「義母と同居しない方が良い、それはワガママじゃない」と相貌心理学教授・佐藤ブゾン貴子さんが断言する理由〈義理親との関係編②〉【「顔」でお悩み相談】
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佐藤ブゾン貴子
2021.08.18
遠方で一人暮らしの義母を呼び寄せた方がいいの?
たかなさん(以下たかな):今年の1月に九州在住の義父が亡くなり、義母が一人暮らしに。コロナの影響で会いに行くのも難しく「一人で寂しくないかな……」と心配で。夫もやはり心配なようで「こちらに引っ越して来れば?」という話もしたそう。私も、近くにいてくれたら安心だと思っています。が、義母からは「住み慣れた場所を離れたくない」という返事が。義母との関係は良好で何でも話せる仲。最近はたまに娘達とテレビ電話で話しています。
佐藤ブゾン貴子さん(以下ブゾン):結論から言うと、お義母様とは一緒にいない方が良いですね。その理由は、単純にお二人のエネルギーの違い。お義母様は輪郭どっしりのディラテでエネルギー量が豊富、みんな時間優先。一方でたかなさんは輪郭細めのレトラクテでエネルギー量少なめ。ゆえにエネルギーを使う相手や状況をしっかり見極める必要があるし、どうしても自分時間優先になります。みんな時間優先のお義母様は、たかなさんのテリトリーにどんどん入ってきます。お義母様と今後も良好な関係を続けることを優先したいなら、一緒に暮らすことは止めたほうが良い、上手くいかないですよ(キッパリ)。なのでお義母様を期待させるような発言はしない方が良い、悲しませることになるので。
たかな:一緒に住まなくても、近所に越してくるのもダメですか?
ブゾン:一緒に住まず、近所に住む分ならまだ良いでしょう。お義母様とは適切な距離感を保ち、たかなさんは自分のテリトリーを守るべし。それはワガママではないんです! たかなさんは感情ゾーン拡張タイプで感情にものすごく左右されやすいですし、自分が心穏やかでないと他人にも優しくできない傾向がありますから、自分時間を守れる環境が必要なんです。
義母と長女の間にわだかまりがある?
たかな:義母とは良好な関係を保ち続けてきていたのですが、実は長女(小1・6歳)と過去に色々ありまして……。次女(2歳)を妊娠中、長女は3歳だったのですが、切迫早産で自宅で絶対安静を言い渡されていたため、義母が泊まり込みでお世話に来てくれました。でも長女は私と思うように遊べなかったり妹が産まれる不安からか、義母にとても冷たく当たりひどい態度を取るように。「ばあばに謝りなさい!」と叱っても頑なに謝らず、義母が泣いてしまったことが。今となっては長女はそのような態度は取らなくなったのですが、テレビ電話中など、今でも義母が長女にだけ気を遣っているような感じがして……わだかまりが残っているのではないか、と少し心配しています。
ブゾン:娘さん、何か心配事を抱えていませんか?
たかな:今年の4月から小学校に行き始めたんですが、学校の先生とあまり上手くいっていないようです。つい先日も学校の準備中に突然泣き出して「私は先生に嫌われてる!」と言い出したり。お友達とは仲良くやっているようですが。
ブゾン:娘さんの顔を見ると、年齢には早い左右非対称が現れています。顔の利き手側が現在、反対側は過去を表します。利き手である右側が全部下がっていて、彼女にとって現実が全く思い通りでないようです。横から見ると頬の肉付きが平らで、コミュニケーションを遮断して心を閉じている状態を表しています。輪郭や顎先はたかなさんと同じく細めのレトラクテなんですが、それにしてもちょっと細すぎて……自分自身に全く自信がない。このままでいると自分の内側に閉じこもってしまいます。
長女の「感情」を聞き出してあげて
たかな:あー自信ないですね、長女……一体どうしたら?
