産婦人科医の宋美玄さんのポッドキャスト番組「聴く婦人科診察室」は、宋さんとLEEweb編集長・畑江が婦人科系疾患、生理、セックスレス、更年期、女性を取り巻く社会問題などなど、女性の心身の健康について時に赤裸々に、時に為になるトークを繰り広げます。毎週月曜日18時更新です。今月は祝・100回突破記念として、リスナーの皆様から寄せられた婦人科系のお悩みに宋さんがお答えします! 今週は「膣ケア・おりもの」についてのご質問やお悩みを取り上げます。
宋美玄さんの「聴く婦人科診察室」#104
今週のよりぬき
- ①「卵巣嚢腫の手術後膣ケアに注力しており、おりものシートを使っています。ネットなどで調べたところおりものシートは1日3回程度交換するのが良いと書かれていますが果たして本当でしょうか? また、2枚重ねタイプのシートを使うのは問題ないでしょうか?」とのメール
- 「『おりものシート』って商品名なんですよね。そして『おりもの』って、織り姫が織物織ってるみたいな五感ですけど、医学用語では『帯下』と言います。最近は『茶おり』(茶色いおりもの)など勝手に略して呼ぶ方もいます」と宋さん
- おりものは一般的にホルモン分泌量が多い若いうちは多く、加齢とともに減る
- 「閉経後に久々におりものが出て、びっくりして受診される方もいますけど、閉経後でもたまに出ることはあります」と宋さん
- 「ものすごくちゃんとケアされてるようなので、特に気にしなくていいと思います。おりものシートがひたひたのときは替えたほうがいいし、半日ぐらい替えなくてもOK。2枚重ねタイプも全然問題無いです」と宋さん
- ②「28歳女性、ウオーキング時のおりものについて。40分のウォーキング時に、下着を通り越すぐらいかなりおりものが出ます。排卵時とも関係なさそうです。出産未経験、妊娠もしておらず、標準体重より少なめ。番組はウォーキングのお供に聴いてます!」プッチンプリンさんよりメール
- 「女性ホルモンの分泌が盛んな年齢なので、一般的におりものも多いお年頃です。排卵前後は量が増えることもあります。下着を通り越すぐらいのおりものとのことですが、思い返せば私もそうだった気が。おりものシート使っては?」と宋さん
- 「でも、おりものの増加→病気が隠れている可能性が全く無いわけでもありません。クラミジアなど性感染症や膣炎でもおりものが増えることもあるので、気になるようなら婦人科で検査、洗浄などしてみては。特にクラミジアは無症状で診察で見つかる方が多いので。だからといっておりものが多いことが、必ず『異常あり』というわけでもありませんが」と宋さん
- ③「Spotifyで聴いてます。疲れるとカンジタになってしまいます、大体年に5、6回。生理前が多いです。あまりにも頻度が多いので病院で「中まで洗ってない?」と聞かれたけど、そもそも『中っ』てどこを指すのでしょうか? 番組を聴いてからはデリケートゾーンを専用ソープで洗ってます。6歳娘もかゆがり、一緒に受診しカンジタ用軟膏薬を塗っています」とのメール
- 「デリケートゾーン専用ソープで前から後ろへ、ひだに沿って縦に、ひだをなぞるように洗いましょう。ひだの間も洗ってOK。処女膜の奥は洗わないでください、常在菌・乳酸菌がいなくなり、悪い菌に置き換わってしまうので」と宋さん
- 「お子さんの場合も同様に洗ってください。娘さんは6歳なら自分で洗ってOK。2、3歳ぐらいから自分で、溝に沿ってお尻まで洗うよう教えてあげるのが良いでしょう。しっかりM字開脚して洗うと洗い残しが少ないです」と宋さん
- 「それでもお子さんはお股を痒がるもの。カンジタ用軟膏薬を塗っているとのことですが、軟膏のワセリン成分が保護になるので、今後も痒がったら時々塗ってあげると良いでしょう」と宋さん
- 「カンジタは人から人に感染するものでもないし、誰でもなる病気。再発予防のための飲む薬もあるので、病院で相談してみるのも手です」と宋さん
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イラスト/小迎裕美子
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宋 美玄 Song Mihyon
産婦人科医
セックスや女性の性などについて、女医の立場からの積極的な啓蒙活動を行う。メディア出演や著書多数。'17年、丸の内の森レディースクリニックを開業。https://www.moricli.jp/
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