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松崎のり子

年金手帳が2022年4月に廃止。なくなっても年金はもらえる?自分の基礎年金番号はどこでわかる?

  • 松崎のり子

2022.03.08

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年金の相談や照会にはマイナンバーを使うように

現役世代なら、自分の年金手帳を見る機会はあまりないかもしれませんね。

1974(昭和49)年11月~1996(平成8)年12月までに国民年金または厚生年金保険に加入した人の手帳は表紙がオレンジ色、1997(平成9)年1月以降に加入した人は青色で、45歳以上の方だとオレンジ色が多いと思われます。何気なく「年金手帳ってオレンジ色だよね?」というと、年代がわかってしまうなんてことも。

手帳をめくると、そこには自分の基礎年金番号が記されています。基礎年金番号とは、年金の手続きや問い合わせに必要な10桁の数字。

しかし、2022年4月からは、年金手帳が廃止になるのです。その理由は、一つにはマイナンバーの活用が進んだこと。

もし基礎年金番号がわからなくても、今ではマイナンバーによる年金相談や照会、申請ができるようになっています。

何かと物議を呼ぶマイナンバーですが、こと行政の手続き面においては便利になっているのですね。

厚生労働省の資料によれば、年金手帳の廃止でコストも大きく削減できるとか。2016年度の数字によれば、年金手帳の発行 153万件、再発行 74.5万件にかかるコストは 2.7億円とも。まるまる削れるわけではないですが、大幅にカットできるのでしょう。

なお、手帳の廃止後に新たに年金に加入する人へは、番号を記した「基礎年金番号通知書」が送付されるそうです。

自分の基礎年金番号はどこでわかる?

年金手帳が廃止されても、基礎年金番号がなくなるわけではありません。

もし、手帳を紛失してしまったら、どこで自分の番号がわかるのでしょうか。

そういう時は、誕生月に送られてくる圧着はがき型の「ねんきん定期便」に記載された「照会番号」を用意して、「ねんきん定期便・ねんきんネット専用番号」に連絡すると、番号が記載された書類が送られてくることになっています。

この4月にはさまざまな年金の改正があります。

ひと口で言えば、高齢化社会に合わせた改正といえるでしょう。なるべく多くの人に厚生年金に加入してもらって、将来の受取額を増やしつつ、長く働ける制度に変更するというもの。

どうせ年金には頼れないという声をよく聞きますが、公的年金の一番の強みは、受給資格がある人なら生きている限りずっと受け取れること。

自分がいつまで生きるかは誰にもわかりません。100歳を超えて生きる人は、2021年時点で8万6000人以上もいるのです。

老後にかかるお金すべてを自助で貯金や投資で賄うことは難しいでしょう。年金だけで十分でないとしても、大きな安心と支えになります。

どうせ…と言わず、自分の老後のためにぜひ関心を持ってほしいと思います。

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松崎のり子 Noriko Matsuzaki

消費経済ジャーナリスト

消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。

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