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LIFE

高木綾子

「チームラボ 福岡城跡 光の祭 2019-2020」 家族で楽しむ幻想的な冬の夜

  • 高木綾子

2019.12.29

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先日、年末年始の繁忙期を避け、福岡旅行に行きました。

福岡といえば「アジアの玄関口」。観光客で賑わい活気にあふれ、グルメも見所も沢山!そして街全体がコンパクトなので移動に時間がかからず子連れには本当に計画が立てやすい!!

今回は、ガイドブックには頼らす、SNSで繋がっている友人達にお勧めを聞いてみました。行きたい場所がありすぎた為、たった2日間の滞在で目的地を絞るのにはとても大変。

その数ある候補地の中でも、今回、絶対に外せなかったのはチームラボの展覧会「チームラボ 福岡城跡 光の祭 2019-2020」。

広大な福岡城跡の敷地がチームラボのアート空間に


チームラボと言えば、2018年、お台場に「チームラボボーダレス」、豊洲に「チームラボプラネッツ」ができたことが大きな話題になりました。

もちろん私たちも、オープンしてすぐに豊洲も、お台場も体験。その圧倒的な世界観とまったく予測のつかない美しい作品空間にすっかり魅了されました。

そして、今回の舞台は、福岡城跡。江戸時代よりその美しい総石垣造りから「石城」としても有名な九州一の巨城です。「光の祭」は、その約2万平米もの広大な史跡が、期間限定でチームラボのアート空間に変わる壮大なスケールのプロジェクト。

屋内での作品はいくつか体験していましたが、野外でのインスタレーションは初めて。事前にサイトを覗いては、親子でその日が訪れるのを楽しみにしていました。

初めての野外会場 圧倒的なスケールに感動!

「呼応する木々と自立しつつも呼応する生命」

会場内、まず出迎えてくれた作品は、「呼応する木々と自立しつつも呼応する生命」。
城跡におかれた卵形体が光り、その輝きが大きくなったり小さくなったりします。卵形体は倒すと色が変化して音が鳴り響き、それが周りの卵形体や木々にまで伝播。あたり一面の景色が次々と変化していきます。すべての光には意思があるように見え、まるで生きているかのようでした。

 

ゆっくりと作品を進んでいくと、中心に一際輝く「自立しつつも呼応する生命の森」があります。その名の通り、森のように密集した卵形体をかき分けて進むと、その衝撃で色や音が変化していきます。その変化も周りの卵形体、木々にどんどん伝播して、まるでおとぎ話に出てくるかのような幻想的な空間に。

「自立しつつも呼応する生命の森」

子供は森で鬼ごっこやかくれんぼをして大はしゃぎ。チームラボの作品は、思いっきり身体を動かすことで楽しめる作品が多く、子供はこのインタラクティブな空間を存分に楽しみます。

入場してすぐは、人も少なく、光はゆっくりと変化。しかし、時間と共に触れる人が増えてくると、色も音もどんどん変化し、全く違った景色に。演出に勢いが出て、会場のエネルギーが高まっているように見えました。

石垣の美しさに感動! いよいよ天守台跡へ

「自立しつつも呼応する生命の森」を抜けて、天守台跡へと向かい、石垣を登りながら作品を楽しみます。


「石垣の追われるカラス、追うカラスも追われるカラスー石城大天守台跡」

光で描かれた八咫烏が石垣の影の中を飛び回り、カラスたちは、ぶつかると花となって散ってしまいます。石垣の黒い影と、カラスの動き、音楽が見事に一体化し、最後に明るく照らされた時、これが石垣だったのかとハッとさせられます。


「大天守台跡の石垣に住まう花と共に生きる動物達」

全長60mもの石垣での巨大なインスタレーション。石垣の上を花々が生えた動物達が歩き、散っては消えていきます。花は、人が近づくと散る仕掛けになっていて、子供達はお気に入りの花を見つけて楽しそうに追いかけていました。

そして、石垣の作品を堪能したのちに天守台跡の頂上に。

天守台跡の頂上から見下ろすと、そこには光る卵形体と木々に埋め尽くされた夜景が広がっていて、1番の見所でした。季節が冬なので、光に透けた枯れ木の枝が、レースの様に見えとても美しい。

俯瞰して見ると、参加する人が増えていくことで光の明減が著しくなり、作品がどんどん変化しているのが良くわかります。福岡は空港が市街地に近いため、高い建物が建てられない街。周りの景色に強い光を放つ建物がないこともあり、見事に福岡の夜景と一体化して輝いていました。


「石垣の反転無分別-石城跡」

華やかな夜景の後には、落ち着いた、力強いインスタレーション。石垣の上に、空間に書かれた書=「空書」が映し出され、回転します。筆の跡が石垣の影と重なり、その歴史が作り出した石垣の美しさに改めて気付かされました。



子供たちが楽しみにしているお絵かき作品の新作も!


