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占い師・真木あかりさんが3度の結婚を経てやっとつかんだ「自分が納得できる人生」

  • LEE編集部

2022.11.26

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真木あかりさん

引き続き、真木あかりさんのインタビューをお届けします。

現在20以上の連載を持つ、人気占い師の真木さん。今回の取材は、来年度の占い原稿執筆に忙しい中、母校である学習院大学で撮影を行いました。楚々とした上品な佇まいは、静謐な校舎の雰囲気にぴったり。しかし、話し始めると気さくで、ユーモアとオタクセンスの効いた会話で盛り上げてくれます。

社交的に見える真木さんですが、幼少期はとてもおとなしい子だったと振り返ります。つらい体験をいくつも重ね、それを乗り越えてきた強い心も明らかになりました。後半では、半生をたどりながら、書く仕事を実現し幸せをつかんだ今について語ります。また二度の離婚、そして三度目の結婚を経て分かった幸せのあり方とは。(この記事は全2回の2回目です。前編を読む

小学校の担任教師からいじめられ友達ができない

真木さんは、静岡市内の新興住宅地に生まれました。父親は植木職人、母親はポスター専門店を営み、8歳上の姉との4人家族。社交的な姉に対し、真木さんは内気な性格だったそうです。好きな遊びは、人形遊び。家で過ごすのが好きだったと言います。

「両親からは厳しく育てられたように感じています。両親は兵庫出身だったので、私への口ぐせは『○○ちゃん、あかんあかんあかんあかん』でした(笑)」

将来の夢は、ケーキ屋さんかお花屋さん。おとなしい性格のまま、小学校へ入学。楽しい小学校生活の始まりかと思いきや、担任の先生からいじめに遭います。その先生が担任だった1年生から4年生までの4年間、友達ができないという状況に追い込まれてしまいます。

「ごく普通の公立小学校でしたが、担任の先生に嫌われてしまったんですよね。えくぼができるから可愛くない、ブスだと言われて。頻繁に定規で叩かれていました。先生がみんなに『◯◯さんのことをいじめてもいいわよ』なんて言うんですよ。そのせいか、友達は一人もできませんでした」

連れ去り未遂で「人生のどうしようもなさ」を悟る

当時は、まだ不登校が一般的ではなかったこともあり、真木さん自身が「学校を休みたい」と思ったことは一度もなかったそう。親に相談しても「お前にも悪いところがあるんじゃないか」と言われ、逃げ場のない状況に。しかしそれに屈することなく毎日学校に通っていました。

「私が結構しぶとかったんです。『どうしたら先生に好きになってもらえるだろう』『明日は、これをやってみるか』と工夫をしていました。小4になった頃、極限状態が来たのか、帯状疱疹になりました」

真木あかりさん

不審者に連れ去られそうになったことも。小学1年の時、知らない人からビルの入り口を探していると聞かれ、案内すると屋上へ連れて行かれたそう。間一髪で発見されましたが、そんな時も先生の対応に傷付けられます。

「新聞にも出るような事件だったので、学校に『同級生たちには秘密にしておいてほしい』とお願いしました。だけど、先生が帰りの会で『◯◯ちゃんはこんなに恥ずかしい目に遭いました。皆さんも気をつけましょうね』と言って。それが一番ショックでした」

その後、小4の時にも公園で連れ去りに遭遇。こちらも未遂に終わり事なきを得たものの「誰にも言えませんでした。またあんなふうに言われたら嫌だし、親にも言えないし。人生にはどうしようもないことがあるんだと思いました」。



大学時代の思い出はどれもなんとなく“グレー”の曇り空

苦しい日々でしたが、ある転機を迎えます。学校での成績がそれほど良くなかった中、親に連れて行かれた公文の教室で、先生から予想外の評価を受けました。

「初めて勉強を褒められたんです。それまでどんなにいい点を取っても、通知表には1と2しかなかった。公文の先生が母親に『この子、勉強できないわけじゃないよ』と言ってくれて。よっしゃー!と思い、嬉しかったです。もっと勉強をやってみようと思い、中学受験をすることになりました」

進学した中学はカトリック系の中高一貫校。県内全域から生徒たちが集まる学校でした。「カトリックの厳格な雰囲気には、あまりなじめずにいました。早く卒業したかった」。その時、希望になったのが、絵を描く時間と本を読む時間でした。

真木あかりさん

学習院大学からほど近い雑司ヶ谷鬼子母神堂にて。真木さんにとって思い出の場所だそう。

「高校では美術部でした。X JAPANが好きで、血に染まった薔薇とかをよく描いていましたね」。将来、絵の方向に進むことも一度は考えましたが、自分より水彩画も漫画もうまい同級生がいたことで「100回生まれ変わっても、この子みたいには描けないと思って。あっさり諦めました」。残った選択肢が、文章の道でした。大学は、学習院大学の文学部日本語日本文学科へ。近代文学を学んではみたものの、文学研究よりも「自分で書きたい」という思いが強かったそうです。

「一人で東京に上京してきた時は、夢しかなかったですね。とにかく自分でやっていきたい、自立したいと思っていました。でも、あの時代って結構大変だったんですよ。山一證券の破綻もあって、就職氷河期で。世の中がどんどん暗くなっていく中で、どうやって生きていけばいいんだろうと不安でした。当時の思い出はどれもなんとなく“グレー”、曇り空です」

