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大掃除をプロに頼む境界線は?「外注お掃除」のメリット&注意点、代行業者探しのポイントを解説!【藤原千秋さんの“おそうじ歳時記”】

  • 藤原千秋

2021.11.19

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もう間もなく大掃除シーズン。去年もぼやいたような気がしますが今年もあっという間でしたね。

ステイホームでちょこちょこ掃除をしていても、気重にのしかかるのが住まいのあちこちにある(×年放置してしまった…)懺悔ポイント。

う~ん、これってやっぱり責任もって自分で大掃除すべき? 無理? お掃除業者さんに頼むべき? 頼まないべき?

などなど悩ましい「外注お掃除」のあれこれについて、今回はお話ししたいと思います。

自分じゃもう無理!「外注お掃除」のメリット&注意点、業者の探し方を解説!【藤原千秋さんの“おそうじ歳時記”】

ずばり目安は緊急性!

さて。しかしこれって大掃除とノンビリ括るので「頼むか頼まないか?」悩んでしまうのであって、切羽詰まったトラブル対応であれば考え込む間もなく「プロに外注!」となるのでは。

つまり外注お掃除、その決め手の一つは、暮らしの中での「緊急性」にあります。

たとえば汚れのせいで、すでに、

  • 異臭
  • 水漏れ
  • 詰まりなど(排水口、排水管、エアコン、雨樋など)

が生じている場合。

自分じゃもう無理!「外注お掃除」のメリット&注意点、業者の探し方を解説!【藤原千秋さんの“おそうじ歳時記”】

また、壁や床、押入れ、ベッド等の

  • 広域にカビが生えている
  • よくわからない地図状のシミが浮き出ている

といった場合。

自分じゃもう無理!「外注お掃除」のメリット&注意点、業者の探し方を解説!【藤原千秋さんの“おそうじ歳時記”】

そこに異臭が伴ったり、

  • 害虫が多数わいている(ダニ、チャタテムシ、ナンキンムシ、シロアリ、ゴキブリなど)

場合などもお掃除切迫度が高いといえます。外注してしまったほうがいいケースです。

また、虫にとどまらず、近年じわじわ増えているのが、

  • (家の内外で)ネズミが目撃されている

という場合。これは衛生的にも、火災の恐れなどの上でも、すでに危険な状況なので軽視せず、掃除に加えて害獣駆除業者さんを頼んだほうがよいでしょう。

さらにここに、

  • 雨漏り
  • 漏電
  • 床浮き

などがあると、住む(生きる)うえでの安全そのものが脅かされている状況と言えますので、速やかにプロの手を借りるべき時と言えるでしょう。

自分じゃもう無理!「外注お掃除」のメリット&注意点、業者の探し方を解説!【藤原千秋さんの“おそうじ歳時記”】

また、ここまで現状切羽詰まってはいないけれど「汚れ」がどうも気になるという場合は、「そこに触れていなかった期間」を目安にするのも一つです。

例えばキッチンのレンジフード、換気扇、それから浴室の浴槽エプロン裏など、

  • 3~5年以上放置してしまった

場合などは、汚れの蓄積度合いが相当進んでいると推察できますので、もう自力での大掃除はそもそも無理かも知れません。

特に浴槽エプロン裏にはヘドロが溜まりチョウバエなどの虫がわいていることもありますし、広域にカビやバクテリアが繁殖しているという懸念もあります。

自分じゃもう無理!「外注お掃除」のメリット&注意点、業者の探し方を解説!【藤原千秋さんの“おそうじ歳時記”】

あたりまえの道理ではあるのですが、掃除をしなかった時間の長さと、汚れの量は比例します。蓄積するのみならず、カビやバクテリアなどは生き物なので環境が整っている限りは増えてしまいますし、虫も同様です。カビやバクテリアは環境の分解者です。汚れるのみならず諸々「壊していく」存在なので、放置するのは家を傷めることと同義なのです。

外注お掃除のメリットとは?

