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顔を見れば「発達障害の子どもの将来のために備える方法」がわかる【佐藤ブゾン貴子さんの顔診断】

  • 佐藤ブゾン貴子

2023.03.08

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「相貌(そうぼう)心理学」とは、フランス発祥の「顔」からパーソナリティーがわかる心理学。輪郭・パーツ・肉付き・左右の非対称・顔のゾーン等を分析し、相手および自分自身を理解するアプローチです。世界で16人、日本人初の相貌心理学スペシャリスト・佐藤ブゾン貴子さんが相談者の「顔」を分析し、解決に向けたアドバイスと前進する勇気をくれる連載です。今月は「老後」に関するお悩みを、ブゾン先生がズバリ解決します! 今回の相談者はLEE100人隊のmoiさん(隊員番号074)です。

LEE100人隊moiさん 佐藤ブゾン貴子さん

発達障害の息子のサポートのため仕事をセーブすべき? 貯金はできる

moiさん(以下moi):3歳の息子に発達障害があり療育等サポートが必要で、仕事をフルタイムからパートにしないと難しくなりました。これからどう育つか、自立できるかどうかも現時点では不明なので、当初考えていた大学資金などから貯める金額を変えないといけないのでは? パートにしてそこまで貯められるのか?と不安になっています。貯金は額を決めてきっちり行っています。

佐藤ブゾン貴子さん(以下ブゾン):moiさんは輪郭が縦長気味のレトラクテで体力が少ないので、フルタイムのお仕事と息子さんのサポートの両立は厳しいのでは。ただ、思考ゾーン拡張タイプで理想主義者でもあるので、もちろん息子さんのことは大切でしょうが……自分時間の優先が体力的にも必要不可欠なレトラクテゆえ、今後自己の理想実現が叶わなかった時に、息子さんのせいにしてしまう可能性もなきにしもあらず。理想主義者の方って往々にして、将来についてもトータルで高い理想を抱きがちなんです。お仕事は何を?

LEE100人隊moiさん

moiさんは輪郭が縦長気味のレトラクテで、思考ゾーン拡張タイプ。

moi:金融関係です。ご指摘の通りで、理想が高い自覚はあります(笑)。理想主義ゆえ、仕事で何かを成し遂げたい、フルタイムで働くことも諦めたくない気持ちもあります。若い頃は警察官になりたくて。何か人の役に立つ仕事をしたかったんですよね。今の仕事も、地域の活性化と社会貢献に繋がっているので、結果的に就いて良かったと思っています。

ブゾン:自分の仕事と息子さんのサポート、折り合いをつけることが大事です。仕事で何かを成し遂げること、フルタイムで働くことを諦めずに済むよう、働き方を再考してみては? 思考ゾーン拡張タイプで、かつ、額が丸々として高さもあり想像力豊かなmoiさんは、クリエイティブなお仕事が向いています。クリエイティブと言っても手先ではなく、頭の中であれこれ組み立てるのが上手なタイプ。例えば持ち前の金融関係の知識を活かし、自分の「好き」を仕事にできて、かつ、ある程度時間の自由も利く、フリーランスの金融コンサルタントやフィナンシャルプランナーに転身してみては? 横顔を見ると顎がしっかり出ているので独立向きですし。ただ、額の三分割がなく、物事をロジカルに組み立てて思考することがあまり得意ではない傾向も表れています。老後についても、頭の中だけで考えると根拠のない想像だけが膨らんで不安要素でグチャグチャになってしまい、漠然と不安を抱えている状態になってしまいます。

LEE100人隊moiさん

moiさんの横顔を見ると、額が丸々として高さもあり想像力豊かなことがわかります。顎がしっかり出ているので独立向き。

素晴らしいアイデアも、将来必要なお金も、全て書き出して「見える化」を

moi:実は息子だけでなく、私自身も発達障害なんです。検査で「マルチタスクが苦手」という結果が出て、思い返すと仕事の事務作業が苦手だったり、ケアレスミスが多かったりして、腑に落ちました。