ブゾン:早急に動物を飼いましょう。小動物でもOK。動物を面倒見ることで、自分の行為に動物が反応し「私がいないとこの子生きていけない!」と思うようになり、自分の存在価値を見いだし、ひいては自信に繋がります。たかなさんは想像力豊かで、頭の中で勝手な想像を膨らましてしまう傾向があります。想像や先入観は一度捨てて、現実をしっかり見つめて。一度学校の先生にコンタクトを取ってみては。そして娘さんは何らかのサインを出しているはず。娘さんときっちり向きあって話を聞いてあげましょう。
たかな:もっと話を聞いてあげた方が良い、ということでしょうか? 長女は無口なタイプではなく、学校から帰ってきたら毎日必ず「今日こんなことがあった」「◯◯ちゃんがこんな面白いことした」など、その日の出来事をよく喋ってくれます。
ブゾン:お話ししてくれたことについて「じゃああなたはそれは嬉しかった? それとも哀しかった?」など、感情を聞き出すことを心がけて。例えば学校の先生と上手くいかなかったときなど、フラストレーションを上手く言い表せなくても、娘さんの知識の範囲の語彙で「哀しい」「嫌だった」など感情をアピールしてくるはず。それをたかなさんがキャッチしてわかってあげて、一番の理解者になってあげましょう。まだ6歳で柔軟性があるので、本人にとって心地良い環境を作れば、軌道修正はそこまで大変じゃないはず。多感な思春期になると、今よりもっと難しくなってしまいますし、今のうちに。
たかな:確かに「今日は何があったの?」という話だけ聞いて、感情まで落とし込んで聞いていませんでした……。
自分に自信がないから「良い子」になる
ブゾン:たかなさんが娘さんの「ラン活」についてポストしたブログを拝見したところ、娘さんは「ママの好きなランドセルがいいよ」と言ってたそうですが……「良い子」になって頑張っちゃってますね。自分に自信がないから「良い子」になることで、自分の存在価値を親御さんに認めてもらいたいんです。「いちばん身近にいて自分を守ってくれる存在はお父さんお母さんしかいない、その二人から見捨てられたら自分はどう生きたらいいの?」と本能的に察知して、「良い子」になる。娘さんが嫌がるようなことを強制していませんか?
たかな:そういえば……夫が「運動神経の良い子に育てたい」と、長女が3歳ぐらいのときに体操教室に通わせていたことが。行くのを嫌がって、でも月謝も安くないこともあり「頑張って行こう」と無理に行かせたことがありました。ちょうど私が次女を妊娠中で、義母と色々あった時期と重なっています。引っ越しを機に体操教室は辞めて、今はダンス教室に通っています。楽しそうだけど、同じクラスの子たちより遅く入会したのであんまり上手に踊れない部分もあって。それを指摘したことはないし「上手になったね」といつも声がけしているんですが、「私は情けない1年生だから……」と突然言い出したり。その理由が私にはよくわからなかったんですが、それもきっとちゃんと長女の感情を聞き出せていなかったんですね。
親の「自信のなさ」を、娘も見ている
ブゾン:たかなさん自身も、自分にあまり自信がないでしょう?
たかな:私、自分に自信ないです。
ブゾン:それを娘さんも見ているんです。たかなさんはその自信のなさを、感情の勢いで補うタイプ。感情ゾーン拡張タイプで感情的な部分があるので、同じ状況下でも感情の動向で発言が変わる傾向があります。でも子どもは経験値がないから、一体何が正解だかわからなくなってしまいます。なので娘さんへの言葉には一貫性を持たせて。そして娘さんの自信を育むと同時に、たかなさんの自信も一緒に育んだ方が良い。例えば、娘さんと一緒に習いごとを始めるとか。一緒にやることで励まし合うことができるし、共感もできるし、娘さんはお母さんが頑張ってる姿を見て「私も頑張ろう」と思えるし。一人よりも二人の方が心強いですし、娘さんもきっと喜んでくれるんじゃないかな。また、自信がないときは、自分をが励ます言葉を口に出して、自分の耳から入れてあげて。感情ゾーン拡張タイプのたかなさんは、耳から入る言葉にとても影響を受けやすいので、「私大丈夫、私だから出来る!」と、声に出してみましょう。
長女との一件、義母はもう忘れてるから大丈夫
ブゾン:お義母様と娘さんの一件ですが、お義母様はきっともう忘れてると思います。お義母様は鼻の肉付きが薄く、感受性の敏感さが表れています。ゆえに当時はとても傷ついたと予想されます。ですがディラテでもあるので、エネルギー量豊富で傷ついてもリカバリーできるし、根に持つタイプでもありません。一方でたかなさんはレトラクテで、強烈な印象の出来事を頭に焼き付ける傾向が。ネガティブな出来事をいつまでも覚えていて、それゆえテレビ電話でのお義母様の娘さんに対するちょっとした言葉尻が引っかかってしまったり……。でもお義母様は気にしてないから大丈夫!
たかな:良かったです……! ご指摘の通り、嫌なことをなかなか忘れられなくて折に触れて思い出してしまうんですけど、改善できますでしょうか?
ブゾン:しなくて良いです、だからこそ無駄なエネルギーを使わずに済んでいますし。それは自己防衛反応ですから。
たかな:てことは、悪いことじゃないってことですね?