さて、ここまで読んできてすでに思い当たる節があり、「まずーい!」という気持ちになっているあなたの、その「手」を使わずに気重な汚れを除去できるというのが、言わずもがな外注することの最大のメリットです。

プロの多くは現場の場数を踏んでいますし、使い慣れた特殊な道具や洗剤を駆使、限られた時間内で仕事を終えますので、素人である自分で掃除をするより確実に作業が時間的に「早い」ことでしょう。呆然としてしまうほど汚い場所をものの数時間で綺麗にしてもらった時の感動はなかなか表現しがたいものがあります。

外注お掃除の注意点とは?

一方、外注掃除にはデメリット、注意点も存在します。そもそも外注する時点で費用が発生しますが、その値付け、作業内容が案外千差万別なので、どれくらいが妥当なのかよくわかりにくい点がまず不安だという方も少なくないと思います。

難しいのは依頼する側の状況(汚れの度合い)もケースバイケースである点。そして掃除に来られる方のスキルもまた個人差があります。

その隙間を埋めるため事前の下見(見積もり)を設けている業者さん、逆に一切合切定価で作業としている業者さんもあります。

状況にもよりますが、「汚れを落とす」際に「本体が傷む」ことはある程度覚悟する必要があるでしょう。塗装が剥げたり、傷がついてしまったり、また掃除の作業中に在宅している際に洗剤などの臭いによる体調不良の可能性もままあるので注意したいところです。

女性一人が在宅している場に男性が来ることに不安がある場合、自分以外の家族の在宅時に外注のスケジュールを合わせる等の調整が必要になるかもしれない点も忘れずおきたいですね。

掃除箇所によっては、その場に特化した業者さんの方がよりよいこともあります。例えば換気扇、エアコンやドラム式洗濯機といった電気系のお掃除は、各々専門にした業者さんほど失敗リスクが低い傾向があります。

自分じゃもう無理!「外注お掃除」のメリット&注意点、業者の探し方を解説!【藤原千秋さんの“おそうじ歳時記”】

家全体のお掃除含め一気呵成に、といった頼み方をすべきかどうか思案するところです。



業者さんはどうやって探す?

そしておそらくなにより最大のハードルが、「どこ(誰)に頼めばよいのか」?

しかし、これはお住いのエリアや予算帯にもよるため、なかなか「コレ!」と言えません。ごめんなさい。

私が個人的に参考にするのは、実際の知り合いによる口コミ。また作業者の顔や名前など身元が明らかであること、実際の現場の記録が残されていること(ホームページなどでの閲覧が可能かどうか)、作業の方法や手順、使用洗剤などの情報が明らかであること(ホームページなどでの閲覧が可能かどうか)、そこから作業者の知識が諸々から伺えること。業務が継続している年数なども含めて総合的に判断して依頼先を決めています。

自分じゃもう無理!「外注お掃除」のメリット&注意点、業者の探し方を解説!【藤原千秋さんの“おそうじ歳時記”】

マンションなどの集合住宅では、管理会社と取引のあるクリーニング業者があるはずなので、その系列に頼むのが比較的早道ではあるかと思います。

外注お掃除は勉強の一種?

近年の住宅は全体的に機能が向上している反面、ブラックボックス化している設備も多くなっており、おそらくどんなに神経質に普段の掃除をしていたとしても全て自分自身で手を入れることができない状態であるのが「ふつう」になりつつあります。

それがいいことか悪いことかなかなか難しいところですが、時にプロのお掃除が必要になってもそれを自分の不行き届きと恥じる必要はないということです。

業者さんの作業、邪魔にならないよう、そばでつぶさに見るのも勉強になり面白いものです。うまくすればそのワザ、日常に活かせるかもしれませんよ?!


LEE本誌や、LEEwebでも大活躍中の家事スペシャリスト、藤原千秋さん。早目に知っておくと安心な“おそうじ”の豆知識や実践テクを、季節先取りでお届けします。次回もお楽しみに!

藤原千秋 Chiaki Fujiwara

住生活ジャーナリスト、ライター

掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。

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