気候変動やごみ問題など、普通に生活しているだけでも、地球温暖化問題や持続可能な社会について考える機会が増えました。私たちの日常に欠かせない自動車も、環境に配慮した車種が各社から登場しています。そこで今回は、みなさんがまだあまり乗ったことがないであろう、CO2排出ゼロのフル電気自動車、フォルクスワーゲン「ID.4」の試乗会に参加。2日間で300km近く走ってきました!場所は、2050年までに電力自給率100%を目指すなど、サステナブルアイランドとしても話題の淡路島(兵庫県)。おすすめの立ち寄りスポットも紹介します。
淡路島旅の相棒はCO2排出ゼロのEV(電気自動車)「ID.4」
フォルクスワーゲンは、世界有数の自動車メーカーの中でパリ協定(2020年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組み)に初めてコミットしたグループ企業。遅くとも2050年までにカーボンニュートラルな企業になることを目指しています。日本での取り組みの第一歩が、今回試乗したCO2排出ゼロの「ID.4」なのです。
新神戸駅で「ID.4」に乗り込み、1泊2日のドライブ旅行がスタート。
まず驚いたのは、キーを持って運転席に乗り込むと、シートがドライバーを検知して自動で起動すること。鍵穴はもちろん、最近の車では一般的なスタートボタンも操作不要。運転モードの切り替えは、正面の右上にある「ドライブモードセレクター」を操作します。前に回せばドライブ、後ろに回すとリバースと、右手で動かせるんです。シフトレバーが無いので、センターコンソールがフラットになり、運転席と助手席の間がすっきりとしています。
純正ナビゲーションは付属していないため、スマホの地図アプリでルートを設定。スマホの充電時に使っているケーブルと車をつなげば、タッチディスプレイに地図や案内が表示されます。スマホの地図アプリの方が見慣れている人も多いでしょうから、これは納得の使い方。随所に近未来を感じられる内装・装備で、走る前からワクワクします。
ペダル操作が加減速に直結する気持ちよさは新たな発見
明石海峡大橋を渡りながら考えました。そもそも「EV(電気自動車)」は、電気のみを使って走る車だけを指す訳ではないことを、読者のみなさんにお伝えせねばと!
電気と他の何かを組み合わせて走る方式でもEVと言い、大きく4種類に分かれています。
1.電動自動車(バッテリー式):ガソリンを使わず電気のみで走る
2.ハイブリッド自動車:ガソリンで動くモーターと電気で動くモーターの両方で走る
3.プラグインハイブリッド自動車:ハイブリッドと動力は同じで外部電源が利用可能
4.燃料電池自動車:燃料電池が搭載されていて水素を燃料とする
「ID.4」は1の電気自動車です。2~4の車と違い、アクセルペダルを踏んだときの動力の伝わり方が違うと言いますか、タイムラグを感じることなく滑らかに加速します。ブレーキもペダルも踏んだだけ効きます。ガクッとならずに、じわりと滑らかに減速するのが運転していて気持ちよく、面白さを感じました。
乗車定員は5名。電気モーターとトランスミッション(変速機)を後ろに配置したことで、室内空間を広く取れています。足元はフラット。走行中は意外と静かです。後部座席の位置がやや高く設定されていて、前の席とも会話がしやすくなっています。パノラマガラスルーフはUVカット機能付き。後部座席のアレンジで大人2人が寝転べるぐらいのスペースも余裕で確保できます。
まるで空中に浮いた気分!?「禅房 靖寧」自然の中で”禅リトリート”を体験
新神戸駅から高速道を走ること約40分で、最初の目的地「禅房 靖寧(せいねい)」に到着。東経135度の位置にあり、淡路島の大自然に360度囲まれた中で禅体験ができる場所です。建物の約8割に木材が使用されており、建物に入ると木のいい香りが漂います。今回は瞑想・ヨガを短時間行う日帰りプランのショートバージョンを体験しました。
