宋美玄さんが産婦人科医目線で「内診台」について解説します【聴く婦人科診察室＃89】

宋美玄

2023.03.13

音声

産婦人科医の宋美玄さんのポッドキャスト番組「聴く婦人科診察室」。宋さんとLEEweb編集長・畑江が婦人科系疾患、生理、セックスレス、更年期、女性を取り巻く社会問題などなど、女性の心身の健康について時に赤裸々に、時に為になるトークを繰り広げます。毎週月曜日18時更新です。今回のお題は「内診台」。性教育YouTuberを名乗る男性の内診台にまつわるツイートが炎上。内診台のメーカーが講義文を発表し、宋さんも意見を表明しました。どうしてもナーバスになりがちな内診台について、宋さんが産婦人科医視点で語ります。

宋美玄さんの「聴く婦人科診察室」#89
今週のよりぬき

「発売中のLEE4月号では『男の子ママがぶつかる性教育の御悩み相談室』という特集を組んでいますが、あらためて、異性への性教育については自分の体験がない分、とても慎重にしなくてはならないと思いました」と畑江
「性器を診察されるのが嫌」「あの台に乗って自動的に足が開かれるのが嫌」など、内診台を敬遠する声が多い現状
「よく、海外から来た医師が『内診台なんてない、ベッドで診察している』と言っているから、日本でもベッドで診察すればいいんじゃないの？という話がたまに出るんですが……でもフランス、イギリス、インド、アメリカでは内診台を使っています。私がオランダに研修に行ったときも内診台はありました、しかもその場でいきなり下に履いているものを脱がされていました……。とにかく、海外が素晴らしいわけではない」と宋さん
「性器をきちんと正確に診察するためには内診台のほうが良いんですよね。ベッドは角度が限られて正確に診断しにくい内診台にそんなに大きな罪はないと思う
「今回の炎上は「うちのクリニックの内診台はこれです、これでもよければ来てね」と、クリニックのHPに内診台の写真を掲載しようと思うヒントにはなりました」と宋さん
内診台と言えば、「カーテンを開けるか閉めるか問題」も。宋さんのクリニックでは「カーテンは自由に開閉してください」と注意書きを掲示。ほとんどの人が開けっ放しだそう
宋さんのクリニックでは思春期の患者さん、性交渉未経験の患者さんには内診台は使わない。直腸から診ることもある
「抵抗がある患者さんには『次回まで考えておいてください』となることもある。痛みが気になる場合、潤滑ゼリーや表面麻酔使うこともあります」と宋さん
「あとはトークですね、患者さんをリラックスさせるために。タイミングわからず触られると不安が増すから、どれくらいで診察が終わるか等、わかるようお伝えしています」と宋さん
「未だに内診台に乗って10分以上待たされる病院等もあるとか。実際にかかった人の口コミを読んでから行ってみるのが良いのでは。そして診察を受けて気になることがあったら言う、言いにくかったら看護師や受付の人でもいいのでフィードバックをした方が改善に繋がるかと思います」と宋さん