ブゾン:私は発達障害のプロではないので、発達障害に関して明確なことは語れません。が、マルチタスクが苦手なことを相貌心理学的に理解するのであれば、moiさんは想像力豊かで好奇心旺盛なので、何か作業をしていても他に興味を引かれることがあると、そちらに意識が向いてしまうんです。

佐藤ブゾン貴子さん

moi:確かに、スマホで何かを予約しようと思っていたのに、いつの間にかネットショッピングしていることも(笑)。

ブゾン:好奇心旺盛で意識が散漫になりがちな傾向があることを自覚して、やるべきことに優先順位をつければいいだけの話。マルチタスクと言ってもmoiさんは一人しかいないし、今この瞬間やるべき作業って結局一つだけですから。早く終わらせなければいけない順に番号を振って、それをこなしていけばいいだけ。逆にそれって、好奇心旺盛で色んな所に目を配れる、他の人が気づかないことにも気づけるという、素晴らしい才能とも捉えられます。

moi:アイデアが思いついてもどんどん忘れていってしまうので、それをノートに書き留めて、実現したものには線を引いて消しています。

LEE100人隊moiさん

ブゾン:それは素晴らしい! moiさんにこれまで足りなかったのは、そういったアイデアを実現するためのプロセスです。あらゆることを「見える化」する習慣を身につけることをお勧めします。思考ゾーン拡張タイプのmoiさんは、ゾーン内にある目から入る刺激や情報にとても敏感なので、書き出して文字にして「見える化」するのが効果的。素晴らしいアイデアも、将来必要なお金も、全て書き出して「見える化」しましょう。アイデア実現のために必要なもの、必要な期間などを自分の中で整理整頓して、実現化のためのプロセスを踏む練習すれば鬼に金棒、独立して仕事と息子さんのサポートの両立も夢じゃないと思います。理想的な老後の実現のためにも、幾ら必要なのか、準備しておくべくものは何か、具体的に書き出して「見える化」を。

息子の将来のために貯金を増やすよりも、一緒に「お金を育む環境」を作ってあげる

moi:夫婦で稼ぎが大体同じ位で、共働き前提で家を建ててしまったので、どちらかが仕事量を減らしてしまうと若干足りなくなってしまうんです。フルタイムで働きつつ息子のサポートに奔走していたら、心身ともに不調になってしまい、今、休職中です。でも私は働きたい気持ちが強いし、そろそろ仕事を再開できそうですし、お金を息子の将来のために貯めておきたい。まだ3歳なので、息子は自立が難しい可能性もなきにしもあらず……中学に上がる頃にはどれくらい勉強ができるのか、どれくらい社会に適合できるのか、見えてくるとは思うのですが、今はまだちょっとわからない。そういう点も不安で、お金を多めに蓄えておいてあげないといけないんじゃないか?と思っています。

ブゾン:どんなにお金を貯めても、使えば無くなります。それよりも息子さんには、一緒に「お金を育む環境」を作ってあげたほうが良いのでは? 私の知っている方で、発達障害のお子さんと一緒にお店を作り何十年も営んでいる方がいます。そのお子さんは行動のルーティン化が必要不可欠。ルーティンから外れてしまうと、本来上手くこなせることでもこなせなくなってしまうので、日常を細部にわたりルーティン化されています。例えば、毎朝決まった時間にお店を開け、店頭の自転車はいつものように必ず決まった場所に置き、販売する商品もそれぞれ決まった場所に必ず置く、といったこと。常に変わらない日常をつくり、お子さんが適応した環境内で、お子さん自身がお金を育めるシステムを作っているのです。

LEE100人隊moiさん

moi:そうか、自分でお店を開けば、息子をそこで働かせてあげることができるんですね。その発想には至ってなかったので、目から鱗でした。子どものことになると視野が狭くなってしまって(笑)。でも、やっぱり自立が一番の目標だと思っています。「守ってあげる」よりも、「自立してほしい」という気持ちの方が強いですね。

ブゾン:息子さんの今後の人生をトータルで考えたら、そうやってお金を育める場所を作ってあげることの方が有用だと思うんです。たとえmoiさんや夫が先に逝ってもそういう場があれば、どうにか生きていけるでしょうから。息子さんはまだ3歳ですし、これから自我が芽生え、何が好きで何が嫌いか傾向が見えてくると思うので、そこから得意なことを見いだし、活かして伸ばしてあげると良いのでは?



