家事、育児と両立しながら働くことが多い30、40のLEE世代。
もっと仕事をしたいと思っても、「条件が合わない」「忙しすぎると家族と向き合う時間がない」と壁にぶつかることも。
再出発の不安を乗り越え、アクションを起こした読者のリアルストーリーから、就活をすることで得られたもの、またコロナ禍を経た今だからこそできる、"自分に合った多様な働き方"を探ります!
この記事は2022年1月7日発売LEE2月号の再掲載です。
「もう一度、就活」インタビュー
40歳目前で決断!ダブルワークで自分らしい働き方を実現
LEE100人隊 TB tokoaさん
13歳と10歳の2人の男の子の母。主婦をしながらも仕事を求め、3年前からパン屋の製造のパートを開始。2021年4月から事務職とのダブルワークを実践中。
【 tokoaさんの現在のお仕事 】
・事務職とパン製造のダブルワーク
・週2~3日が事務(在宅あり)、週2日はパン屋にて勤務
・勤務時間は1日約6時間(日によって変動あり)
tokoaさんのお仕事ヒストリー
22歳
新卒でパッケージメーカーに就職
26歳
結婚、妊娠。夫の転勤が決まり退職。大阪に引っ越し
27歳
第1子出産
28歳
子どもが1歳になる頃に就職を目指すも、夫の多忙などを理由に断念
30歳
第2子出産。産後、再度仕事を探そうとするもタイミングが合わず
34歳
第2子幼稚園入園。ランチタイムのパートを始める。半年間続けるも、夫の転勤で辞めて引っ越し
36歳
パン屋でパートを始める。希望の製造担当ができず、辞める
37歳
第2子が小学校入学。1年間PTA役員に専念し、仕事はせず
38歳
近所のパン屋で週3日間の製造のパートを始める
39歳
ほかの仕事にも興味がありつつ、コロナ禍で就活できずパン屋のパートを続ける
40歳
40歳の誕生日前日に思い立ち、履歴書を書く。就活を始める。始めてから約3カ月でインテリアショップの事務職に就職が決定。事務職とパン屋のダブルワークを始める
なかなか希望の仕事に就けず、約10年間、葛藤し続けた
現在、事務職とパン屋の製造職のダブルワークをしているtokoaさん。
結婚してすぐに新卒で入った会社を退職し、約10年間、主婦として育児中心の生活を送りながら、自分に合った働き方を模索していたと言います。その過程では、さまざまな心の葛藤が。
「ずっと仕事はするつもりでいて、まずは長男が1歳のときに働きたいと夫に相談しましたが、当時は転勤したばかりで一番忙しい時期。転勤先で親などの協力してくれる人もおらず、自分ひとりで家のこと、子どもの急な発熱などに対応できる仕事を、と思うと条件が限られてしまって。
実は、新卒で入ったパッケージ会社で働いていたときと妊娠中に、DTPデザインの勉強をしていたのですが、スキルを生かせる仕事を、と思うとさらに見つかりませんでした。
その後、次男の妊娠、出産があり数年働くタイミングを逃し、今度は次男の幼稚園入園のタイミングで、飲食店のランチパートに就くことに。短時間ながら、仕事をできることは楽しくて充実していました。
その後、夫がまた転勤になり、飲食店のパートは辞めて引っ越し。新たな場所でパートを始めても条件が合わなかったり、子どもの小学校のPTA役員になり忙しい日々が続き、それからもまた間が空きました。
そして、2年前に今務めているパン屋の製造のパートをスタート。ずっと仕事をしたいと思いつつ、自分に合う仕事先がなかなか見つからなかったので、ようやく働ける……!という気持ちが強かったです」
パン作りの仕事は楽しくやりがいを感じたものの、立ち仕事はハードで体力的な不安が。また、ほかの仕事にも興味が出てきたそう。
「別の仕事を考えたのですが、コロナ禍で就活ができず、ずっと迷っていました。
そんな中で迎えた40歳の誕生日の直前、39歳最後の日に急に思い立って履歴書を書くことに。40代になると未経験の分野ではさらに働きにくくなると聞いたことがあり、動くなら今だと思いました。
やはり、以前に学んでいたDTPの仕事にトライできればと思い、もう一度就活をして合う会社を探し始めました」
面接では希望や実状を正直に。焦らず、自分に合う会社を