瞑想・ヨガをする場所は、屋根はあるけれど囲いのないオープンエアーのウッドデッキ。目を閉じて、鳥のさえずりや木々が揺れる音に耳を澄まし、空中にいる気分になりながら、心を無にして落ち着かせます。インストラクターの呼び掛けに合わせて呼吸をととのえて瞑想をしたり、簡単なヨガポーズで運転後の身体をほぐしました。その後はランチタイムです。
精進料理をベースにした、色とりどりのメニューが並ぶ「禅坊料理」。動物性の食材、小麦粉、砂糖、油を使わずに、伝統的な製法で作られた調味料を使用しているそう。季節の野菜を多く取り入れ、淡路島の鮎原米と蒟蒻米をブレンドした「山の芽吹きバラちらし 竹包み」は、右から左にかけて味が濃くなっていく仕立てになっています。どれも趣向を凝らした、目にも口にもうれしい禅坊料理でした。
禅房 靖寧(せいねい)
住所:〒656-2301 兵庫県淡路市楠本字場中2594-5
TEL:0799-70-9087
「禅房 靖寧(せいねい)」
「道の駅 あわじ」で迫力の景色とご当地土産をゲット
ドライブルートに出てくるとつい寄ってしまう道の駅。淡路島にもありますよ!道の駅って、その土地ならではの何かに出会えるからワクワクしますね。間近で明石海峡大橋を眺められると知り、「道の駅 あわじ」へ行ってみました。大きな橋のたもとから海へ目を向けると、迫力満点の景色が広がっていました。
淡路島と言えば、玉ねぎや海産物系が有名ですね。「道の駅 あわじ」では、小分けの「たまねぎスープ」、ご飯のおともになりそうな佃煮「ごまひじき」や「生わかめ佃煮」(どれも絶品!)、子どもたちのお弁当に使えそうな「炊き込みわかめ」もお土産に。道の駅や高速のパーキングエリアって、駐車ラインが斜めに引いてあったり、いつもの車庫入れと勝手が違うこともありますよね。でも「ID.4」の高画質なバックモニターを見ながら車庫入れできたので、とても停めやすかったです。
道の駅 あわじ
住所:兵庫県淡路市岩屋1873−1
道の駅 あわじ
まだまだあります!淡路島おすすめスポット
全室オーシャンビューの「KAMOME SLOW HOTEL」
夕日が沈みかけたころにチェックインしたのは、西海岸に面して建つ「KAMOME SLOW HOTEL」。全16室すべての部屋が瀬戸内海に面したオーシャンビュー!そして海外にいるのかと錯覚するほど、外観・内装・インテリア、何から何までため息が出るほどオシャレ。波の音をBGMに、時間を気にせずのんびりとホテルで過ごしたくなります。
ちなみに、1日目の運転を終えた時点でのID.4の充電残量は約78%でした。島の北から南まで何か所も行ったわりには、思ったほど減っていませんでした。
チェックイン時に提供されるウェルカムドリンクは種類が多く、アルコールも選べます。宿泊した2階のスーペリアルームは、ソファベッドを使えば最大3名泊まれる広さ。ロビーに置かれた雑誌やレコードを部屋に持ち込み、楽しむのもいいですね。コーヒーメーカーはilly、ドライヤーはSALONIAだったりと、アメニティまわりも充実しています。「この部屋が自宅だったらどんなに素敵だろう!」と思うほど居心地のよい空間でした。
朝食はO&B(Oceanfront&Breakfast)スタイル。宿泊客のみが楽しめる地産地消メニューが並びます。朝食は食べる場所(部屋or1階のテラス)を指定して、バスケットに入った朝食を受け取ります。メニューは、スープジャーに入った淡路島玉ねぎスープや、新鮮な野菜のジャーサラダ、もっちり食感の湯種パン、牛乳・ヨーグルトなど。朝食だけで淡路島のおいしいものを何品も味わえて大満足。穏やかで美しい海と青く広い空を眺め、後ろ髪を引かれながらチェックアウトしました。
KAMOME SLOW HOTEL
住所: 兵庫県淡路市郡家字大谷北1111
TEL: 0799-85-1900
KAMOME SLOW HOTEL
巨大玉ねぎオブジェは一見の価値あり!