息子の「できる」を1個を見つけ、伸ばしてあげることで、才能に気づける

ブゾン:そして、moiさんが自分自身でビジネスを始めることも、息子さんに「お金を育む環境」を作ってあげることに繋がるとも思います。持ち前のクリエイティブな才能を発揮し同じような悩みを抱えている方に向けて情報発信をしたり、NPOを立ち上げるのもアリでは? お金のプロとしてのファイナンスの知識と、発達障害の子を持つ親としての経験を活かせるし、社会貢献にも繋がりますし。どんなにお金があっても、その使い方がわからなければ、ただの紙くず同然ですからね。

LEE100人隊moiさん 佐藤ブゾン貴子さん

moi:ほんとそう、お金の使い方は大事ですよね。私、何か考えると悪い方、悪い方に想像を膨らませてしまうクセがあって。夫にも「そんなに考えてもキリがないよ」と指摘されてしまんですけど(笑)、そうやって不安でいっぱいになってしまうときがあります。

ブゾン:moiさんは想像力が豊かなうえに、レトラクテで体力が少ない分、限られた体力を温存するため自己防衛能力が働き、どうしても物事のネガティブな側面に目が行きやすいんですよね。それも「私は防衛能力が高い分、誰も気づかなかった問題に一番に目が行く、危機管理能力が高いんだ!」とポジティブに捉え、長所に代えてビジネスに活かしましょう。お客様の問題点にもすぐ気がついて、それを指摘することができるはず。ネガティブな側面に目が行きやすい点を長所に代えるためには、何事もまずは初めにポジティブな側面を一つ見つける練習をお勧めします。それによって少しずつ寛容性・順応性が育まれ、最終的にmoiさん自身が生きやすくなりますよ。顔タイプ的にどうしても、息子さんに対しても「できない」部分に目が行きやすい傾向もあります。でも、たとえ五つできないことがあっても、一つできることがあって、しかもそれが他の子ができないことかもしれない。その「できる」1個を見つけ、伸ばしてあげることで、息子さんの才能がさらに開花し、息子さんとはもちろんのこと、moiさん自身とももっとポジティブに触れ合うことに繋がりますよ!

額がイルカの赤ちゃんのようにぷっくりと丸く膨らんでいる人は、豊かな、時として豊か過ぎる想像力の持ち主。額が膨らめば膨らむほど、夢想家の傾向が強くなります。

moiさんアフタートーク

私の将来の不安は息子のことや経済面でした。計画的にお金を貯めるタイプなので息子と自分の発達障害が分かって見通しが立たず不安になっていたのです。

「貯めたお金はなくなるよ、お金を生み出す方法を一緒に考えたほうが良い」とアドバイスを頂いて目から鱗でした。この言葉を貰ってからどう働くのがベストなのか改めて考え直していて、以前からやってみたかったことにチャレンジしてみようと計画中です。前向きな気持ちになれました! ありがとうございました。

「子どもの発達障害凸凹」特集掲載・moiさんのインタビュー記事はこちら

2歳の子どもの行動を保育園で見て発達検査へ【LEE100人隊moiさんの体験談】

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 写真/山崎ユミ イラスト/つぼゆり 取材・文/露木桃子

佐藤ブゾン貴子 Sato Bouzon Takako

相貌心理学スペシャリスト

相貌心理学スペシャリスト、1975年生まれ。アパレルの勉強のため渡ったフランスで相貌心理学に出会い、世界で16人、日本人初となる相貌心理学教授資格を取得する。帰国後は相貌心理学の顔分析を用いてセミナー、講演、メディア出演など、多角的に活躍。近著には『あなたの顔には99%理由がある』(河出書房新社)『ビジネスは顔が9割』(祥伝社)がある。問い合わせはhttp://a-cura.net/bouzon/まで。

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