就活中は、自分がやりたいことや仕事の条件を整理するために、時間を見つけては考えて、手帳に書き出していたと言います。
「子どもたちが大きくなり時間に余裕が生まれて働きやすくはなったものの、条件はあるので『子どもたちを見送ってから家を出る』『16〜17時には帰宅』『長く続けていきたい仕事を選ぶ』などを箇条書きでまとめました。
また、いろいろと考えた結果、ぎっくり腰になってしまったりと体はつらかったけれど、私はパン屋の仕事はすごく好きなんです。パンの製造過程が学べて実際に自分でも作れたり、職場の雰囲気もとてもよくて。
少ない日数でも続けたいと思ったこと、また、コロナ禍を経て、2つの仕事を持てばどちらかの勤務日数が減ったりしてもダメージが少ないと聞いて、ダブルワークを目指すことにしました。
面接では、手帳にまとめた条件を曖昧にせずしっかり確認して、ダブルワークの希望についても話しました。また、パソコンのスキルなどは昔のままで更新できていなかったので、できないことはできないと伝えて。
自分をよく見せて採用されるのではなく、ありのままの自分を受け入れてくれる企業がきっとあるはずだと思い、妥協せずにある程度の時間をかけて就活しようと思っていました。そのほうが、長い目で見たら自分にとっても、企業にとっても幸せなんですよね。若い頃のように焦らずに活動できたのは、今の年齢だからこそなのかもしれません」
ダブルワークで毎日が充実。モヤモヤが晴れて心穏やかに
約3カ月でインテリアショップの事務職に採用。週3日はDTPの知識を生かせる事務職、週2日はパンの製造というダブルワークの生活に。
晴れやかな表情で「やっと自分らしく生きられている気がします」と話すtokoaさん。
「結婚、出産を経てもずっと『もう一度働きたい』と思っていたのに、条件やタイミングが合わなくてうまくいかず……。モヤモヤを抱え続けていました。家にいる時間が長いと何をしたらいいかわからず、むなしさを感じることもあり、自分には合っていなかったんだと思います。
私は家事、育児以外にもやることがあるほうが充実感を持てて、ようやく自分を取り戻したような感覚です。今は心穏やかに過ごせていますね。
また、自分でも気づいていなかったのですが、夫が中心で働いているとはいえ、家のことや子どものことがすべて私の役割になっていたことに不満があったんだと思います。
最近は私のシフトが週末に入ることも。家事のやることリストを書き出しておくと、それを見て夫がきれいにお風呂掃除をしたり、買い物に行って食事の準備をしてくれたり。
夫はこれまで忙しかっただけで、もともと家のことができないわけではなかったし、私が仕事で出かけてやらざるを得ない状況になったのがいいきっかけになりました。少しずつですが家のこともシェアできていて、この部分でも気持ちが軽くなった気がしています」
LEE100人隊 TB tokoaさん
「もう一度、就活」エピソード
手帳に条件ややりたい仕事を書き出す
「ダブルワーク希望だと伝えると、ゆくゆくはどう働きたいのかと聞かれる機会が多く、将来についても深く考えました」
出社が基本だけど在宅ワークもOK
「事務職は出社しての仕事が大半ですが、子どもの急な用事などがあると在宅ワークもできて助かります」
就活中に読んだ本に励まされた!
「有元葉子さんの本にあった"仕事をやるうえで責任を取ることを心がけてきた"といった言葉が、とても心に響きました」
LEE100人隊 TB tokoaさん
「もう一度、就活」がわたしにくれたもの
- 希望に合った仕事に就き、"自分らしく生きている"と思える日々の充実感
- 再就職を機に夫が週末の家事を分担。自分の不満に気づき心が軽く
撮影/伊藤奈穂実 イラストレーション/オカダミカ 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
この記事は2022年1月7日発売LEE2月号『私たちの「もう一度、就活」!』の再掲載です。
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