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LIFE

婦人科系トラブルのサインを見逃さないために…もっと意識したい! 私たちの「デリケートゾーン」

30・40代「デリケートゾーン」特に意識が必要な4つの症状に対する対処法を宋 美玄さんが解説

2023.01.16

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このトラブル何のサイン? 改善できる? デリケートゾーンの症状別 原因と対処法

多いお悩みごとに、正しいケア方法を宋さんがレクチャー。トラブルや病気のサインの見つけ方も、知っておくことが肝心!

教えてくれたのは

宋 美玄さん

宋 美玄さん

産婦人科医。丸の内の森レディースクリニック院長。周産期医療、女性医療に携わる傍ら、女性のヘルスリテラシー向上のためメディア等でも活躍。LEEwebのPodcast連載「聴く婦人科診察室」のお悩み回答も好評。
Instagram:mihyonsongkobe
Twitter:mihyonsong
公式サイト:https://www.puerta-ds.com/son/

LEE読者に聞きました!

Q デリケートゾーンの悩みは?(複数回答可)

かゆみ・乾燥 171人 ニオイ 157人 黒ずみ・くすみなど肌の色 144人 陰毛が濃い・太い 134人 ムレ 128人 尿もれ・尿失禁 95人 おりものの量が多くなった 87人

かゆみ・乾燥とニオイは2~3人に1人は悩みがあると回答。それ以外の悩みも含めて、重複して悩みを持つ人が多いことが判明。

※LEEメンバー411名にアンケート

放置すると、婦人科系トラブル悪化の可能性あり
これら4つの症状がないか意識して!

特に以下4つを意識して、ケアを習慣化することでトラブルや悩みを解消できたり、病気のサインに早い段階で気づけることも。

① かゆみ・ニオイ

(ムレ・かぶれなどの肌トラブル)

② 膣まわりの乾燥

(乾燥によるかゆみ、肌色のくすみ、性交痛)

③ おりものの変化

④ 尿もれ・頻尿

これら、自分でも改善できる可能性のある
4つの症状の予防&対処法を解説!



症状1ケアで改善する場合と、性病などのサインのケースも
かゆみ・ニオイ…ムレ・かぶれなどの肌トラブル

主な原因

きちんと洗えていない、保湿ケア不足、下着など衣類や生理用品によるムレ、〈かゆみ〉接触皮膚炎、外陰膣カンジダ症などの性病

かゆみ・ニオイ…ムレ・かぶれなどの肌トラブル

洗浄剤&保湿剤の見直しで改善される場合が多い

「肌トラブルに起因するかゆみやかぶれ、ニオイは、正しい洗い方と保湿で、かなり改善できます。

デリケートゾーンに付着する排泄物や経血、おりもの、汗などの汚れは、タンパク質を含むため、お湯だけで洗っても落としきれません。かといって体を洗うボディソープはアルカリ性~中性なので、弱酸性のデリケートゾーンに使うとpHを崩し、かつ膣内を健康に保つ常在菌を洗い流してしまうことに。かゆみやニオイなどの症状がある場合は、専用の弱酸性の洗浄剤を使って。そして、清潔にリセットした後は、専用の保湿剤で潤いを与えます。

すでにかぶれが出ていたり、カンジダに感染している場合は、セルフケアで完治は難しいので、受診してステロイドや抗ウイルス薬で治療するのが正解です」(宋 美玄さん)

対策

外陰部の清潔を保つ、保湿ケア、ムレない衣類・生理用品選び、性病の可能性もある場合は婦人科へ

症状2膣の粘膜が乾くと、細菌の繁殖や炎症が起こりやすく
膣まわりの乾燥…乾燥や摩擦による痛み・かゆみ、肌色のくすみ、性交痛

主な原因

更年期の女性ホルモン減少による保水力の低下

膣まわりの乾燥…乾燥や摩擦による痛み・かゆみ、肌色のくすみ、性交痛

加齢による女性ホルモン減少で膣粘膜が乾燥してしまう

「女性ホルモンのエストロゲンには、肌や髪の潤いを与えたり、膣粘膜を柔軟に保つ働きがあります。ところが年齢とともにその分泌量は減少、そのため膣やデリケートゾーンが乾燥してくるのです。膣が乾燥すると、自浄作用が弱まって炎症を起こしやすくなるほか、乾燥で膣がかたくなるため性交痛が起きやすくも。清潔を保つ、きちんと保湿するなどの基本的なケアをしたうえで改善しないようなら婦人科へ。治療法がいろいろあるので、相談してみるといいですね」(宋 美玄さん)

膣まわりの乾燥…乾燥や摩擦による痛み・かゆみ、肌色のくすみ、性交痛 イタタ…

対策

外陰部の清潔を保つ、保湿ケア、(婦人科で)潤滑ゼリー、膣剤、ホルモン補充療法

女性ホルモン減による乾燥が原因
更年期~閉経後に多い「萎縮性膣炎」とは?

エストロゲン分泌量のピークは20代後半~30代後半。そこから徐々に低下し、閉経前後の45~55歳で激減。それにともない膣粘膜が乾燥し、膣口が萎縮することで、性交痛、頻尿、おりものの増加などの症状が表れる。これが「萎縮性膣炎」で、閉経後の女性に多い。

エストロゲンを皮膚から補充できる塗り薬も。低刺激で肝臓への負担が少ない。

バストミン

バストミン

4g ¥3960/大東製薬工業

腕や腰、外陰部などにはクリーム状でのびのいいこちら。

ヒメロス

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3g ¥3850/大東製薬工業

デリケートな膣粘膜に直接塗る場合はこちら。

症状3正常な状態を知っておき、異変があったら要注意!
おりものの変化…量が多く、ニオイがきつく、色や質が変わった etc.

