ジェンダー、女性差別、貧困、性教育、政治……と各分野に詳しい、映画ライター・編集者のよしひろまさみちさんがおすすめ作品をセレクト。ストーリー性が高く、楽しみながら考えさせられる作品ばかりです。
映画ライター・編集者 よしひろまさみちさん
女性誌、Webサイトなどで多数の連載を抱える映画ライター。ラジオ出演や『スッキリ!!』(日本テレビ系)では映画紹介のレギュラーも担当している。
映画ライター、よしひろまさみちさんには、自身がゲイであるという当事者の立場も踏まえて、性的マイノリティやジェンダー問題を扱った作品をセレクトしてもらいました。
「セクシュアリティとジェンダーに関する差別は、確実になくさなければならない問題。差別と偏見がある世界からはいじめや格差などの理不尽な問題はなくならず、あらゆることに通じます。守らねばならないのは、伝統や格式、時代に則さない価値観ではなく、人道と人権、そして命。価値観を変えることでしか解決できないと痛感します。
映画やドラマで、性的マイノリティを特別な存在として扱っている作品はまだ多く、こういった作品はすべて“古い”と思っていいかと。旧来のLGBTQ映画は死をもって終わるような悲劇的な作品が多い中で、『ゴッズ・オウン・カントリー』は、それとはまったく違う、さわやかな幕引きが心地いい。性的マイノリティ当事者は、社会の一員として当たり前に描かれることを望んでいます」(よしひろまさみちさん)
映画 【ゴッズ・オウン・カントリー】
2人の孤独な男性の愛を描く物語、さわやかな幕引きにはあっぱれ
「大自然の中で求め合う、2人の孤独な青年の愛を描く物語。2005年の映画『ブロークバック・マウンテン』は至上の傑作ですが、まだ性的マイノリティへの理解度が低かった時代の作品であるため、今見ると『古!』と思う人もいるかと。そのアンサーともいえるのが2017年公開のこの作品です。設定や主人公の抱いている苦悩は、ほぼ『ブロークバック・マウンテン』と変わりないものの、現代の価値観にアップデートされた展開とエンディングは見ていて爽快!」(よしひろまさみちさん)
ドラマ 【ザ・プロム】
超エンタメ作品として楽しませながら、性的マイノリティの悩みをあぶり出す
「同性の恋人とプロムに行きたい女子高生を応援するために、落ち目のブロードウェイスターたちが乗り込んできます。超エンタメ作品ながら、性的マイノリティのティーンが抱える問題をしっかりあぶり出していて見事です。俳優のバリーが、自分がカミングアウトしたことによって親子関係がうまくいかなくなったと吐露するシーンは印象的。それが映画のラストにつながる演出も○」(よしひろまさみちさん)
【特集】映画・ドラマで価値観をアップデート
詳しい内容は2021年LEE7月号(6/7発売)に掲載中です。
取材・原文/野々山 幸(TAPE)
※商品価格は消費税込みの総額表示(2021年6/7発売LEE7月号現在)です。
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