産婦人科医の宋美玄さんのポッドキャスト番組「聴く婦人科診察室」。宋さんとLEEweb編集長・畑江が女性ならではの身体や心のお悩みを解決したり、女性の性にまつわる最新事情を紹介したりと、赤裸々トークを繰り広げます。毎週月曜日18時更新です。今週来週と2週にわたりLEE読者の皆さんにはおなじみ、OURHOME Emiさんが関西からリモートでゲスト出演! EmiさんがVoicyで配信中の『暮らす働く“ちょうどいい”ラジオ』で募集したリスナーさんの「更年期のお悩み」に、宋さんがビシバシ回答します。
宋美玄さんの「聴く婦人科診察室」#69
今週のよりぬき
- 質問①「更年期の入り口が分からないので、今から漠然と不安と恐怖があります。どのようになったら始まっているのかしりたいです。どのレベルになったら病院に行けばいいのでしょうか?行く場合は、婦人科でいいのでしょうか?」
- 順調に生理が来ている人は更年期ではない。更年期とは閉経前後5年を指す。閉経は生理周期が徐々に不順になり、その後1年間生理が来ず、後になって「あれが閉経だったのか」とわかるケースが多い。閉経の平均年齢は50.5歳
- 典型的なサインは排卵が頻繁に起こるため生理が来るのが「あれ? 早いな」。その後生理の間隔がだんだん空くようになり、2〜3年後に閉経を迎えるケースが多い
- 更年期障害の症状を訴える人は6割、残り4割の人は症状があまりない。更年期症状は300ぐらいある、有名なのはホットフラッシュ、眠い、イライラ、睡眠障害、落ち込みなど
- 質問②「40歳です。仕事子育て中です。生理前の落ち込みが本当にひどくて、消えてしまいたくなってしまうくらいで産婦人科行きましたが数値は何も異常がないそうでした。いろいろなものが重なってこうなってるのかもしれませんがお薬で改善するなら欲しいーそして食べ物や運動などで改善するならそうしたい。更年期かなにかわからないがとてもつらいです」
- 「更年期?と思って受診しても、そうじゃない場合も多い。生理前の不調があるなら黄体ホルモン療法などを検討してみては。年齢的に更年期ではなさそうですね」と宋さん
- 質問③「現在52歳で、昨年から夏の暑さに耐えられなくなってきました。ホットフラッシュっぽい感じもたまにありますが、暑すぎる場所にいると、まず、痰が出だし咳が出て、鼻が詰まり 息苦しくなって 顔が真っ赤に熱くなります。それが1時間ぐらい続き 保冷剤などで冷やして 段々治ってきます。アトピーやアレルギーもあるので そっち系かな?とか。熱中症かな?とか。これが、更年期なのかな?とか…。原因がわからずモヤモヤ。なので最近は毎日首に巻く保冷剤をして外出しています。医者に行くにも 何科に行ってよいものか?是非先生に教えていただきたいです。よろしくお願いします」
- 「最近の日本の夏は尋常じゃなく暑いので、もしかしたら更年期だけじゃないかも。婦人科だけでなく、総合診療科等で幅広く診療できる可を受診してみては?」と宋さん
- ホットフラッシュ、医学的には「血管運動障害」。ホルモンバランスの変化に伴い自律神経の働きが止まるため、暑くて汗が止まらない、逆に冷え過ぎて寒いなど、暑さ寒さの振り幅が大きくなる
- 質問④「幼稚園児と小学生の子を持つ35歳の母です。職場の上司が更年期真っ只中で発汗が辛いようです。女性の性にまつわる変化は、初潮、妊娠、出産とおめでたいことが主な中、なぜか更年期や閉経となるとマイナスなイメージがあり、何と声をかけていいのか困ってしまいます。とても良くしてもらっている上司なので、寄り添った話をしたいのですが、アドバイス頂けると嬉しいです」
- Emiさんが主宰する「OURHOME」は女性スタッフが21名、アラフォー世代が中心
- 「生理や更年期について話せる職場環境作りが大事なのかな。今回を機に、そろそろ経営者としても意識しておかないと、と思うようになりました」とEmiさん
- 「うちのクリニックも女性職員が多いので、なるべく相談しやすい環境作りをしています。一度勉強会をして、言いやすい雰囲気を作るのが良いかも!」と宋さん
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イラスト/小迎裕美子
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宋 美玄 Song Mihyon
産婦人科医
セックスや女性の性などについて、女医の立場からの積極的な啓蒙活動を行う。メディア出演や著書多数。'17年、丸の内の森レディースクリニックを開業。https://www.moricli.jp/
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