落ち込みやすい自分の機嫌の取り方を知りたい
ふわふわさん(以下ふわふわ):落ち込みやすく引きずりやすい性格です。人から些細なことでも注意されたとき(特に性格的なこと)と、複数人いるシチュエーションで輪から外れているor会話の流れに乗れていないと感じたときは特に……思い返すと若干辛さが蘇るレベル。だいたい2~3日ひきずり、自分でも情けないのですが、現実的にお腹を壊したりして寝こむときもあります。言われて嫌だったことは感情を含めて無駄に覚えてしまっていて、幼稚園時代までさかのぼれます(笑)。そしてそんな自分に嫌気が指す……という負の無限ループに陥りがちです。
佐藤ブゾン貴子さん(以下ブゾン):ふわふわさんの顔を正面から見ると額がまん丸として広く、想像力豊かなことが表れてます。その上、横顔を見ると耳を境に前:後=1:1で、子どものような豊かな想像力の持ち主であることが分かります。肌がすごくきめ細かくお綺麗ですね。きめ細かい肌は感受性がもろい、敏感すぎる傾向があることを表します。思考ゾーン拡張タイプで理想主義かつ完璧主義なので、理想が現実化されないと納得できない。そして理想と現実のギャップが埋められない自分が嫌! 一番すべきなのは、そのギャップを埋めることです。お仕事は何を?
ふわふわ:自宅で翻訳業をしていて、取扱説明書などを英語から日本語に翻訳しています。
ブゾン:それは顔の特性からすると向いてないですね。翻訳業は良いとしても、現状のような現実的な内容よりも、絵本や小説など、直訳できないような、表現力や想像力を働かせるような内容の方が向いています。
想像の中に逃げ込むことでやり過ごしてきた
ふわふわ:そうなんですか!? 自分で言うのも何ですが、いわゆる優等生タイプ、学級委員タイプだと言われることが多かったのでとても意外です。
ブゾン:確かに思考ゾーン拡張タイプなので、理論立ててロジカルに物事を考えるのが得意でしょう。なので学級委員タイプなのは納得です。逆に何事にも理由が欲しい。それこそ誰かにネガティブなことを言われたら、とにかくその理由を探る。でも、ネガティブな言葉を投げかけた本人に直接その理由を聞かず、勝手に想像を働かせてネガティブに捉えてしまう傾向があります。他人とのコミュニケーションにおいても「こうあるべき」と確固たるものを持っていて、そこに当てはめてしまう、でもそれは現実ではない。現実と妄想を見分ける練習をしましょう。過去のコミュニケーションで満たされなかった経験があるのでは?
ふわふわ:思い当たる節があります……そんなことも分かるんですか!?
ブゾン:長年満たされたなかったことに対する不安を、想像の中に逃げ込むことでやり過ごしてきたんですね。良い意味でも悪い意味でも想像の中が逃げ場、そうやって自分を守ってきた。それは今までのやり方で、その積み重ねが今という瞬間。でも未来は今作るものだから、これからは今までと違うやり方を試してみては。素晴らしい想像力はこれまでの経験で養った産物なので、今後はポジティブな方向性に活かしましょう。そして現実なのか妄想なのか見極めて。そうすれば生きやすくなりますよ。
夫は思考ゾーンと感情ゾーンの二重拡張タイプ
ブゾン:ふわふわさんは鼻筋が細く、愛情をあまり取り入れられないんです。友人はたくさんいなくても、一人分かってくれる人がいればいい。理想も高いし、無理に周りに合わせたり人付き合いしなくてOKです。むしろ自分のスタイルを確立した方が良いでしょう。そして、他人に自分の「こうあるべき」という理想を押しつけないように気をつけて。
ふわふわ:それ、やっちゃいます、特に夫に対して。
ブゾン:思考ゾーン拡張タイプのふわふわさんは、ロジックで会話を進めようとしてどうしても言葉が冷たくなりがち。彼は思考ゾーンと感情ゾーンが二重拡張していますね。モーターが二つある、複雑なタイプなんです。上手く回さないと満足できない。自分はロジカル人間だと思いたがるけど、実はそうではなく、共感が欲しい、褒めてもらいたいんです。クールさを演出しているけど、実際は寂しがり屋。だから常に褒めてあげて! 感謝の言葉、彼の存在価値や承認欲求を満たす声がけをしてあげましょう。
ふわふわ:確かに夫はロジカルな面もありますが、褒められると嬉しさが隠せない面も(笑)。でも上手く声がけできるかな……?
