激しい傾向も表れています。感情の動向が不安定な中、何かを成し遂げたいにもかかわらず、安パイを選んでしまう。アクセルとブレーキを同時に踏んでいるようなもので、身動きが取れずストレスが溜まって爆発してしまいます。今のえりっくさんは理想と現実、現実と非現実が頭の中でぐちゃぐちゃ。何が現実で、何が非現実なのか、整理が必要です。頭の中に思い浮かんだことを全て書き出して、目に見える「現実」に落とし込みましょう。家業について「家族に充てにされてなかったら……」と仰ってましたけど、本当に充てにされていないのかどうか、わかりませんよね? それはえりっくさんの妄想、非現実です。勝手に妄想に囚われて頭の中で完結させて、現実の一歩を踏み出せずにいるんです。
えりっく:仰る通り、いつも「こう言ったら、こんな酷いことを言われそう」等、最悪の事態を想定して、なんとなくチャレンジできずじまいでした。受験で失敗したことがきっかけで、その後も就職活動等、人生のターニングポイントではいつも悪い想像ばかり働かせてて「最悪の事態を避けるためにはどうすればいいのか」ということばかり考え、行動するクセがついていたのかもしれません。
ブゾン:でもそれって「危機管理能力が高い」とも捉えることができますよ。安パイを選ぶクセを、自分ではなく社会に向ければ、大きな力になり得ます。例えば企業で危機管理のスペシャリストとして働く、とか。今、えりっくさんは「自分に自信なんて持てない」「ダメダメ人間だからどうせ上手くいきっこないし」というネガティブ思考で自分を固めてしまって、そこで完結してしまっています。そうではなく「私って危機管理能力が高い」と、ポジティブに変換してください。そうすることで危機管理能力を「もっと活用しよう」という向上心が芽生え、モチベーションアップに繋がります。周囲から「備えあれば憂いなしで、すごく危機管理能力が高いよね」「人の伸びしろを見つけるの、上手だよね」といった反応を得ることで、「自分ではダメだと思ってたことが、人の役に立つんだ!」と自己肯定感もアップします。
好きじゃないことは選ばなくてOK
えりっく:これまで周囲の人にはすごく恵まれてきた、運が良かった、という自覚があります。それこそ私の短所を「あなたのそういうところが良いところだよ」と長所として捉えて、褒めてくれる人が結構たくさんいて。にもかかわらず、それらの好意を素直に受け止めることができなかった。お話しを聞きながら、自分で勝手にストーリーを作ってたんだな、と気づきました。万一、人間関係が悪化したときを想定して、安パイを踏んでいたんです。でもそれって、相手のことを信用してなかった、ってことなのかも。自分のことでいっぱいいっぱいで、人に目を向ける余裕が無かったのかもしれません。
ブゾン:大丈夫。みんな生きるのに一生懸命だし、自分優先になるのも当たり前のことですから、そこでまた自分を責めないでください。当時のえりっくさんにとっては、最悪の事態を想定して安パイを踏んでたどり着いたのが「安住の地」だったんです。安パイを踏むことでそれ以上危険がない、自分を貶めるものがない状態になった、安住の地。でもそこの居心地が悪くなってきた。じゃあどうする?というのが今日のお題ですよね。今のえりっくさんは、皆の役に立ちたい、社会的に成功したい、それによって自己肯定感を上げたいんですよね? であれば、持ち前の危機管理能力を人のため、社会のために使って、社会的成功を目指しましょう。まずやってほしいことは、ネガティブな言葉をポジティブに言い換える「言葉遊び」。物事や人の特性は、環境や受け止める相手によって捉え方が変わります。例えば「あの人、頑固で融通が利かないよね」という特性も、「意思が強い」と、ポジティブに変換することができます。えりっくさんが「私って、すぐ人と比べてしまう」と短所と捉えている特性も、「相手の良い所に目が向くからこそ比べてしまう」→「私は相手の長所にフォーカスするのが上手」という長所にもなり得ます。えりっくさんがポジティブな言葉を口にすることで、周囲のえりっくさんに対する反応も変わってきますから。
えりっく:そう……なんですかね?
