性教育、始め時は3歳って早すぎませんか?産婦人科医の宋美玄さんと高橋幸子さんが解説【聴く婦人科診察室#24】
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宋 美玄
2021.12.10 更新日:2023.09.05
今週も産婦人科医の宋美玄さんのポッドキャスト連載「宋美玄さんの聴く婦人科診察室」の時間がやってきました! 女性ならではの心や体のお悩みを解決したり、性にまつわる最新事情を解説したりと、充実の内容でお送りします。
今月は「趣味・性教育、特技・性教育、仕事・性教育」の産婦人科医・高橋幸子さん、またの名をサッコ先生をスペシャルベストにお迎え! 5週連続で宋さんと性教育の最新事情について大いに語り合っていただきます。今回は第2週・乳幼児への性教育についてお届けします。
宋さん宅では女性のデリケートゾーンは「お股」で統一
9歳の娘さんと6歳の息子さんの母でもある宋さんの場合、最初に教えたのは「プライベートゾーン」について。宋さん宅では女性のデリケートゾーンの呼称は「お股」で統一。宋さんはよくママ友から「まだ小さい子どもから『赤ちゃんってどうやって産まれるの?」って聞かれたらなんて答えたらいいの?』と相談されるそうですが、「男の子にはおちんちんがついてるけど、女性には何もついてない」ことになっている家庭が多いとか。
それでは赤ちゃんがやって来る仕組みを説明できません。大事なのは「そういう話はしちゃダメ」「コウノトリが連れて来るんだよ」などとごまかさないこと!「この話題はなんとなく聞いちゃいけなさそう……」と子どもにタブー感を与えてしまいます。
プライベートゾーンは「あなただけが触ってもいい場所」
娘さんには「お股は自分の大事な場所だから、お母さんといえどそれは勝手に触らせる場所ではない」と教えた宋さん。自分で洗う方法も教え、洗い方が不十分などして痛くなったりしたら「ママがお股のお医者さんだから特別に診察するよ」と言い、触ったり薬を塗ったりすることがあっても、「基本親といえど触らせない」ことを染み込ませているそう。
それを聞いたサッコ先生からアドバイス。「プライベートゾーンを教えるのが最初の性教育の入り口で良いんじゃないかと思います。が、そのとき『絶対に誰にも触らせない場所だよ』といった伝え方をしてしまうと、本当に診察が必要なときや、将来パートナーが出来てコミュニケーションとしての性の場で『誰にも触らせない場所!』という考え方になってしまい、豊かなパートナーシップに繋がりません。『誰にも触らせない場所』ではなく、『あなただけが触ってもいい場所だよ』『お医者さんに診てもらうときは必要だからね』というポジティブな言い方で小さな頃から伝えるのが良いですね」。
産婦人科医の女医さんあるある
子どもと一緒にお風呂に入ったり、子どもが後追い期でトイレの中にも付いてきたりするときに生理中だと「子どもの方から聞いてくる、これは子どもに教えるチャンス!」と産婦人科の女医さんは思うそう。確かに、お母さんが自分から生理についての話題を切り出す必要がなくなりますね。
早い子だと2、3歳で「赤ちゃんってどうやって産まれてくるの?」と聞いてきますが、それこそ最初の性教育のチャンス! 遅い子にも、最低限10歳までには伝えましょう。
男性の乳首はプライベートゾーンじゃない?
最後に宋さんから「男性の乳首はプライベートゾーンじゃないのか問題。娘をバレエを見に行ったとき、男性ダンサーが上半身裸の衣装を着ていて。それを見た娘から『男の人は乳首が見えてもいいの?』と聞かれ『芸術だからね……』と返してしまったんですが、サッコ先生だったらどう答えますか?」と質問が。
「プライベートゾーンですよ。唇と胸とお尻と性器、この4カ所がプラベートパーツと呼ばれます。男性の乳首については、見せたいか見せたくないか、本人の意志を尊重すると良いですね」(サッコ先生)
次回12月17日(金)は、小学生の性教育事情についてお届けします。お楽しみに!
宋美玄さんへの質問を大募集!
宋さんへのご質問や番組へのご感想は、専用メールアドレス(fujinka@lee.hpplus.jp)宛にお送りください。
過去の放送はこちら!
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イラスト/鹿又きょうこ
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宋 美玄 Song Mihyon
産婦人科医
セックスや女性の性などについて、女医の立場からの積極的な啓蒙活動を行う。メディア出演や著書多数。'17年、丸の内の森レディースクリニックを開業。https://www.moricli.jp/
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