ブゾン:いきなりやるのは難しいでしょうから、少しずつ練習しましょう。夫を練習台にすれば、そのうちお子さんにも良い影響がありますから。愛情表現を学ぶことにより、お子さんとのコミュニケーションも大きく変わるはず。
ポジティブ翻訳で、結果的に自分が楽になる
ふわふわ:子育てをしていると、たまに自分が嫌だと感じたことがある態度で子どもに接してしまいそうになることがあって……葛藤して、グダグダに疲れるんです。今まで経験してきた嫌なことをずっと覚えていて、それが頭の中でグルグル絡まってしまって、でもそれを夫に説明しても「わけがわからない」と言われてしまうんです。
ブゾン:それは自己防衛反応。同じような経験を二度としたくない、その防御として記憶しているんです。ふわふわさんのように丸々とした綺麗なおでことパッチリした目、この二つのパーツが揃っている人はものすごく記憶力が良い、アインシュタインもそう。その上、自己防衛反応が働いて輪をかけて記憶力が良く、きめ細かい肌で感受性の敏感さも持ち合わせている。頭の中でグルグル絡まってしまっている記憶を、きっちり整理する練習をしましょう。どうしてもネガティブに転びやすいことを自覚して、今度は豊かな想像力で相手のポジティブな面を引き出してみて。例えば「うるさい子ども」→「元気な子ども」などと変換してみる。ロジックを操るのが上手なことを利用すると良いでしょう。
ふわふわ:それって翻訳作業みたいですね。
ブゾン:まさしく! このポジティブ翻訳によって他人に対する寛容性が育まれ、広い視野で相手を見られるようになり、結果的にふわふわさんを楽にしてくれます。残念だけど誰も自分を変える手助けはできないし、自分が変わろうと思わない限り変われません。頭の中だけでぐるぐる考えても何事も結局現実化されない、結果自信が持てない。だからと言って、ふわふわさんの顎先を見ると平らで、野心が全くないわけではない、だからどんどん思ったことを形にしてほしいですね。翻訳だけでなく、頭の中で思い描いていたこと、今までの喜びや悲しみを吐き出した方が良い。物語を書いてみるなど、ロジックの力で形にしてみては?
長年の感情の発露を文章化して客観視する
ふわふわ:書いたことはないけど、憧れはあります。文章を書くのは好きです、LEE100人隊のブログを書くのも好きですし。でも自分の気持ちをアウトプットすると今の時代、色んな形でリアクションが来るのが怖いな、と思っちゃうんですよね。
ブゾン:確かに書き始めるときの怖さってありますよね、それもきっちり書いてみては。……って、現時点ではまだ書き始めてもいないから、それはまだ妄想ですよ!(笑)まだ世の中に出てないのに批判も何もないでしょ。それに世の中は十人十色、リアクションも「攻撃」ではなく「意見」として受け止めて。たしかに批判と批評の境目は曖昧ですが、でもそれも自分の受け止め方次第だし、それを受け止めるには寛容性が大事。他人のリアクションもポジティブ翻訳すれば、その積み重ねで「攻撃」だと思っていたことも「意見」として捉えられるようになりますよ。
ふわふわ:自分は順序立てて考えるタイプだと思い込んでいたことに気づきました….その「考え」の大部分が妄想だったんですね。恥ずかしくなってきました!(笑)
ブゾン:それもポジティブに捉えればいいだけ。ただ、頭の中だけで完結させないこと。ふわふわさんには物を作ることが向いているけど、やっぱり文章で表現するのがいちばん良いと思います。思考ゾーン拡張タイプなので、目からポジティブな刺激を入れるのが効果的。長年の感情の発露を文字に起こして客観的に見てみる、もう一度目から入れることによって、「そうだったのか!」と自分の中で綺麗に落とし込めるかもしれません。臭い物に蓋じゃないけど、その蓋を外して見てみた方が断然生きやすくなります。
ふわふわ:ありがとうございます! 光が射してきたような気がします。せっかくなら書いてみようかなと思います。
ふわふわさんアフタートーク
対談後、ネガティブな気持ちが出てきたときに「どこまでが事実で、どこからが妄想=考えすぎなんだろう?」と立ち止まるよう心がけるようにしています。以前は5mくらい落ちこんでいた所を、3mくらいで踏みとどまれるようになったような(笑)。
ブゾンさんの言葉は、自分が隠していた部分を的確に指摘するものでも、ポジティブさに溢れていて、とても素晴らしい経験になりました!お話の内容をまとめたメモは、一生の宝物です。
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イラスト/つぼゆり 取材・文/露木桃子
佐藤ブゾン貴子 Sato Bouzon Takako
相貌心理学スペシャリスト
相貌心理学スペシャリスト、1975年生まれ。アパレルの勉強のため渡ったフランスで相貌心理学に出会い、世界で16人、日本人初となる相貌心理学教授資格を取得する。帰国後は相貌心理学の顔分析を用いてセミナー、講演、メディア出演など、多角的に活躍。近著には『あなたの顔には99%理由がある』(河出書房新社)『ビジネスは顔が9割』(祥伝社)がある。問い合わせはhttp://a-cura.net/bouzon/まで。
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