ブゾン:そう! だからネガティブに考えないように。ネガティブな物事が目に付いても、それを頭の中でポジティブに変換する練習をしましょう。例えば「神経質な人」はポジティブ変換したら「気配りのできる人」、「がさつな人」は「大らかな人」、といった具合に物事には二面性がありますよね。娘さんとゲーム感覚で楽しみながら、ポジティブ変換の練習をしてみては。
いじわるな姑を最期までお世話した義母
たかな:いやーすごい! その考え方、大好きです(笑)。義母はずっと働き続けながら息子二人を育て上げました。夫の祖母との嫁姑問題がすごかったそうです。夫の祖母と同居してたらしいけど、とにかくいびられて。でも夫の祖母が103歳で亡くなるまで、最期までお世話して見届けて。「(いびられていた)当時はすごく恨んでたけど、今は私のこと頼ってくれてちょっと可愛いなと思えてきた」と。「すごいお義母さんだな」と思いました、尊敬してます。
ブゾン:お義母様がいじわるな姑とやっていけたのもディラテの特性ゆえ。エネルギー量があるし、忘れられるから。お義母様のこと、もっと褒めてあげた方が良いですよ。「距離は離れてるけど、お義母さんと気持ちは繋がっていますから。だからこそ私たちも頑張れます」など、「一人じゃないんだよ」ということを常に意識して声がけをしてあげると、とても喜んでくれます。お義母様はルーティン好きなので、娘さんがもうちょっと大きくなるまでは、頻度を決めて定期的にテレビ電話でコミュニケーションを取ることもオススメします。
自分に自信がなく、発する言葉が弱かっただけ
たかな:勇気を貰いました、ありがとうございます! 大丈夫、私できる! 今日から耳に入れなきゃですね。私は自分で自分を追い込みがちで。結婚相談所を経営しつつ、それだけでは集客が難しいのでパーソナルカラー診断士としても活動しているのですが、きっと娘達と一緒にいても、頭の中は仕事でいっぱいだったんだろうな……泣けてきちゃった。
ブゾン:大丈夫大丈夫! これまでお仕事が上手くいかなかったとしたら、それは自分に自信がなく、発する言葉が弱かったから。足りなかったのはそれだけ。たかなさんはコミュニケーション能力がとても高いしお世話好き、なので結婚相談所のお仕事はとても向いています。だから自信持って! 娘さん達は頑張ってるお母さんをちゃんと見てるし、そんなお母さんのことが大好きですから。今色々気づけたから、これから少しずつ家族みんなで手をつなぐ力を強めていけばいいんですよ。
たかなさんアフタートーク
ブゾンさんとの対談後、義母とは以前と同じようにたまにテレビ電話したり娘たちともお話する時間を持ってもらったりしています。ブゾンさんから義母のことはそんなに心配ないと言われその後安心して娘とのやり取りも見ていられるようになりました。そして近くにいない方がお互いのためになるということで、私がずっと抱いていた「義母を近くに呼んだほうがいいんじゃないか」という気持ちに区切りをつけることができました。
そして、長女のこと。生き物を飼うといい!というアドバイスを実践すべく娘に提案しました!鳥やハムスターはどうかな?と思ったのですが「糞の世話をするのが嫌だ!」と・・・(笑)ちょうどその頃、学童でメダカを飼いたい人は分けてくれるというお声がけがあったので娘に聞いてみると「メダカなら飼いたい!」とのことで飼い始めました。餌などのお世話は長女が中心で、名前をつけて可愛がってくれています。
あとは習い事を一緒にするのも良いとアドバイスをいただいていたのですがなかなか私が時間が取れないので、長女が習っているダンスを長女が先生になって私に教えるという時間を設けることにしました。私もちょっとダンスへの憧れがあったので楽しいです♪ 娘が自分の存在価値を見出すきっかけになると良いなぁと思っています。
“顔”で解決したい
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イラスト/つぼゆり 取材・文/露木桃子
佐藤ブゾン貴子 Sato Bouzon Takako
相貌心理学スペシャリスト
相貌心理学スペシャリスト、1975年生まれ。アパレルの勉強のため渡ったフランスで相貌心理学に出会い、世界で16人、日本人初となる相貌心理学教授資格を取得する。帰国後は相貌心理学の顔分析を用いてセミナー、講演、メディア出演など、多角的に活躍。近著には『あなたの顔には99%理由がある』(河出書房新社)『ビジネスは顔が9割』(祥伝社)がある。問い合わせはhttp://a-cura.net/bouzon/まで。
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