「広がりうねり」、解決できますか?
Q:太くてうねりがあり、湿気ですぐ広がります。特に梅雨の時期、夏に汗をかいたあと困っています。広がりを抑えるケア用品の選び方や、ケアの仕方を知りたいです。(カヨさん)
A:クセやうねりをケアする方法教えます!
家を出た時はちゃんといい感じだったのに、一歩外に出たら大変なことに……! そんなうねり髪やクセ毛の人にとっては鬼門の湿気のシーズンがやってきました。
実はここ2~3年、クセやうねりに関する技術や製品が一気に進歩して、サロン界でもヘアケアコスメ界でも「うねりケア」がちょっとしたブーム。これらを利用しない手はありません。いろいろなアイテムが出そろった今年の梅雨はうねりをどうにかするチャンスなんです!
日本人に多いくせ毛のタイプとしては、
- カヨさんのような、“広がって”うねる系
- もしくは、“ペタンとして”うねる系
のどちらかに大別されます。
まずはそれぞれのうねりタイプ別にホームケアをご紹介します!
広がってうねる系とは?
硬くて太い、いわゆる剛毛。エイジングによるチリつきを感じる髪もこのタイプ。普段からツヤ不足気味で、湿気のある日は髪が広がってまとまりにくい、という傾向のある人です。
このタイプの髪は基本的に髪内部の水分量が足りず、パサつきやドライ毛ということが多いようです。そんな水分不足のうねり髪が湿気の多い戸外に出ると…キューティクルの内側にどんどん水分を吸収してしまいます。
すると、毛髪内で空洞化などのダメージを起こしている部分には水分が集まり、ダメージがない部分の水分量は変わらないという、場所によって質量の偏った髪になってしまいます。湿度によるうねりや広がりは、このアンバランスな状態が引き起こしているんです。
「広がり系うねり」さんの対策は保湿と補修
ということで、まずは髪を保湿したいのですが、最近のシャンプー&トリートメントはぐんと進化していて、単に髪の外側をコートするだけのものではなく、ダメージ部分を選択的に補修するヘアケアアイテムが増えてきました。
例えば、今人気のケラチン系のヘアケアもそのひとつ。ケラチンとは髪の大部分を構成しているタンパク質で、それを欠落した部分にダイレクトに補給しようというわけです。
広がり系うねりさんにオススメ!
ペタンとしてうねる系とは?
柔らかくて細い、ネコっ毛系が多く、髪が肌に張りつくようにうねっていて、ボリュームが出にくい。湿気があるとペタンと寂しくなりやすい、というタイプの人です。
こちらは、雨の日や汗をかいた後など、生え際の髪のうねりがひどくなったり、トップがペタンとしてしまうというお悩みの場合。もともと髪が細くて柔らかく、ハリコシ不足な髪質のために、髪がしっかり立っていられないというイメージです。
「ペタンコ系うねり」さんの対策はハリコシアップ
まずは髪を強くすること! 広がり系うねりさんと同じ。ケラチン系もいいですし、ハリコシを高めるエイジングケア系のシャンプーや、スカルプケアに特化したものも根本ケアとしておすすめです。
また、太くて健康な髪が生えてくるための生活スタイルにもそろそろ目を向けて。頭皮の血行を促すためのマッサージやインナーケアを習慣にするのもいいですし、髪や頭皮環境を整える食生活は、肌はもちろん体全体にとってもいい影響を与えてくれるので、長い目で見た対策も始めていきたいですね。
ペタンコ系うねりさんにオススメ!
うねらないようにするには
乾かし方が重要!
髪を洗った後はドライヤーで根元からしっかり乾かします。内側が乾いたら、最後に、手ぐしを通しながらドライヤーの温風を頭頂から毛先方向に向かってかけ、仕上げに冷風を当てて。
根元を先にざっくり乾かしてから中間から毛先は「引っ張り乾かし術」を。内側から手ぐしを通し、頭頂から毛先方向に軽く引っ張りながら温風をかけます。最後は冷風で仕上げて。髪は乾く時に形がつくので、夜ここまでやっておくことで朝が楽になりますよ。
また、「ペタンコ系うねり」さんは、先に根元にドライヤーをあて、ブラシで髪を起こして立ち上がるようにします。マジックカーラーやカールドライヤーを使うのもおすすめです。
うねり髪さんのアウトバスケア
そして、この時期はアウトバストリートメントやスタイリング剤など、髪をコーティングするものを必ずつけて。重くなりそうなら、セットスプレーだけでもOKです!
何もつけていない素の髪は水分をどんどん吸ってしまい、ますますうねりが進行してしまいます。ただ、オイルは種類によっては髪が吸い込んで効果が長く続かないことも。撥水性のあるものや、ウエットに保つものなどなら大丈夫!
「ストレートパーマをかけるか否か」問題。
話題の“酸熱トリートメント”とは?
今、話題の多いサロンケアもご紹介しましょう!
湿気の広がりを防ぐために、この時期はストレートパーマをかけるという人も多いですよね。でも、ここ数年は「サロントリートメント以上、ストレートパーマ未満」のようなメニューが増えていて、これで大抵のうねりやクセは十分乗り切れる! と話題です。それが「酸熱トリートメント」といわれるもの。名前の通り、「酸」を塗布して「熱」(アイロンなど)で仕上げるトリートメントです。
たとえば、資生堂プロフェッショナルのシステムトリートメント、「サブリミック サロンソリューション」。以前、私もこのテクノロジーを体験しましたが、広がり系くせ毛の私の髪がびっくりするほどツルツルになって、それでいてちっとも重くならず、サラサラな仕上がりになるのに驚きました。
茶道を思い起こさせるようなサブリミック サロンソリューションのトリートメントで使われるツールたち。ワクワクしながらも、なんとなく神聖な気持ちに!
トリートメントは丁寧に作られた泡のクレンズケアからスタート。髪表面の見えない汚れを落とすケア。
よくあるこのアフターツルツルチェック(笑)。まさか私が…と思いながらも、これがやりたくなっちゃうくらいつるんつるん。お家ではサブリミックのホームケアも続けましたが、効果がかなり長く持続するのを感じました!
ストレートパーマだと髪を巻いてもうまくクセがつかなかったりするのですが、これはパーマではなくトリートメントなのでアレンジも自由自在。もちろんダメージどころか、何度も指をとおしたくなるほどの手触りとツヤが出て、とても扱いやすくなります。
今、多くのプロブランドがこの酸熱トリートメントを推しているので、みなさんの通っているサロンにも導入されている可能性は大。ぜひ美容師さんに聞いてみて!
伊熊さんへの質問募集中です!
大人女性の髪悩みの救世主、伊熊さんへの質問大募集中です! 少しずつですが、お答えしていきますので、ぜひ質問を送ってくださいね!
伊熊奈美 Nami Ikuma
毛髪診断士・美容エディター
毛髪診断士の資格を持つ美容エディター。雑誌や書籍の編集・執筆のほか、セミナー講師やヘアケア製品開発にも携わる。大人女性のヘア情報サイト『HAIRISTA』を監修。1男の母。
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