大人になってから凸凹がわかったというハコフクさんにインタビュー。育児や仕事との向き合い方、実感する生きづらさについてなどリアルな声を聞きました。
うつ病からADHDが判明。ケーキ屋さんで働き育児にも奮闘中
ハコフクさん
ADHDの特性がありながら、3歳の子どもの育児とケーキ屋さんでの仕事に奮闘中。その様子をインスタグラムで発信。子どもの頃から生きづらさを感じ、大人になってうつ病を発症したことから、発達の凸凹が判明。
Instagram:hacofuku_adhd
ADHDがある自分なりの、工夫や対策に気づけた
ハコフクさんは、発達凸凹の生きづらさなどが原因で起きる“二次障害”からADHDがわかったそう。
「結婚したばかりの23歳頃にうつ病になり、当時は原因がまったくわからない状況でした。受診先の先生がいろいろな可能性を探ってくれる中でADHDと診断を受けました。最初は混乱しましたが、私が今まで周りに合わせて失敗しないように必死でやってきたことも、凸凹がない人にとっては難なくできることだと知って驚きました。
それまで『頑張りが足りない』と自分を責めながら生きてきたので、診断を受けて過去の出来事に納得がいき、ホッと安心したのを覚えています。学生時代に苦しい経験もたくさんしたので……。もっと早く自分のADHDについて知れていたら、二次障害を発症することもなかったのではないかと思います」(ハコフクさん)
現在は「自分の凸凹に気づき、行動や考えを見直せるようになった」と言います。
「みんなと同じようには難しくても、自分にできる工夫や対策があると気づけたのはとても大きかったです。今はケーキ屋さんで働いているのですが、仕事でミスをしないようにメモを活用。やるべきことを可視化しないと優先順位をつけられないので、働く中での気づきは何十枚もふせんに書き出して、その問題に対する対処法をまとめています。今の仕事を始めて2年ほどたつのですが、毎日やらなければいけない仕事も忘れてしまうことがあるので、自分なりのマニュアルノートを作って繰り返し確認をしています。
3歳の娘の育児も戸惑うことばかりで、自分の不注意が原因でケガをさせてしまうのではないかなど心配が尽きません。優先順位がつけられず目に入ったことをする“衝動性”もあるので、家事などのやるべき作業は明確化し、ルーティンにすることで生活がスムーズに進むようにしています。凸凹が多くても、家族や周りの人たちの理解やサポートのおかげで何とかやっています。発達凸凹があって大人になっても、楽しく幸せに生きられるということはぜひお伝えしたいです」(ハコフクさん)
【特集】本音で語る、発達凸凹(でこぼこ)な子どもとの暮らし
イラストレーション/二階堂ちはる 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2023年LEE3月号(2/7発売)「本音で語る、発達凸凹(でこぼこ)な子どもとの暮らし」に掲載の記事です。
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