消費税10%への増税もいよいよ。「家計の無駄をきっちり省いて節約したい」という気持ちは高まるばかり。
でもちょっと待って!
あなたがよかれと思ってやっている、その行為、実は貯蓄につながるどころか、出ていくお金を逆に増やしてしまっているかも!?
自身も節約の鬼である、消費経済ジャーナリストの松崎のり子さんが「真の節約」について目からウロコの正しい知識をお教えます!
この記事は2019年5月7日発売LEE6月号の再掲載です。
消費経済ジャーナリストの松崎のり子さん熱弁
「節約好きの貯め下手」を脱出したいなら今すぐ見直しを!
「節約」や「お金の貯め方」について執筆し、自身の徹底した「お金を使わない習慣」についても多くの取材を受ける松崎さん。
「今の世の中は、いかにも私たち消費者が得をしそうと思わせる耳障りのよい文句やサービスにあふれていますが、そのすべては私たちにお金を使わせるためのもの。
つまり、『一見節約に見えるけれど、結果的に支出を増やす』ことにつながってしまうんです!
そんな『お得の罠』に踊らされることなく、手元のお金を減らさないための最善の方法をいつでも的確に選べるようになってほしいと思います」
特に気をつけたいのは“損をしたくない”という気持ちが先行しすぎる状況に陥ったときだそう。
まずは、自身の習慣をチェック!
「やりがち節約習慣」Check List!
1.「3品で10%オフ」なら、3品買わなきゃもったいない!
2. スーパーで食材を買うとき「安い」という理由だけで飛びつきがち
3. ネット通販で買い物する際は、必ず「送料無料」になるまでポチる
4. 自分がよく行くエリアにあるお店のポイントに絞って貯めている
5. 割引クーポンの期限が迫っていたら、必ずクーポンを使う
6. クレジットカードは、割引やポイント目的で1~2枚に絞って所有している
7. 保険料など、まとめて払える固定費は「年払い」にしている
8. 自分の年代の平均額に合わせて、多少無理しても積み立てしている
9. 外食しがちな夫の小遣いを多く、妻の小遣いを少なめに設定している
10. 専業主婦だけど「ふるさと納税」がお得と聞いて、やろうとしている
「やりがち節約習慣」は本当にお得? それとも無駄遣い?
「節約になるから」と思い込んでいる行動が、実は支出を増やしている可能性も。10の習慣の真実を、松崎さんがジャッジします!
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人が欲しいものは、大抵2つまで!最後の1つは「財布から出ていく無駄金」と見なして
「『○個以上買うと割引』というたぐいのうたい文句は大抵3つなのですが、冷静になって考えてみると今本当に必要なものってせいぜい2つくらい。
最後の1つは頭数を合わせるために無理やり選んでいるという人、実は多いのではないでしょうか。単品購入するほうが使うお金は少なく済みます」(松崎のり子さん)
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食材を買うときは自営業の店主になった気持ちで「在庫を使い切ること」を第一に考えるべし!
「足を運ぶ頻度が高いスーパーは、罠も多い!
割安だからと全部使い切れない量の食材を買ってしまい結局ゴミになったり、調味料を買い込みすぎて収納庫に詰め込んだまま忘れていたり。現状のキャパをオーバーするような買い方は改めるのが吉です」(松崎のり子さん)
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送料の金額をまず確認。3000円余分に買うより、1000円支払うほうが支出は少ないはず
「『送料無料まであと○円!』に焦ることなく、まずは送料がいくらなのかを確認しましょう」
「もし1000円ならば、買い物カートに3000円の商品を追加するよりも、おとなしく送料を払ったほうが実際に財布から出ていくお金は少ないんです。『お得かも』と思う気の迷いが判断を鈍らせてしまうんです!」(松崎のり子さん)
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自分の行動パターンを冷静に分析できて◎。「ポイントは近場で稼ぐ」が一番!
「たまたま行ったお店でもらう棚ボタ的なポイントよりも、行きつけのお店で集中的に貯める方がずっと効率的。
毎日通勤で通る駅ビルや、家族で毎週出かけるショッピングモールがある人はそこでのポイント貯蓄が得策です。食料品、日用品などさまざまな買い物に適用できて◎」(松崎のり子さん)
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「得する権利」があるのにもったいないという心理に。騙されないで!
「クーポンって巧妙で、得する権利を手にしてしまった以上、使わないとなぜか損した気分になってしまう。
でもこれは『お得に買い物ができる券』ではなく『お金を使ってもらうためのサービス』だということを忘れないで! そう思えば期限に振り回されることもなくなるはず」(松崎のり子さん)
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クレカは多くて2枚まで!それ以上は、支出&ポイントどちらの管理も難しくなります
「会社によっていろんな割引やポイントがあるからと、クレジットカードを複数枚持っている人も多いはず。でも、使うお金には上限があるのだから、カード枚数は少ないほうが絶対に得!」
「ポイントの貯まり方も早いし、支出の把握も明確で一石二鳥です」(松崎のり子さん)
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「生命保険料」「国民年金保険料」など、月払いよりもお得になるものは活用すべき!
「年払いにしたほうがお得なものには、生命保険料、国民年金保険料に加え、NHKの受信料なども。月払いにしている人はまず年払いに切り替えて。
年払い用に事前に積み立てておけるとさらにgood! 家計をじりじり目減りさせないためにできる、確実な対策です」(松崎のり子さん)
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貯蓄へのプレッシャーで逆に赤字会計になりがち。「平均値」は幻だと思って信用するな!
「『自分の年収での平均金額を!』と積み立てを頑張るあまり、収入から積立金を引いた残りの生活費が赤字になってしまう"隠れ赤字家計"が意外と多いんです。
でも貯蓄はダイエットと同じで、無理をすると必ずリバウンドをするし、長く続けられなければ意味がありません」(松崎のり子さん)
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妻の小遣いが少額だと、不足した際に家計に手をつけてしまうケースも。納得のいく金額を夫婦で話し合おう
「特に妻が専業主婦の場合は小遣いが少額になりがち。でも、足りないコスメ代を日用品代から、などと家計から拝借してしまうほうが、かえって無駄遣い増。
美容室代は必要経費だし、ママ友とのお茶で得られる育児の情報は貴重なもの。用途を説明し、家計に計上しましょう」(松崎のり子さん)
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対象者は「納税者」だけ!自分の納税額以上にお得になるわけではないんです
「大ブームのふるさと納税は『所得税・住民税を納めている人が節税できる』というのがその魅力です。
納める税金が多い人ほど節税額が増えますが、専業主婦や、夫の扶養内で働いている妻がせっせとふるさと納税で寄附をしても、自分の節税メリットにはならないので、うっかり間違えないこと!」(松崎のり子さん)
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「セール価格になっている、手持ちのポイントで買えるなど、お得な権利を手に入れた状態ではつい『今買わなきゃもったいない!』と思いがち。でも『お得』だからといって『節約』につながるとは限らないんです。そこを間違えず、最終的な目標である『家計のお金を増やす』ことに向かって迈進してください!」(松崎のり子さん)
イラストレーション/藤井昌子 取材・原文/松崎のり子 本誌編集部
この記事は2019年5月7日発売LEE6月号『「お得」のつもりが「無駄遣い」!「いい節約」と「悪い節約」』の再掲載です。
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