お金のプロは、子どもにどんなことを話してる?
ママ、パパがスペシャリストだと、こんなお金の教育が!そこには、今すぐ参考にしたいヒントがいっぱい!
「子どもに伝えるお金の話」実践アイデアをうかがいました。
教えてくれたのは・・・
ファイナンシャルプランナー 大竹のり子さん
2005年4月に「女性のためのお金の総合クリニック」として株式会社エフピーウーマンを設立。現在、経営の傍ら講演、雑誌、テレビなど多くのメディア出演を通じ、女性が正しいお金の知識を学ぶことの大切さを伝えている。大学2年と高校3年の2人の娘の母。
お金のプロが実践!親子のマネー育
自分やまわりの人をハッピーにするお金の使い方を伝えてきました
大竹さんがまず子どもに伝えたのは、お金は道具だということ。
「5歳の頃に、お金が使われて世の中を旅する紙芝居を見せました。『とにかく貯める』『お金のために』とお金が目的化しないように、道具としてお金がどんな役割を果たしているかを伝えたくて」
小学校の入学祝いはおこづかい帳。中学では銀行口座を開設。
「小1から毎月定額のおこづかいを現金で手渡しして、その際におこづかい帳の収支をチェックする習慣をスタート。中学からはお年玉などもらったお金は、本人の銀行口座で管理させるように」
16歳の記念に、経済のしくみを知る目的で株式投資デビュー。
「自分事として世の中のお金の流れに興味を持ってほしくて、子どもの証券口座開設とともに『株を買いなさい』と運用資金として10万円を渡しました。子どもが『この会社のこんなニュースがあったんだけど、株はどうなるかな』などと話しているのを聞くと、ニュースが自分事になっているのかなとは思いますね」
同じプロセスを経ても、姉妹でお金の使い方がまったく違うそう。
「不思議ですが、姉は堅実に貯める派で妹は気前よく使う派。それぞれの個性が出ていてどちらもいいなと思っています。お金は道具であるから、人生を充実させるために価値ある使い方をすることが大事、使い方次第で自分や周囲をハッピーにできるんだよと伝えてきました。これからも上手にお金と付き合って、プライスレスな経験を積み重ねて人生を楽しんでほしいですね」
こんなとき、あなたならどうする?01
子どもがおこづかいで、親から見ると価値のわからない高そうなおもちゃを買おうとしています。あなたはどうしますか?
大竹のり子さんの場合は・・・
子どもに渡したお金の範囲でなら、何も言いません。
お金を何に使うかというのは「価値観」の問題。自分なら買わないと思っても、自分の価値観を押しつけることはしないようにしています。
おこづかいの範囲でなら取り返しのつかないことにはならないですし、失敗だったとしても本人にはいい経験では。
こんなとき、あなたならどうする?02
子どもが「お金が減っちゃうから、友達とごはん行くのやめようかな」と言っています。あなたは何と言いますか?
大竹のり子さんの場合は・・・
お金はあくまで道具であって、自分やまわりの人が幸せになるために使うもの。一時的にお金が減ったとしても、友達とごはんを食べることに価値を感じるなら、気にせず行ったほうがいいんじゃない、と言いました。
大竹さんのやったこと
● 小学校入学のタイミングでおこづかい帳をスタート。中学に入るまでは月に1回チェックして、支出管理の習慣づけ
● お金は貯めるだけでなく、使える金額の中で価値ある使い方をすること、使うことで自分もまわりもハッピーになることが大事だと伝える
● 16歳になったら子どもの証券口座を開設、10万円で投資をスタート。目的はかせぐことではなく、経済のしくみに関心を持たせること
ご自身が育った家庭ではお金の話をしていましたか?
両親は「お金の話はするな」というタイプでした
「世代もあると思いますが、私は家の中ではお金の話をしない環境で育ちました。その経験から『お金のことは、大人になってから突然学ぶよりも小さい頃から学年に応じて学んだほうがいい』という今の考えに至っている部分もあります。
ただ、お金の話をすることは大事ですが、今は時代の変化が速いので、自分の世代の価値観を押しつけないことも同様に大事だと思っています」(大竹のり子さん)
家計はどの程度オープンにするのがいいですか?
親子は運命共同体。家計が厳しいときは伝えるべき
「金額を言うかは別にして、もし家計が厳しい場合は、子どもにまったく伝わっていないのはよくないので、たとえ小学生でも事情を伝えるべきだと思います。
そのことで、子どもは子どもなりのお金の使い方を考えると思うので。
わが家では『ATMは打ち出の小づちじゃない』『キャッシュレス決済はこういう支払いのしくみ』とお金が無限にはないことは折に触れて説明しました」(大竹のり子さん)
「子どもと一緒にお金に強くなるワークBOOK」記事一覧
イラストレーション/とつかみさこ 取材・原文/佐久間知子
こちらは2022年LEE12月号(11/7発売)別冊付録『子どもと一緒にお金に強くなるワークBOOK』に掲載の記事です。
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