「うずの丘 大鳴門橋記念館」
島の最南端に近い南あわじ市にあるこちらは、淡路島や鳴門海峡に関連したお土産が売られていたり、鳴門海峡の絶景を楽しめる場所。でもそれと同じぐらい有名なのは、ズバリ「玉ねぎ」!玉ねぎ好きなら必ずテンションが上がる、あるモノが置いてあるのです。
#おっ玉葱 というハッシュタグでSNSでも見かける「巨大玉ねぎオブジェ」を見に来ました。その大きさは、高さ2.8m、直径2.5m、重さ約250kgだそう。近くで見ると大迫力、本当に大きい(笑)。館内には、レストランや品ぞろえの豊富な土産物店、渦潮の仕組みを視覚的に学べる「うずしお科学館」もあります。写真にある「たまねぎキャッチャー」は、たまねぎ1個ゲットにつき淡路島産の『潮風たまねぎ1.5kg』(時期によりキロ数に変動あり)と交換できるとあって、行列ができていました。
うずの丘 大鳴門橋記念館
住所:兵庫県南あわじ市福良丙936−3
うずの丘 大鳴門橋記念館
ドライブに欠かせないコーヒーは
「TAKAMURA COFFEE ROASTERS FACTORY AND CAFE」で
大阪・西区にあるワインとコーヒーの専門店が、ファクトリー&ストアとして2022年4月に出店。駐車場はかなり広く、大きな車で来ても大丈夫。店内にはワインやコーヒーの器具、ちょっとした食品も扱っていて見ると気になるものばかり。2階がイートインエリアで、外に出られるテラスもあります。
ドーナツはシュガー、ココナッツ、レモン、黒糖きなこの4種類を選びました。モチふわな食感で、それぞれがコーヒーにぴったりの味。淡路島牛乳のソフトクリーム、ジュースもあるので、子ども連れでものんびりとコーヒータイムを楽しめます。
TAKAMURA COFFEE ROASTERS FACTORY AND CAFE
住所:兵庫県淡路市生穂新島5番8
電話:0799-64-0281
TAKAMURA COFFEE ROASTERS FACTORY AND CAFE
見知らぬ土地で約300km、「ID.4」で快適にドライブできた理由とは?
運転に慣れているとはいえ、初めての土地で最初は気をつかいました。でもわりとすぐにリラックスして・・・。2日間に渡って長時間、高速道などで長距離運転をしても、思ったほど疲れず快適にドライブできたのは、あの機能があったから。そう、ドライバーにとって安心材料にもなる運転支援機能です。
「ID.4」の運転支援システム“Travel Assist”は、時速約160kmまでの速度域で、アクセル、ブレーキ、ハンドル操作をアシスト。あらかじめ設定した車速内で、前を走る車との車間および走行レーンの維持をサポートしてくれます。ステアリング(ハンドル)を軽く握っているだけで作動するのも楽なポイント。(※作動速度 0~約160km/h ※Proに標準装備)
注目したい安全安心な機能は他にも!
・プリクラッシュブレーキ機能“Front Assist”
前方車や歩行者、自転車に乗っている人を検知して、衝突被害軽減をサポートする機能。(※作動速度 約5km/h以上)
・緊急時停車支援システム“Emergency Assist”
ドライバーが意識を失うなど、万が一の事態が発生して運転操作が再開されない場合、ハザードランプで周囲のへ注意喚起をしながら、同一車線内車を減速させ、最終的に停車させる。(※Proに標準装備)
LEEクルマ女子部員的まとめ
フォルクスワーゲン「ID.4」は乗る人にも環境にもやさしく、路面をしっかり捉えて力強い走りも楽しめる。でも全体的に過度じゃない。気になる充電関係も、試乗したProの場合、航続距離618km(一充電走行可能距離)と十分な性能。あらゆる面でよく考えられている車でした。
また、淡路島は高速道が島内を横断しているので、地図上では少し遠いかなと思う距離、例えば島の最北エリアから最南エリアまで40分ほどで行くことができて、ドライブしやすい島。動物がいるファームパークや由緒正しい神社、太陽光パネルや風力発電所もあります。美しい自然と共存する風景が広がっていて、どの世代が訪れても楽しみが見つかる、最高なエリアです。「ID.4」とあわせて、ぜひチェックしてください!
【今回試乗した車はこちら】
メーカー:フォルクスワーゲン
車種・グレード:ID.4 Pro
ボディカラー:ストーンウォッシュドブルーメタリック
車両本体価格(消費税10%込):¥6,488,000~
フォルクスワーゲン ID.4 公式サイト
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石川晴美 Harumi Ishikawa
ライター・消費生活アドバイザー
1975年生まれ、湘南在住。自動車業界、消費者センター勤務を経て、ライフスタイル誌ライターに転身。主婦のお悩み解決記事を数々執筆。日々の癒しは、カフェ巡りとアジアドラマとK-POP。