ブゾン:「そうなんですかね?」って、まだやってないからわからないですよね(笑)、それもまた勝手な妄想です。妄想の中で全部完結させて、怖がってそこから出ない、といういつもの行動パターン。そして、物事を選択するときも、ちゃんと書き出すこと。想像力豊かで好奇心旺盛なえりっくさんは「あ、これもいいかも」「あれもいいかも」と意識が散漫になりがちなので、頭の中で完結させるのはダメ。これまで30数年間、頭の中だけで完結させてきた結果、現実と非現実がごっちゃになってしまっていますからね。物事を選択するとき、答えを出さなければならないときも、必ず書き出すことを習慣にしましょう。非現実を消していって、残った現実の中から、まずは自分にとってメリットが多いものを選択していく。そしてもう一つの選択基準は、好きか嫌いか。好きじゃないことはやらなくてOKです。感情ゾーン拡張タイプのえりっくさんは、好きじゃないことは長続きしませんから。好きなこと/嫌いなこと、やりたいこと/やりたくないこと、メリット/デメリットをきっちり書き出して、不要なものは消していくことで、自分にとって最良の選択ができるようになります。
「変わりたい」と思えば、必ず変われる
えりっく:なるほど! これまで何かを始めたいと思っても「あれもしたい」「これもしたい」とやりたいことがいっぱいあって、途中で訳がわからなくなって「これはもう、私にはちょっと難しいな……」と謎の完結方法を選んでしまい、結局何もせずに終わってしまうことが結構多くて。その満たされない思いをまた、別の新しいことで埋めようとするけど、また同じようなパターンで「何も始められない」というフラストレーションが蓄積されていく……「私って何もできないままなんだ」というネガティブな意識が勝ってしまい、負のスパイラルに入る、の繰り返しでした。ちゃんと書き出して、それを目で見ることって大切ですね。これはもう、今日から意識してやります。
ブゾン:簡単なようで、なかなかできないと思うけど、でも意識的に毎日の習慣にしていけば確実に変わりますから。断言します。「変わりたい」と思う自分がいれば、行動することが自分への刺激になって、モチベーションアップにも繋がります。始めのうちは意識的に、そのうち無意識までに落とし込めば紙とペンを使って書き出さなくても、自然とポジティブ変換も、現実と非現実の見極めもできるようになりますし、行動もおのずとポジティブになっていきますから。
えりっく:わかりました、やります。家業を手伝うにあたり、人事や採用の仕事をやってみたいと思っているんですけど、実践経験が全くないので、キャリアアドバイザーなどの資格取得のためにビジネススクールに通うことも検討しました。資格を取らないと認めてもらえないんじゃないか、と思って。親に「これまで何もやってこなかったのに、そんなことできるのか?」と言われたときに、「でも勉強したし、資格も取ったから」と言い返せるように。でも、今回セッションを受けて、それも私の勝手な妄想、非現実だと気づきました。勝手に妄想して、事態を重く捉えて、足枷を作って大ごとにしてたんだな、と(笑)。
「運の良さ」はその人の努力のたまもの
ブゾン:それだけ危機管理能力が高いんだから、スクールなんかに通わないで、実践で鍛えていくほうが合ってると思います。座学ももちろん大事ですけど、学校に入らなくても学べることはたくさんあります。実際、人と人とのコミュニケーションはなかなか教科書通りにはいかないですからね。これからまだまだ飛躍できますよ。現実との接地点があることを確認しながら、前に踏み出してください。着実な一歩を重ねていけば、必ず自分が望む未来に辿り着けますから。
えりっく:そうですね、飛躍したいです……! 自分でも座学は向いてなくて、実践のほうが身につくタイプだと薄々わかってはいたんですけど、「35過ぎて失敗して、それを許してくれるような会社なんてあるの? だったらせめて資格取得して箔をつけないと、なかなか難しいんじゃないか」といった非現実を妄想してしまって。私はこれまで周囲に恵まれてきて、運だけは強かったので、今度は自分が人を助ける側に回りたいし、これまで受け取ってきたものを世の中に還元したいと思います。目的地までの地図をもらえたような気持ちです。勇気ももらえました、ありがとうございます!
ブゾン:よかったです。社会的成功欲求が強いえりっくさんは家庭に収まってるのは合わないから、外に出て仕事をしたほうがいいですよ。運が良いのは素晴らしいこと。でもね、忘れないでほしいのは、「運の良さ」はその人が築き上げてきたもの、つまりはえりっくさんの努力のたまもの、ということ。今までそれだけ頑張ってきたんだから、きっと大丈夫。頑張ってください、応援しています!
えりっくさんのセッションアフタートーク
まずは、セッションを受けて少し前向きになれました。自分の思ったことを書き出し、頭の中を整理していくとよい、とお話頂いたので、セッション後は、考えたこと、思いついたことをとにかくその場で書き出すことを意識して過ごしました。嫌な気持ちが浮かぶとそれを書き、これは現実に起こったことなのか被害妄想なのか、言葉を「見る」ことで客観的になれ、冷静になる事ができました。今まで自分で自分をがんじがらめにしていたんだと実感しています。この習慣は今後も続けていきます。そして、人は変わりたいと思えば変えられる、という言葉に、行動する勇気をもらえました。泣いてばかりのセッションでしたが、力をたくさん頂けた1時間だったように感じています。
佐藤ブゾン貴子さんがBOUZON LABOをオープン!
佐藤ブゾン貴子さんが相貌心理学研究室「BOUZON LABO」をオープンしました! 相貌心理学を用いた相談室と相貌心理学の入門知識や資格取得のために学べるスクールを併設しています。詳しくは以下のリンクをご参照ください! https://soubousinrigaku201.wixsite.com/bouzon-labo
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Staff Credit
撮影/山崎ユミ イラスト/つぼゆり 取材・文/露木桃子
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相貌心理学スペシャリスト
相貌心理学スペシャリスト、1975年生まれ。アパレルの勉強のため渡ったフランスで相貌心理学に出会い、世界で16人、日本人初となる相貌心理学教授資格を取得する。帰国後は相貌心理学の顔分析を用いてセミナー、講演、メディア出演など、多角的に活躍。近著には『あなたの顔には99%理由がある』(河出書房新社)『ビジネスは顔が9割』(祥伝社)がある。問い合わせはhttp://a-cura.net/bouzon/まで。
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