「お絵かき黒田官兵衛」

子供達が毎回楽しみにしているお絵かき作品。今回は、福岡城にちなんだ黒田官兵衛と、ゆかりのある歴史上の人物を選んでお絵かき。

目の前の草原に映し出された登場人物たちは、集まると、突然みんなでダンスを始めたり、触れるとおしゃべりを始めたりと、子供だけでなく大人もカメラを向けて大盛り上がり。

子供たちは光(櫛橋 光=官兵衛の正室)を可愛くお絵かき。映像化された途端走り出す自分たちの作品がどこへ行ったのかと心配そうに追いかけていました。

すっかり日が沈んだ帰り道 作品の余韻に

福岡は東京と比べて南に位置しているため、12月でも日没が遅く、6時過ぎに闇が深まり、光が強まっていく様子も素敵でした。

帰り道、すっかり日が沈んだ後に振り返ると、城跡の周りの石垣に映る「呼応し呼応する石垣」の美しさに気がつきました。

630mもの石垣が「呼応する木々と自立しつつも呼応する生命」からの光に反応して休むことなく明滅を繰り返しています。

「呼応し呼応する石垣−石城跡」

その場その場の作品を楽しんでいる時には強く意識をしていなかったのですが、ここから全体を通して考えてみると、会場全体で一つのアートだったのだと改めて気付かされました。

チームラボ 「Digitized City」プロジェクトとは?

チームラボは、「Digitized City」というアートプロジェクトを行っています。
これは、デジタルテクノロジーによって、街そのものは物質的に変えることなく、アート作品になるというプロジェクト。

常に変化していく都市の中で、変わらず静かに佇んでいる福岡城跡。おそらく「光の祭」がなければ我々の行先リストに候補に上がらず、石垣の美しさにも気づくことはなかったのではないかと思います。

この季節に、この時間、場所で、ここだけの体験をし、心を動かされたことは、まさに旅の醍醐味でした!

「Digitized City」プロジェクトは現在、福岡のほかに、高知でも開催されています。

皆様も2020年の家族旅行の候補に入れてみてはいかがでしょうか??

開催中のチームラボ 「Digitized City」 展覧会

「チームラボ福岡城跡光の祭2019-2020」
場所;舞鶴公園福岡城跡
期間;開催中〜2020年2月2日

「チームラボ高知城光の祭」
場所;高知城・高知公園
期間;開催中〜2020年1月13日

https://www.teamlab.art/jp/e/fukuoka-castle/

https://www.teamlab.art/jp/e/kochi-castle/

チームラボとは

アートコレクティブ。2001年から活動を開始。集団的創造によって、アート、サイエンス、テクノロジー、そして自然界の交差点を模索している国際的な学際的集団。アーティスト、プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、数学者、建築家など、様々な分野のスペシャリストから構成されている。

チームラボは、アートによって、自分と世界との関係と新たな認識を模索したいと思っている。人は、認識するために世界を切り分けて、境界のある独立したものとして捉えてしまう。その認識の境界、そして、自分と世界との間にある境界、時間の連続性に対する認知の境界などを超えることを模索している。全ては、長い長い時の、境界のない連続性の上に危うく奇跡的に存在する。
ニューヨーク、ロンドン、パリ、シンガポール、シリコンバレー、北京、台北、メルボルンなど世界各地で常設展およびアート展を開催。

東京・お台場に《地図のないミュージアム》「森ビルデジタルアートミュージアム:エプソンチームラボボーダレス」を開館のほか、2020年秋までの「チームラボプラネッツTOKYO DMM」東京・豊洲も開館中。
2019年11月5日に上海・黄浦濱江に新ミュージアム「teamLab BorderlessShanghai」を開館。2020年にマカオに「teamLab SuperNature Macao」を開館予定。

https://www.teamlab.art/jp/

高木綾子 Ayako Takagi

ライター/LEEキャラクター

1981年生まれ。百貨店バイヤー、ヴィンテージショップなどファッション業界を10年経験。その後、LEEキャラクターになったことをきっかけに同世代の女性に役立つ情報を伝える仕事に興味を持ち、ライターの道へ。夫の仕事の関係で2020年より東京から香川へ移住し、ファッションや子育てのほか、四国地方についても執筆。2児の女の子ママ。

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