二度目の結婚までは、相手に依存していたと思う

真木さんは、これまで3度の結婚をしています。一度目は、大学卒業をして間もない頃。バイト先で知り合った人でした。「就職は厳しいから結婚」してはみたものの、生活苦から不仲になり離婚。二度目は、ネットベンチャーで働き出した29歳の時。会社の同僚でしたが、うまくいかず離婚。41歳で三度目の結婚をし、結婚に何が必要か分かったと言います。

「二度目の結婚までは、相手に依存していたんだと思います。『生活に困りたくない』『孤独になりたくない』といった気持ちが強かったです。都合がいい考え方でした。自分が自立できていないのに、幸せなんてなれっこない。三度目の結婚の前にも交際していた人がいましたが、それで苦い思いをしました」

真木あかりさん

自分が自立できていない状態で相手を求めると、自立できていない人が来る。目的やスペック(お金、見た目的なもの)でパートナーシップを結ぶことも同じで、「互いに引き合うんだなと思いました」。三度目の結婚になる現在のパートナーとは「お互いに何も求めない関係」だと振り返ります。

「何も求めないし、何かしてほしいこともない。これは相手も同じで、ただお互い、相手のために自分がしたいことをします。相手は43歳、私は44歳。互いにいい年になってから結婚したので『出会ったのが遅かった分、残りの人生は少しでも笑顔でいられるようにやっていこうね』と約束しています。健康でいられる時間を少しでも長くしようね、とも。プロポーズの時に言われたのが、『愛は自然に続いていくものではないから、お互いに日々努力していきましょう』という言葉でした。経済的にも精神的にも自立した今だからこそ、やっと自分が納得できる人生を得られたような気がしています」

「幸せは自分で叶えるもの」と理解すれば夢に近づく

占い師を始めた頃と比べて、書くことにも変化が。「より“考えてもらう文章”を書きたいと思うようになりました」。真木さんは、占い師として個人鑑定を引き受けることもあるそうですが、「この人と結婚して、私は幸せになれますか?」「いつ幸せになれますか?」「どこにパートナーがいますか?」と聞かれることが多いそう。

「聞きたくなる気持ちはわかります。いけないことじゃないです。でも、幸せにしてもらうのではなく、幸せは自分で作っていくんですよね。幸せにしてしてもらいたい、幸せはどこかから降ってくるものと思っていると、自分以外の何かに人生の舵を預けてしまうことになります。幸せは自分で叶えるものと理解することで、自分が成長できるし夢に近づくと思います」

自身の経験を糧にして、新たな気づきと共に進む人生。幼少期に経験したつらい経験や痛みを「抗えないこと」として自分なりに受け入れながら、占い師として読者や相談者に温かな言葉を送り続けます。

「よく開運法を聞かれるんですけど、“これをしたら幸せになる”ではなくて、“この時期に運気が良くなるからこの行動を加えてみては”と私は伝えています。結局のところ、ラッキーフードを食べてもラッキースポットに行っても、自分が行動しなくては運気は変わらないです。うまいことやりたい、の一歩先に行けるといいですね。過去は変わらないですが、考え方は変えることができます。自分を持つこと、それに行動と気持ちを乗せていくことで、人生は少しずつうまくいくんじゃないでしょうか。ただ、本当にしんどい思いをしている人もいると思います。その人に“自分で考えろ”“立ち上がれ”というのはあまりに酷です。まずは乗り越えるために、前に進めるような言葉を届けられたらと思います」

真木あかりの「今週の運勢」

真木さんはLEEwebでも週間連載中。読者に寄り添ってくれる、ちょっと前向きになれるアドバイスが好評です!

真木あかりさんに聞きました

真木あかりさん

身体のウェルネスのためにしていること

“1に足腰、2に文体”!週3、4回のジョギング

「週3、4回ジョギングをしています。村上春樹さんが“1に足腰、2に文体”とおっしゃっているのに影響を受けて10年ほど前から続けています。距離は10km弱ほど、つらい時は走ったり歩いたりを繰り返したりと、マイペースに続けています。Amazonのオーディブルを聞きながら走ることが多いですね。私は一日中仕事をしているので、机から離れるという意味でも、ジョギングの時間があることでバランスが取れていると思います」

心のウェルネスのためにしていること

仕事の後、好きな本を読みながらスコッチを飲む

「その日に書くと決めた原稿を全て終わらせた後、好きな本を読みながらスコッチを飲む時間でしょうか。本は、その日の気分に合わせて選びます。読書が好きなので、部屋のいろいろな場所に本が置いてあり、気が向いたらページが開けるようになっているんですよ。休日を作っていないので、原稿を書き続けることに一区切りをつける意味でも、大事な時間だと思っています」

インタビュー前編と、真木さんの人気連載はこちら!

占いは振り回されるのではなく「使う」もの。真木あかりさんが教える占いとの上手な付き合い方

星占い×タロットで開運!真木あかりの「今週の運勢」

学習院大学

真木あかりさん


撮影/高村瑞穂 取材・文/武田由紀子

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1983年の創刊以来、「心地よいおしゃれと暮らし」を提案してきたLEE。
仕事や子育て、家事に慌ただしい日々でも、LEEを手に取れば“好き”と“共感”が詰まっていて、一日の終わりにホッとできる。
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