主な原因

雑菌の繁殖や、性病・婦人病の可能性も

おりものの変化…量が多く、ニオイがきつく、色や質が変わった etc. ORIMONO?

腫れやかゆみ、痛みも併発する場合は可能性が
おりものの異変からわかる「病気」の可能性

黄色or茶色っぽい→性器クラミジア感染症

白orクリーム色の酒かす状→膣カンジダ症

黄色っぽく悪臭がある→淋病

泡立ったヨーグルト状、血が混じっている→膣トリコモナス症

●正常なおりものとは?

おりものの量 月経期 卵胞期 排卵期 黄体期 月経期 おりものの量 卵胞ホルモン 黄体ホルモン おりものが多い時期 おりものがある日(生理日以外)

排卵期には分泌量が増える! まず正常時のサイクルを知ろう

おりものの量は、ホルモンのリズムによっても変化する。排卵期には色が白っぽくなり量も増え、酸味のあるニオイに。それを過ぎるとまた通常の量や色に戻る。腐敗臭がしたり外陰部に腫れやかゆみが出ている場合は、膣炎や性感染症の恐れがあるので、婦人科へ。

色や量、ニオイに注目。膣の健康状態のバロメーター

「おりものは膣からの分泌物のことで、膣内を酸性に保ち、雑菌の侵入や繁殖を防いで、膣内を清潔にキープする役割が。正常なら色は白~クリーム色、ニオイはそんなに強くありません。

体の抵抗力が落ちて、膣内の常在菌のバランスが崩れると量が増えたり、性感染症にかかると色や形状、ニオイに変化が出る場合が。1日に何度も下着を替えるほど量が増えたり強いニオイがするようだったら、病気の可能性があるので、できるだけ早く受診して(上記参照)。また、更年期でエストロゲンの量が減るとおりものも減りますが、逆に増えたら感染症や子宮の病気の疑いがあります。

いわばホルモン状態のバロメーターなので、日頃から自分のおりものの状態を見ておくことは大事。異変を感じたら婦人科を早く受診して、トラブルを予防しましょう」(宋 美玄さん)

対策

清潔を保つ
(おりものシートやふき取りシートを利用しても)
ムレないような下着・衣類選び

→それでも違和感を感じたら、迷わず婦人科を受診!

症状4骨盤底筋の衰えで排尿トラブルや、臓器脱などの病気も
尿もれ(尿失禁)・頻尿…ふとした瞬間にもれる、尿意を我慢できない

主な原因

「骨盤底筋」のゆるみ(主に出産と加齢がその原因。その他、便秘で長時間いきむ、きついガードル・くしゃみや咳で過度に腹圧をかける習慣がある)

出産や加齢で筋肉が衰え、排泄コントロールが難しく

「骨盤の底に網の目のように張り巡らされていて、子宮や膀胱、直腸などの臓器を下から支えているのが骨盤底筋。骨盤底筋をゆるめたり締めたりすることで、排尿や排便をコントロールしますが、出産で傷ついたり加齢で衰えたりすると筋肉の力が弱まり、尿もれや頻尿などのトラブルに。ほかにも、便秘で長時間いきんだり、重い荷物をよく持ったり、ガードルでおなかを圧迫するなど、下腹に圧をかけるような日常の習慣が骨盤底筋の衰えを早めることもあります。

他の筋肉と同様、鍛えれば強くすることが可能。加齢とともに進行するとさらに深刻な症状になる場合もあるので(下記参照)、早いうちから鍛えておきたいですね」(宋 美玄さん)

衰えてゆるんだ骨盤底筋 腹圧 膀胱 骨盤底筋 正常な骨盤底筋 腹圧 膀胱 骨盤底筋 キュッ

ダメージのない元気な骨盤底筋は弾力と厚みがあり、締める・ゆるめるのコントロールも自在。一方、衰えた骨盤底筋は厚みや弾力がなく、尿道や膣を締めることができなくなり、尿もれや、進行すると子宮脱(下記参照)などに。

骨盤底筋の衰えが進むと「子宮下垂」「子宮脱」「骨盤臓器脱」になることも

骨盤底筋の衰えが進むと「子宮下垂」「子宮脱」「骨盤臓器脱」になることも

骨盤底筋の衰えが進行すると子宮が下がり(子宮下垂)、一部が膣から外に出る場合も(子宮脱)。さらに進むと子宮や膀胱、尿道、直腸なども体の外に出てしまう病気に(骨盤臓器脱)。更年期以降に多いが、日常的に立ち仕事や重いものを持つ仕事をしている人はリスクが大きいので意識して鍛えて。

対策

骨盤底筋の筋力アップに、数分でOK。難しい動きは不要。基本の「膣トレーニング」

リラックスして立ち、両手を上げて背すじを伸ばす。膣を上に引き上げるイメージでキュッと締めて5~10秒キープ。1セット10回を目安に、できる範囲で繰り返す。腹筋ではなく、膣に力を入れるよう意識するのがポイント。

リラックスして立ち、両手を上げて背すじを伸ばす。膣を上に引き上げるイメージでキュッと締めて5~10秒キープ。1セット10回を目安に、できる範囲で繰り返す。腹筋ではなく、膣に力を入れるよう意識するのがポイント。

もっと意識したい! 私たちの「デリケートゾーン」

イラストレーション/mio.matsumoto 取材・原文/遊佐信子
こちらは2022年LEE10月号(9/7発売)「婦人科系トラブルのサインを見逃さないために…もっと意識したい! 私たちの「デリケートゾーン」」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。

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